俺の中には魔物がいる。



どこまでもドス黒く、どこまでも無差別に攻撃的で、



どごまでも稚拙で、少しだけ卑猥な奴だ。



時々、俺は能動的に奴に触れてしまう。



その刹那、俺は奴に乗っ取られる。



気づいた時には、一面血の海だ。



背丈は小柄なのに、器用さで他を圧倒する。



それは舞の海だ。



本名、長尾秀平



平成の牛若丸、技のデパート



有限会社舞の海カンパニー所属。





そうだな、俺がもしも力士になったら、



四股名は















風早越波 かざはやえっぱ





モダンさの中にも力強さと妖艶さを兼ね備えた



カリスマに相応しい名前だ。











俺はこの世界を愛し、そして壊したい。



どうして男は女を求めて彷徨い、



どうして女は男を求めて着飾るのか。



森羅万象、欲。



他との比較でしか物事を測れない小さな世界。



生きる意味を忘れ、生命の奇跡を冒涜している。



虚しい。



まったくついてない人生だ。







そっか、俺の運は既に尽きているのか。



お前と出逢えたことに、俺は一生分の運を使い果たしてしまったのか。



「不特定」と入力しようとして、



「太くていい」と打ち込んでしまったような。



だから今日も、また壊す。



悪魔とともに。