時事通信によれば、18日に中国商務省の沈丹陽報道官が記者会見で「日本などの金融緩和や利下げの影響で、中国を含む一部の国の通貨は大幅な上昇を迫られている」とのべ、日本の金融緩和が大幅な円安と中国元(人民元)高を招いたとしています。
一般に、自国の通貨の価値が相対的に上がると(=中国元高)輸出に悪影響が出ます。円高がトヨタなどの自動車産業の業績悪化を招くのはよく知られていますよね。
沈報道官によれば、アンケートの結果、中国元(人民元)高によって中国の輸出企業の7割以上が業績が悪化したと回答し、約23%の企業が赤字に転落したといいます。
そこで中国政府は、日本などとくに輸出相手国となる先進国に対して、安易な通貨安競争は断固として止めるべきだと牽制しています。
このように、中国政府は人民元高についてはかなりの警戒感を持っています。以前のエントリで中国元の上昇トレンドの継続について述べましたが、今後も昨年以来の上昇トレンドが続くかどうかは不透明です。
最近の経済指標の悪化も影響して、中国元(人民元)の為替レートはもみ合い状態となっています。どちらに動くのかはっきりしません。

(日足・3ヶ月)
チャートを見ると、先週の大きな下げが上昇のトレンドラインを割り込んだこともあって、1円=15.0~16.9円のレンジ内を動くような値動きに見えます。
英エコノミスト誌が「The cheapest thing going is gone」(英文)で述べるように、市場関係者の間では、中国元(人民元)の割高感も出てきています。
中国の経済成長に伴う人件費の高騰などによって、中国元の実質的な価値は十分に高く、中国元が破格に安かった時代は終わりを告げたというわけです。
中国政府が、政策として中国元(人民元)の切り下げに動けない事情はすでに述べましたが(「中国は利下げをするのか?~最近の経済指標から中国経済と中国元の行方を考える~」)、同時に輸出への影響もあって中国元高も容認はできないというジレンマにあるようです。
ですから、中国元(人民元)の為替レートは、当面トレンドが出にくい状況が続くものと思われます。
ただ、このようなレンジ相場は金利スワップには有利な状況のひとつではあります。為替差損が出にくいからです。
ポジションを保有している場合には、為替レートの変動に注意を払いつつも、安定してスワップポイントを受け続けることができるでしょう。
また、これから金利スワップのポジションを作る場合は、レートがレンジの下限に近づいて反発したあたりで買いを入れるといいと思います。