企業の社会的側面という話をすると、メセナやフィランソロフィーを中心にした社会貢献のことをまず思い浮かべるでしょう。これも社会性のひとつですが、ここではあえて貢献ではなく
「責任」というちょっとお固い言葉のカテゴリーに焦点をあててみました。
社会貢献はやっていればプラスに評価されるタイプの活動ですが、社会的責任はやらなければマイナス評価を受けることがある、という点が異なる。やらなくて済むかもしれませんが、それが発覚した場合企業経営にとって大きなダメージとなり、経営基盤そのものが揺らぐ重要な課題となります。その違いをわかっていただき、社会貢献だけの話でお茶を濁さないように、そこをまず抑えていただきたいとおもいます。
ひとは誰しも他人の指図を受けたくないもの。しかし、自分の行動を自ら客観的に評価し、そして、自ら律することは決してたやすいことではない。相当な注意をしていても、ひとはつい自分にあまくなってしまうものなのです。
さて、1999から2000年にかけておきた警察不祥事の後、外部の監察機関を推す声を、警察はかたくなに拒みました。そうして、神奈川県警をはじめとした地方警察は、「監察ホットライン」あるいは「監察110番」といった名称の相談窓口を設けました。こうした窓口によって、「開かれた警察」をアピールしようとしたのです。
【民間企業のずさんな品質保証制度】まずは民間企業の例を考えてみましょう。
もう昔話しになりますが三菱自動車、少し前なら日本ハムや雪印、もっとさかのぼれば、多数のエイズ感染者を生み出した血液製剤を販売した複数の製薬会社。このように、だれもが知っている事件だけでも枚挙にいとまがありません。
これらの事件が公にでたのは、被害が甚大であったからです。表沙汰にならなかった事件や、表面化さえしない事案をすべて合わせると、そうとうな数になるはずでしょう。逆に、本当にクリーンな組織は皆無なのかもしれません。ある調査によると、ニッポンのサラリーマンの7~8割は、内部不正を知りながらこれに加担、または黙認した経験があるといいいます。
お客様相談室とQA
被害が甚大になる前の対応を可能にするのは「お客様相談室」など、製品ユーザーやサービスの利用者の声に耳を傾けることである。そこで、一般的な製造業の会社を見てみよう。
【ニッポンの会社組織】お客様相談室は広報部に位置づけられていることが多いです。「顧客の安全より組織の利益」 が横行するなか、はたしてニッポン企業のお客様相談室は有効に機能しているのでしょうか?
【欧米の会社組織】QAとはQuality Assuranceの省略語。日本語に直すと「品質保証(部)」である。「QAは独立した権限をもって品質保持にあたることができる」ようです。すべての欧米のメーカーがこのようなQAシステムをもっているとは思えない。とはいえ、逆に日本において、ユーザーの利益を優先する企業があるのでしょうか?
