日本では、将来の夢は?と聞くと必ず職業名が挙がる。それだけ人生の中に占める仕事の割合が大きく、責任感があり熱心であることの証拠でもある。
でも、本当に大切なのはその仕事を通して得られるもの・達成したい事柄で、それが明確でない限りはやりたいことというのは見つからないんだ。
将来医者になることを夢見て、日々勉強を頑張っている子供がいる。きっと、病気で苦しむ人たちを助ける姿を見て憧れをもったに違いない。
この子にとっての将来の夢は、自分の力で一人でも多くの人を助けるということで、その一つの手段として医者を選んだ。医者という職業を通して、達成したいことが明確なんだ。
だから、仮に医者になる夢が叶わなかったとしても、何らかの形で人を助けるという夢は叶えることができる。医療の分野ではなくとも、レスキュー隊に所属しても良いしボランティア団体に入ることでも直接人の力になれる。
医者になることそのものが夢だとすると、手術をしてみたいとか人体そのものに興味があるということだ。そうでないのなら、必ず医者という職業を通して得たいもの・成し遂げたいことが自分の中に潜んでいる。
サッカー選手を夢見る少年がいる。きっとテレビなどで、世界で活躍する選手たちを見て憧れをもったに違いない。
でも、もしサッカーがすごく人気のないスポーツで、その存在さえもあまり知られていなかったらどうだろう。観客もほとんど入らないようなマイナーなものだったら。
それでもサッカーをやりたいというのなら、きっとサッカーそのものが大好きなんだ。
でも、それなら別のスポーツを始めるというのなら、サッカーがやりたいのではなく華々しい世界に身を置いてみたいというのが本当の夢なんだ。それはスポーツ選手ではなくとも、歌手やタレントになることでも叶えられるかもしれない。
やりたいことそのものではなく、それを通して感じたいこと・成し遂げたいことに想いを向けてみる。そうすると、今まで気付かなかった自分の本当に進むべき方向が見えてくるかもしれない。