「私の事は忘れて、そして生きて。」

私には忘れようにも忘れられない人がいる。
その人は、ずっと心に残るだろう。

私は芽依(めい)、高校二年生。
この学校で生活するのももうすぐ二年。こんなにも私が明るくいられるのはあの人のおかげだお思う。

一年の初め、私は不登校だった。
いじめを受け、人と関わるのを避け始めると、周りから誰もいなくなり、結果として学校に行かなくなってしまった。

別に私は学校なんて行かなくてもいいと思っていた。
親とかには行けって言われたけどそんなの聞く気にもなれなかった。
もちろん、ずっと部屋にいるので基本的に本を読んだりPCでゲームやチャットをしたりしている。
大抵は暇つぶしなので適当に過ごしている、ネット上で仲良くなったりする人もいる。

ほとんど、身体目当ての奴らばかりの出会い厨。
なので女の子と絡むようにしていた。
確認の仕方は通話。出来ない人はネカマだと思ってる。男でも仲良くはするけど会ったりするのは別。

私の仲の良い女の子達の中でも特に仲がいい子がいた
名前は太陽。
SNSでたくさん絡んでたし、通話とかもたくさんしていた、いつも一時間と短かったが…

ある日通話してると

「ねぇ、芽流(める)。今度会って話そうよ。」

そう言ってきた、私も太陽に会ってみたかったし、断る理由もないのでOKした。

「あ、それと私この場所から動けないの。だから来てもらっていい?」

言われ、もらった住所は近くの病院だった。

「来てくれたんだね、嬉しい…
私の名前は陽菜(ひな)芽流と同じ高校一年生になるのかな。」

「あ、私は芽依だよ。」

あった印象はびっくりだった。

肌はとても白く、手足は細い、それはもう触れれば砕けてしまいそうなものだ。そして髪の長さは腰より長く入院生活の長さを彷彿とさせるものだった。

でも、驚いたのは最初だけだった。
SNSや通話とは変わらないむしろ、その時よりも明るい人だ。今まで通話が一時間だったのは病院だったからだ。
それから私は毎日病院に通った。明くる日も明くる日も…
たまに陽菜は悲しい顔をする。

「学校に行きたいなぁ…」
と呟く。
長い入院生活のため一度も学校に行ったことがないのだ。
そう呟く時私は何も言い返せなかった。

陽菜は弱音を吐かない子、いつもは明るい話をする子だ。笑顔が素敵でいつも癒やされる。そんな楽しい日々が続くと思っていた。

いつも通り病室に行った、なのに陽菜の姿がない。病室のネームプレートが無い。その時悟った。

陽菜は死んだんだ。

悲しかった、もうこれ以上陽菜と話したり、病院の中を散歩したりできない。なによりあの明るい笑顔が見れないのは辛かった。

とにかく泣いた、ずっと泣いた…陽菜を想って…

ある日手紙が届いた。なんと陽菜からだった。

親愛なる芽依へ

この手紙が芽依の下に届いってるって事は、私死んじゃったんだね。今、これ書いてる時は生きてるから実感わかないけどー。

ねぇ、芽依。私の事想って泣いてくれた?泣いたの?そんなのわかんないか。
少しでも私の事考えてくれてればそれでいいかなって思ってます。

実はね、芽依に会う少し前からもう長くないってわかってたの。だから個人的に私が仲がいいなって思ってる人に会いたかったんだー。芽依はたくさん話してくれるしら何より他の人よりも優しく私に接してくれたから。

会ってからも変わらずにたくさん話したね、だって毎日来てくれるんだもん!!
正直言うとめちゃくちゃ嬉しかったんだよなー。
芽依と話したことはどれもこれも私にとっては忘れられない思い出だよ。

もうね、この世に思い残す事はない!

って言ったら嘘になるんだけどね。
一つだけ、私のわがまま聞いて欲しいな。もしかしたら何となくわかるかもしれないけど。

「学校に行ってほしい」

芽依が学校に行けない理由もわかってるから無理強いはしない。でも、芽依にはたくさん友達がいたほうがいいと思うんだ。そんなに綺麗でスタイルいいのにもったいないよ。
ごめんね。厚かましいかな?
学校に行くのは辛いと思う、けど、そしたら私を思い出して…必ず私が隣にいてあげるから。
そうすれば大丈夫。でしょ?

そしていつかは芽依にも友達ができるんでだよね。私にとっては、とても嬉しいこと!
そしたらもう一つのお願い。

「私の事忘れて、そして生きて」

矛盾してるね、さっき忘れないでとか書いたくせに。
でもさ、友達ができたら私はもう必要ないでしょ?
だから忘れて。その変わり精一杯全力で楽しく生きてほしい。

これは一生の約束だよ?破ったらあっちでいっぱいいたずらしてやるんだから!

じゃあこれで終わろうかな‥

最後に。

芽依に出会えてよかった。

               陽菜より

p.s.封筒の中にある写真を入れました。


私は涙をこらえ読みきった。封筒の中を確認する。中の写真を取り出し、見る。
そこにはとびきりの笑顔の陽菜がいた。

また泣いた。でも、今度は決心がついた。陽菜のために生きると…




あれから一年…

私にも友達が出来た。
けれど陽菜との思い出は捨てていない。忘れない、ずっと。

「めいー!かえろー!」

友達に呼ばれる。素早く帰り支度をして教室を出る。

私は思う。陽菜のために強く生きようと。そして友達をいっぱい作ろう、陽菜を嫉妬させるくらい。そして笑ってもらおう。と

私は歩み出す