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 次世代バイオ燃料の有望な原料として、油成分を作り出す藻類に期待が集まっている。国内外で研究競争が激化し、大手民間企業が出資を本格化。東日本大震災の被災地に研究拠点を置き、復興につなげようとする動きも出始めた。資源小国の日本が“産油国”になる日は来る? 【八田浩輔】

 「これが抽出した油です」。川崎市内の研究室で、「IHI NeoG Algae(アイエイチアイ・ネオジー・アルジ)」の藤田朋宏社長が試験管に入った微量の液体を差し出した。黄色がかって無臭。漁船などに使う「A重油」に相当するという油をつくったのは、日本でも湖や河口などに生息する「ボトリオコッカス」という単細胞の小さな藻の一種。光合成で二酸化炭素を吸収し、重油成分に相当する炭化水素を生産して細胞のまわりにためる。1・5リットルの培養液から2~3ミリリットルの油が生まれるという。

 ◇増殖1000倍速

 同社は造船重機大手IHIとバイオベンチャー2社が今夏設立した。利用するのは、神戸大が品種改良を重ねて開発したボトリオコッカスの一種「榎本藻」だ。通常の1000倍の速さで増える。燃料の大量製造に向けた技術開発に特化し、単価の高いジェット燃料などへの活用を見込む。IHIは2年で4億円の投資を決めた。

 藻類を用いた燃料の商業化の試みは、米国を中心に本格化している。米石油メジャーのエクソンモービルは、09年から6億ドル(456億円)以上を投じる予定だ。昨年「人工細菌」を作り出して科学界の話題をさらったクレイグ・ベンター博士が創設したバイオ企業との共同研究で10年以内の実用化を目指す。

 ◇油収量効率高く

 藻類が注目される理由の一つは、単位面積当たりの油の収量の高さ。陸上植物で効率が良いとされるアブラヤシと比べると5~数十倍に達する。食料生産と競合しない点も魅力だ。00年代半ばからの原油高騰に伴い、バイオ燃料の需要が増えた結果、原料のトウモロコシやサトウキビなどの穀物価格上昇を招いた経験があるためだ。

 ◇コスト削減課題

 「不純物がなく、油としての品質は申し分ない」と藤田社長は力を込める。課題は価格競争力だ。現在、油を1リットル精製するコストは1000円以上と見積もられているが、他の燃料との競争には1リットル100円に下げる必要がある。そのためには、培養施設確保や抽出に必要な電力費のコスト削減などの課題をクリアしなければならず、将来的には海外での生産も視野に入れる。3年以内にはサンプル燃料を販売する計画で、10年後に1リットル100円の実現を目指す。

 一方、この分野の草分けの渡辺信・筑波大教授は、大震災で被災した仙台市の処理施設に集まる下水を活用した燃料生産の実証実験を同市、東北大と始める。光合成をせずに水中の有機物を栄養として石油成分をつくる「オーランチオキトリウム」という藻類を使い、油の生産と同時に排水の浄化を両立させる構想だ。渡辺教授は「新しい産業、雇用を生み出し、被災地の復興をサポートしたい。全国の処理場で応用は可能だ」と意気込む。


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 矢野経済研究所が、商品先物会社やFX専業会社、ならびに証券会社、ネット銀行などを対象に、FX(外国為替証拠金取引)の動向を調査した結果によると、2011年3月期のFXの口座数は307万口座で、前年同期よりも11.7%増加した。企業の合併や商品の統廃合が進んだことで、口座数が減少した企業もあったが、業界全体として増加傾向にあり、2012年3月期には340万口座に達すると見られている。

 市場規模(預かり証拠金残高)の推移をみると、2011年3月期は7509億円で、前年同期より9.9%増加した。リーマン・ショックによる急激な円高進行により、2009年3月期に初のマイナス成長となったものの、その後は拡大を続け、2012年3月期の市場規模は8482億円まで拡大するとみられている。

 FX取引をする投資家が増える背景には、急激な円高が進むほか、FX取引に関する税制の整備が進んだことが影響している。

 FXには「店頭取引」と「取引所取引」の2通りがあり、それぞれ税制が異なっている。投資家と金融機関の相対によって取引を行う「店頭取引」は、給与所得や事業所得などと合算して課税される「総合課税方式」が適用されるため、利益が出ると15~50%の税率で課税される。そのため、所得の多い人には重税感が高かった。

 一方、くりっく365や大証FXのように、金融機関がFXの公設の取引所に注文を取り次ぐ「取引所取引」は「申告分離課税方式」が適用され、税率は一律20%だ。さらに、損失が生じた場合でも、証券や商品先物取引の利益と損益の通算ができるほか、確定申告をすれば、最長で3年間にわたって損失の繰越ができる。

