62回
「ダメ!」
叫びながら、反射的に股間に両手をあててしゃがみこんだのです。
あれだけ女性と言っていたのに、正人さんは私の男を暴露しょうとするのです。
優しい正人さんでも矢張り猛々しい男性と、思うほかないのでしょうか?。
腰を曲げておよび腰の私の目の前に、立ちはだかるように立つ正人さん。
私に突き刺さるように正人さんの男性の印が、泡にまみれて光って立ち上がっているのです。
こんな大きなものが私のなかに入ってくるなんて~信じられません。同じ性を持つ私の愛しいものとはまるで違っていました。逞しい男性的な体型の正人さんに憧れた私だけど、でも、その男性の象徴は恐ろしく映ります。
目を閉じている私の両肩に正人さんの手が当てられ力が入って、私は立たされました。目を開けた私の前に体を屈めた正人さんの笑顔がありました。
「あきさん子供みたいに~僕の奥さんになったのだからね~女なのだから気にしないで」
「それは分かっているのだけど、正人さんに見られると男を意識してしまうの」
「気にしないで僕はあきさんを女と思っているのだから、これも僕には女の印と思うことにしているから安心しなさい」
耳元にささやきながら、私の固くなった印を正人さんたら優しく握ると、自分のものと合わせて擦るのです。
恥ずかしくて、思わず正人さんの厚い胸にしがみついていました。
無我夢中の興奮に包まれている私を、正人さんはまるで宝物を扱うように私の裸身にボディソープを塗り付けていくのです。
湯船のお湯を桶に汲み取り私の体の泡を洗い流してくれます。
私が手を出しても、「何もしないで」と止められてなすがままにされます。
抱きかかえられるようにして湯船に入ると、正人さんの膝の上に後ろから抱かれて湯船に沈みます。
「あきさんありがとう。忘れていた幸せを僕はいま思い出しているよ」
「正人さん私もです。独りぼっちで寂しかったのが噓みたい。女の気持ちでいっぱいです」
「そうだよ、僕の大切なウ”ィナスーだものね」
正人さんはそれを証明するかのように、その手は私の体のいたるところを滑って味わい、首筋、耳たぶと口が当てられ、飲み込むようなキッスをされると、私はすべてを忘れ体がまわると、正人さんに向かい会って抱きついて熱いキッスを受けるのです。
湯船での喜びから離れることができないで、のぼせるほどの長湯してやっと風呂から上がると、脱衣場で正人さんに体をふいてもらって~いえ、正人さん「あきさん体中桃色に染まっている」歓声のように叫んで、私の手から大きなタオルを取り上げて私の裸身を愛でるように拭くのです。
まだ興奮が冷めやらぬ証のように立ち上がっている私のモノに、もう恥ずかしくて耐えられないというのに、正人さんは容赦しないのです。
それどころか寝巻の浴衣を着ようとすると、それすら許してくれません。二人ともふろ上がりのままの姿で、私は寝室に抱えられるように運ばれたのです。
抵抗なんてできませんでした。
私よりはるかに大きい体格の正人さんにかかっては、私はされるままなのです。
赤い雪洞の光に、真っ赤な掛け布団が凄く煽情的です。そして二つの並んだ枕。
いよいよ~期待?恐れ?両方がないまぜて、興奮が最高潮に達して激しい動悸に包まれます。
かけ布団を剥いで、正人さんは裸身の私をそっと布団に寝かしてくれます。
私に寄り添って横に並ぶと正人さんは、私を引き寄せます。
私も待ち望んでいたこの瞬間<とき>と正人さんの厚い胸に抱き着きます。自ら求めて口づけを望みます。
言葉は必要ありません。激しい息づかいに耐えながら目を閉じ正人さんの口づけを受け止めるのです。
「あきさん、今から僕の奥さんになるけど、気を楽にして力抜いてね。痛くないように時間かけて優しくするから。ゆっくり、ゆっくりと~明日も、明後日も焦らずに喜んで受け入れられるようになってからあきさんの中に入っていくからね。今日は僕に慣れてもらうだけで終わりますから、緊張しなくていいんだよ」
正人さんの言葉が優しく私を包み込むように耳元でささかれると、嬉しくて気持ちが落ち着いてくるのです。
「ありがとう正人さん。お願いします」
小声で返事するので精いっぱいだけど、今日は受け入れなくてもいいのだと、安心感が広がるのです。
その気持ちが正人さんの愛撫を受けると、声が上がるほど私の体すべてに快感として感じさせるのです。
朝~ベランダからの陽の光が障子戸から入ってきて目が覚めました。
何時もの朝と違って凄くすがすがしい気分なのです。
体が触れ合う隣の正人さんの逞しい背にそっと指を走らせます。静かな正人さんの寝息に、愛しい気分が湧いてくるのです。
<好きです正人さん~今夜も、明日の夜も私を抱いてね~私を女にしてください>
心で話しかけながら、正人さんの背にしがみつく私です。
<続く>