(写真・田舎の頃の女装>
㊽ 女装とトイレ~
前の章の続きになるのですが、女装で買い物するのはすごく楽しいものですが、特に女性の服選びや、インナー選びなどは男性にはできないことですから尚更なのです。
でも良いことずくめだけではないのです。
女装がゆえに逃げ場のない苦境に追いやられることです。女装さんみんなが経験することで、
外出したら覚悟しておかなければならないといえば、お判りでしょう?
ハイ、おトイレなのです。
尾籠<びろう>な話で恐縮なのですが、女装する者には深刻なことなのです。
外に出てもよほしたときとき、女装している者がいけるのは<多目的トイレ>しかないのです。
だっていくら女性の姿していても物理的には男性です。法律上からも禁止されています。それより怖いのは、女性の方に見破られて騒がれ警察沙汰にでもなれば~。
さらに恐ろしいことは~たいていの女装さんが女装していることを、家族にも、仕事の上でも秘密にしているのが、トイレ沙汰が引き金になってばれることです。
そんな事態になれば人生オワリ~冗談ではなく、深刻なことなのです。
たかがトイレというなかれ~
多目的トイレがなければ~あっても先着があって入れないときどうすればいいの?
多目的ですから、身障者の方も入ります。障害によっては時間かかるのです。私も身障者ですから分かります。一般のトイレでは身動きが不自由なのです。
だからと言って<男子トイレ>に入れば、<女子トイレは隣!><ここ男子トイレだ>と、変な視線で見られて、なかに入るまでに追い出されてしまいます。
ところがこのトイレが設置されているところがあまりにも少ないのです。
私は阪急電車に乗りますが、近年、中間駅まですべて綺麗な多目的トイレが設置されてすごく感激しました。
まあ、本来は障害を持つ人のための設備で、女装のためのトイレとは設置されているとは思えないのですが。でも、多目的ですからね。女装さんだって入る権利はありますよ。
いくら生物学的に男だと言っても、オンナが気持ち的になっていますから、男性に戻っているときでも立って用をたすのには抵抗があると思うのです。
私も家でも座りますものね。
そんなことで私は外に出たときは、本能的に?多目的トイレの場所を確認するのです。
ところがこの多目的トイレ気を付けなければいけないのは、時間制限があるのです。
<一定時間のご使用は外から確認させていただきます>
そんな意味の掲示が商業施設とか駅に張り出されています。
なかには<30分>と時間制限の明示されているのもあります。
なにせ多目的ですから、本来の目的以外に使用する輩<やから>があるのでしょうね?。
じつは恥ずかしいけど、私、やったのですJR大阪駅と商店街のつながるところに、多目的トイレがあるのを発見して、入ったら~びっくりしました。
内装が素敵なのです。ヒノキの内張り、和風つくりのトイレ。トイレなんて感じしません。清潔感があって用をたすのも忘れて見とれました。思いついてスマホで写真撮りまくりました。
時間忘れていたのでしょう~トントンと扉叩かれて、戸を開けるとガードマンさんです。女装していたのが女性と見てくれたのでしょうね。
<長時間使用しないでください>優しく言われて解放されて、ほうほうていでで逃げ出しました。
実は同じことが、前の㊼章の続きですがあるのです。
商業施設のショッピングして、事前に確認していた多目的トイレに行ったときです。
戸が開いていたので<良かった~>思って入ろうとしたら~
「ちっと待って、今から清掃するからそっちでしてください」
ええ?清掃のおばちゃんモップ持って立ちふさがって、指さす彼方が~
<女子トイレ>~ええ~女だったら当然のこと、おばちゃんの指図に従うほかないとはいえ~
行ける筈ありません。
と言って男子トイレだって、おばちゃんの見ている前で行ける筈ありません。
「ああ、忘れ物~」言って逃げ出すしかありませんでした。
まあ、商業施設ビルですから、トイレは何か所もあります。
別の階の奥まって目立たないトイレに行きました。勿論、男子トイレですよ。
それにしても、コロナの関係で遠出できないので、近辺のショッピングで、女将さんのメイクしてもらえないので、日焼け止めクリーム顔に塗ってウイッグ被ったすっぴんだったのです。
いくら女性衣装着ていたとはいえ、よくぞ正体見破られなかったと~まあ、マスクのおかげもあるでしょうけど~
でも、ショッピングでは洋装店でおばちゃんとおしゃべりして、人体のスーツを勧められるまま
試着して買っているのです。
それどころか、「あんた細いな~」言われながら背中や横腹摩られたのですから~
ひょっとしたら、私の女装見破っていたのかも?今になって思うのです。
年配のおばさんてその眼力すごいですものね、女装見破る目つきて怖いです。女装の天敵と思うときあります。
そんなこと言っても、私の年齢からしては、娘と同じ年頃なのですけどね。
そういえば、この程度の経験でないスリルある経験あるのです。
それは、阪神間に転居する前、田舎でのことです。
まだ女装といっても我流の女装を一人楽しんでいるときなのです~。
いえ、妻は知っていましたよ。
でも女装を楽しむといっても田舎のことです。女装スナックなんてありません。
せいぜい百貨店に行くぐらいです。
まあ、ショッピングといっても恐る恐るです。メンズのときは妻と連れ立ってますから、洋装店や百貨店での服選びを妻とするショッピングは堂々としてはいたのですが、女装ではそんな勇気ありません。
それでも女装で徘徊するのは止められないのです。
妻がデイケアーに行く日は、衝動的に女装して出かけました。
もの言えば男とばれると思いこんでいましたから、無口を徹底しての行動でした。
それが百貨店に行った時のことです。
トイレに行ったのです。勿論男性用トイレです。
まだ多目的トイレなどないときです。
人の出入りのない時を伺って、大きい方に入りました。
目的は、用をたすだけではありません。買ったばかりのブラウスに着替えることです。
一応、用をたしてから、脱いで、着るのですから時間かかります。
なにせ狭い場所ですからね。
やっと着替えが終わったときです。
ガッチャン、がたがた~音がして人の気配がするのです。
さすがに女装姿ですから、出るのをためらって息ひそめて様子見ることにしました。
ところが、扉を開ける音、閉めめる音、掃除の音に気が付いたのです。
トイレの清掃なのです。
<どうしょう?>出るに出られません。もうパニックです。だってだんだんとトイレの扉を開け閉めする音が近づいてくるのですから。
いずれ私の居るトイレの扉叩かれるでしょう。そうなれば、開けるしか仕方ありません。
どうすれば?どうすれば?思い悩むなか音が近づいてくるのです。
もうやけくそです。決断しました。
扉を開け、出て、でもこそこそ出たくありません。
胸張って~女性トイレから出てくような気分で出口に向かいます。
モップとバケツを持った掃除のおばさん目丸くして、男トイレから出てきた女性?私を見ています。
「ゴメンなさい。間違えました」
意味不明の断り言って、掃除婦のおばさんの横すり抜けたのです。
トイレから出たとたんです。ヒア汗がわき下に垂れるのを感じたのです。
男性が男性トイレに入るのは当たり前のこと。
でも、女装する者には決死の覚悟なのです。ええ、オーバーですか?
多目的トイレもっと増やして~ <オワリ>
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