 このように、「店頭取引」と「取引所取引」で異なっていた税制が、2012年の取引からは申告分離課税方式に統一され、税率が一律20%になるほか、「取引所取引」でしか認められていなかった損益通算や損失の繰越が「店頭取引」でも認められるようになる。こうした投資環境の整備が、FXに投資家を呼び込むきっかけとなっているのだろう。

 為替に関するニュースは毎日のように報道されており、一般投資家でも情報を入手しやすくなっている。FXを始めやすい環境が整いつつあるのかもしれない。


(サイトウ イサム 、 加藤 秀行)


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 来週の日経平均は9000円±200円のレンジ相場を想定している。NYダウが短期的に過熱しているため、目先騰勢が一服すると予想することが、日経平均の主たる調整要因だ。ただし、週末28日の日経平均は9月1日以来、約2カ月ぶりに終値で9000円大台を回復した。ユーロ圏17カ国首脳会議が債務問題に関する「包括戦略」で合意したことで、世界的に、株式などリスク資産への買い安心感が広がった結果だ。この効果は来週も発揮され、押し目では、売り方の買い戻しが入り、これが日経平均の下値をサポートするだろう。

 なお、NYダウに比べ日経平均の出遅れが顕著だが、これは、対ドルでの円高に歯止めが掛からないことが主因。よって、円高が是正されない限り、日経平均はNYダウに対して出遅れ続ける公算が大きい。

 一方、円の対ドル相場が連日で最高値を更新したにもかかわらず、少なくとも日本株は、27日、28日は買いの勢いが勝った。つまり、足元の動きだけをみると、日経平均と対ドルの円相場との相関係数は低下している感が強い。言い換えれば、円高に日本株が鈍感になっている。このため、現在の水準から大きく円高・ドル安に振れない限り、日本株に関しては、上値抑制要因ではあるものの、円相場に対してそれほど神経質になる必要はないことも事実だ。

 ところで、11年7-9月期の米実質GDPは前期比年率換算で2.5%増だった。個人消費や設備投資が伸び、成長率は昨年7-9月期の2.5%増以来の高い伸びとなった。しかし、米連邦準備理事会(FRB)は、景気下振れリスクが高まればQE3(量的緩和第3弾)に動く構えを強めている。それでも、11月1-2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、ここ最近のマクロ指標が大幅な経済の減速の示唆していないため、追加の金融緩和策(QE3)の発動はないとみている。

 しかし、QE3を発動しなくとも、将来の発動を示唆するようなら、ドルは売られ、米株は上昇する見通し。日経平均も円高が進行する中、NYダウに連れ高することだろう。

 一方、来週は重要な指標発表やイベントが目白押しだ。これまでは、11月3-4日にカンヌで開催される20カ国・地域(G20)首脳会議が最大のイベントだったが、既にEU首脳が「包括戦略」で合意したことで、市場の注目度は落ちた。

 それでも、3日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会後のドラギ次期ECB総裁の記者会見は一応注目されよう。だが、その記者会見を受けて、世界の金融市場が動揺することはなさそう。なぜなら、EU首脳が「包括戦略」で合意した状況で、ECB総裁が、市場にネガティブな発言をする可能性は低いとみるからだ。

 EU首脳が「包括戦略」で合意したため、市場の関心は、欧州債務・金融システム問題より米国景気の方の比重が大きくなったと考える。その意味では、11月1日の10月のISM製造業景況指数、4日の10月米雇用統計への関心が一段と高まる見通しだ。これらの指標が下振れするようだと、QE3実施リスクが高まり、ドル安基調が強まる公算が大きい。逆に、上振れするようだと、当面のQE3実施期待が後退するが、もともと過度なQE3期待もなかったため、このケースは市場にニュートラルだろう。

 来週の日経平均に関しては、テクニカル的に、下値は5日移動平均線(28日現在、8866.35円)がサポートするとみている。一方、上値は9月1日高値9098.15円、26週移動平均線(同、9280.60円)などを想定している。だが、200日移動平均線(同、9600.91円)を大幅に下回る日経平均は過熱感なくとも、200日移動平均線(27日現在、11970.60ドル)を上回ってきたNYダウの短期的な過熱感は否めない。このため、来週はNYダウが調整する可能性が高いとみている。

 物色に関しては、リターン・リバーサルと出遅れ修正が基本になるだろう。8月以来の下落率の高い銘柄群がその中心となる見通しだ。(編集担当:佐藤弘)


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