僕は松本英彦が好きだ。
日本のモダンジャズを切り開いた先駆者・・・
敬意を払うのはもちろんだが、何よりサックスの音色が好きだ。
僕の好きなレスター・ヤングを彷彿とさせる。
彼が参加したビッグ・フォアの『ジャズ・アット・ザ・トリス』や
『松本英彦のモダン・ジャズ』などは和ジャズ史上の名盤である。
そんな彼も没後二十年を経て、音源の入手が難しくなってきた。
数少ないリーダー作も廃盤が続いている。
そんな中で、気になるCDを見つけた。
このいかにも企画モノ臭い、本屋や駅のワゴンで売られていそうな、
実際、僕もそういうところで見つけたのだが、裏面の演奏者を見て
思わずのけぞった。
感のいい人はもう察しているだろうが、松本英彦の演奏なのである。
しかも録音は63年。彼が日本の音楽シーンに君臨していた
全盛期の録音なのである。
にもかかわらず、このCDをレジに持っていけなかった。
怪しいのである。あからさまに怪しいのである。
企画モノゆえ、演奏者のミスプリントも否定できない。
せめて試聴できたら……と思うのだが
残念ながらこういう企画モノに試聴コーナーを設けている
奇特なサイトは見つけられなかった。
聞いたことがある人がいたら、ぜひ感想を聞かせてほしい。
ちなみに、ムード・サックスのような音楽は嫌いではない。
こういうの、シビレるよね。
【追記】
色々調べたところ、レーベルや曲目から判断して上記のCDは
『スリーピーズ・ポピュラー・アルバム』という作品と同内容らしい。
少なくとも松本英彦の演奏で間違いないようだが
どんなアレンジで演奏されているのかまったく不明なので
やはり購入には踏み切れないのだ……。

