杭基礎のトラブルとその対策① | 橋のお勉強ブログ

橋のお勉強ブログ

建設コンサルタントに勤め、橋の設計をしてます。
前職をリストラされ、今の会社でのんびり契約社員で働いてたところ、女性活躍のビッグウェーブにのみこまれ、ついに正社員へ。色々不安を抱えながらも、マイペースで頑張っていこうと考えてます。

にゃんこです!

マンション傾き問題をうけ、杭基礎のトラブルについての再確認!



昔かった、「杭基礎のトラブルとその対策」って本がものすごくためになるので、おすすめです。

(まだ、熟読できてませんが。。)

杭基礎のトラブルとその対策(第一回改訂版) (トラブルと対策シリーズ)/著者不明

¥4,752
Amazon.co.jp

杭基礎のトラブルとその対策 (トラブルと対策シリーズ)/著者不明
¥3,780
Amazon.co.jp

<杭基礎のトラブルとそれに関連する地盤情報>

①杭体の損傷 : 転石・砂礫等の噛み込み、粘性土の閉塞、支持層の傾斜など


②杭の高止まり、打ち止まりなし : 転石、砂礫、流木などの地中障害物、調査不足による支持層の 誤認など


③孔壁崩壊 : 中間細砂層や、砂礫層の崩壊、地下水位変動、逸水など


④杭の傾斜・偏心 : 支持層の傾斜、転石、地中障害物


⑤支持力不足 : 調査不足により支持層に達していないなど


⑥上部工の不同沈下、支持力不足 : 地層判定の誤りなど


⑦その他 : 地下水の噴出など


<トラブルに対する着目点>

①④⑤

・支持層の深さと厚さ、連続性、傾斜や、不陸、中間層の構成を確認すること。

支持層直下の地層の力学・変形特性なども必要(薄層支持の場合とか?)

⇒適切な調査地点の設定・適切な支持層とその厚さまでの調査


①②④

・削孔および貫入抵抗にかかわる地盤情報の確認

転石、流木、地中構造物等についての、大きさ、硬さ、掘削抵抗、出現深度等の把握。礫質、最大礫径、硬質粘性土などの強度や付着力の確認。


リバース:ドリルパイプ径より大きい玉石(約15cm以上)層の掘削が困難

中堀:杭内径とスパイラルオーガー軸部径のスペースによって、掘削可能礫径が決定される。



③⑦

・孔壁や孔底の保持に係る地盤情報の確認

孔壁のはらみ出し⇒非常に軟弱な粘性。特に未圧密地盤に多い

孔壁の崩壊⇒未固結の比較的粒径がそろった砂や礫地盤にみられる。

透水性の良い地盤、地下水が静止していない地盤では、泥水が劣化しやすく、間隙水圧が低い場合には、逸泥することになる。


リバース、アースオーガー、プレボーリング等



・根固め工やコンクリートの品質などにかかわる地盤情報

根固め工⇒支持層の透水性、間隙比、地下水圧や流速

コンクリートの品質⇒地下水のPH等の水質、流速、極軟弱な地盤での孔壁のはらみ出し。


場所打ち杭、噴出撹拌方式⇒地下水流速3m/min以上×



来週のお仕事で、急峻な谷地形での、追加地質調査提案書を作成する予定ですが、

"支持層の傾斜の把握可能な、追加ボーリング位置の選定"がキーポイントになりそうですね。