写真・令和3年4月3日京都の茶店で・・蜜を避けて、車オンリーで

お店も密でないところ選んで~

㉝ 市川春猿さん著「女づくり」から

 

 <なぜ女装するのか?>

 この質問は女装すると必ずついて廻る質問です。

 しかし、これだけは女装する人各人各様~統一した答えなどないと思ってしまいます。

 まあ、私の場合は強いて言えば<美しくなりたい~。美の追求でしょうか?>

 とにかく女装の自分を鏡で見て毎度思うのです。

<ええ?これが私?信じられない変わりよう>まるで別人と錯覚するのですからね。

それに不思議なことに性格も変わるのですよ。

 歌舞伎の女形として人気の高い市川春猿さんは、私の大フアンの役者さんなのですが、この方が書かれた本に「女づくり」という本があるのです。

 読んでみて冒頭から女装する立場からみても、勉強になるのですよ。

 長くなるので要約しますけど、「歌舞伎は<女の美学の宝庫>です。歌舞伎での女形の役作りは「女性に近づくこと」ではないのです。男性の私がいくら女性になろうとしても無理があるでしょう?。そうではなくて、もともと男性である私が、しぐさや姿勢、メイクを工夫することによって、<どうやったら女性らしく見えるか?>を追求しているのです。」

 僅か2、3行の短い言葉なのにあっと思いました。<ホント私が女装をしていて追求しているのもこのことだった>思い当たったというわけです。

 初めにメイクすることで自分の変わりようの驚きを書いていますが、でも考えてみると私の場合はこれだけで<女>落第です。

 なぜかというと私はメイクは自分でしていないのです。メイクの先生~女将さんが私をモデルにしてメイクの技術を駆使して女を表現しているのです。

 私だけではありません。スタジオのメイク室で女将さんにメイクしてもらっている女装さんすべてが、メンズから女に変わる驚きを、私と同じような思いで経験しているのではないでしょうか?                                        男子禁制のメイク室で、女装するものだけが見ることができる<男から女に変身していく>過程を私は見ながら思ったものです。

<女装さんは女性ですから>純女さんも基本禁制?<女将さんは例外>要は女装さんのすっぴん姿を見せないということなのです。

 とにかく驚きは、メンズを確認して、メイクして女になった女装さん見るとどうしても同一人とは思えないのです。乖離<かいり>がありすぎて~乖離のあり様は女装さん各人で違いはありますかけどね。でも、メンズの自分から別人になった~そんな印象なのです。

 私などその思いか特に強いのです。メンズの時は90歳のおじいちゃん?でしょう?

それが女装すると途端に女性の人達と同じように<負けまい>とさっそうと歩いているのですからね。背筋ぴん~と伸ばしてね。

 先日など、電車の発車ベル鳴って女性の人達が走り出すと、私もつられて走っているのです。

車両の先頭、遠くに見える運転手さんに手振って扉閉めさせないようにしながら電車に飛び込んで、優先座席に座って~やれやれと思ったとき<ええ?私、走った?>我ながらびっくりしているのです。

 どうも女装したら見かけだけでなく、体力的にも違ってくるの?そんな馬鹿な思いがする位です。綺麗になりたい~その想いは外見だけではないのです。気持ち的にも<女性>別人になって体もコントロールするようです。そのことですが~

 私は見かけは<元気だ!>人に会うとお医者さんまで言われる位ですが、結構病気持ちなのです。転倒骨折も2回しています。最初の時は女装の時の骨折。それが人工関節はめるような大怪我です。妻や娘たちは年齢からして<絶対寝たきりになる>言っていたそうです。

 <お母さんの病気はお父さんの怪我が引き金になったのよ>娘に言われたぐらいです。

 ところが寝たきりどころか、病院を退院するときは自力で歩いて帰りましたものね。その代わり努力しましたよ。手術したあくる日から、身動きできず、足首しか動かないので寝たままで足首動かして、自力でのリハビリしました。車椅子、歩行器、杖と入院中に次々クリアして、ええ、病室の廊下を廻って、廻って、歩きましたものね。だから退院は自力で歩けた~

 ここまでたどり着けた気力の背景は?<女装したい~>その想いが気力を奮い立たせた?そう思っています。

 メイクに励み、着飾るだけで女性に変身するのではないのです。

 最近メイクしているときです。私のメイクの先生が驚いたように言われました。<目じりにあった皺がなくなっている>

 言われて<本当だわ>鏡見て気づいたものです。

 <まさか90歳で?>信じられないけど、お店<まだカラオケができたときです>に行って付き添いの女将さんが、<とくみさんは90歳です>紹介すると、お店のお客さんが一斉に驚きの声あげるのです。女のお客さんがまず声上げます。「90には見えへん!」すると男さんが「信じられへん。」この信じられへんという言葉を何回繰り返されるか?

 行く店ごとにそうですからね。自分でも90歳という年齢の自覚なくなっているのです。話す人の年齢に合わして、自分も同じ年齢の気持ちでしゃべっているのです。

 私は孫が4人いるのですが、娘より孫と話すほうが楽しいのです。90歳の私ですから当然娘と言ってももう60台です。まあ、働いているせいか若くは見えるのですが、娘に年寄扱いされるのが嫌なのです。というほうが無理なのは分かっているのですが~考えてみると60歳の娘からすると90歳の私はすごい年寄りですものね。

 でも、どうも、最近私の動画など見て私の印象が変わってきたようです。私は<とくみチャンネル>を女将さんの肝いりでフレンドさん達が作ってくれて、ユーチーブ?で動画を定期的に放映してもらっているのですが、そのなかで私の90歳の誕生祝いを盛大にやってもらった動画があるのですが、それをDVDにコピーしたのを娘にテレビに映して見せたのです。

 すると数日を経づして妹と二人でケーキ持ってきて誕生祝いしてくれたのです。恥ずかしくなったのでしょうね。90歳にもなって誕生祝いでもあるまい?おもっていたのでしょう?ところが家族外の人達が盛大にお祝いしたのですからね~。

 それからです。娘の態度変わったのです。

 私、女装した日は着替えもしないで家に帰るのです。お風呂に入るまで女装でいるのです。少しでも長く女装していたいからです。メイクや着付けに時間かけて女装しても、写真撮影して、時には密でないお店に短時間行くぐらいではもったいないですものね。

 で、当然女物の衣装や下着はあくる日には、必ず洗濯するのですけど、洗濯物を干したまま外出して帰ってくると娘が来ていて、アッと思ってベランダ行ったら干したものがない~

 そしたら衣装は私の仕事部屋に吊り下げられ、ブラジャ―など女性下着は畳んで引き出しに入っているのです。どうも娘は私の女装に抵抗がなくなったみたいです。

「お父さんマスクに口紅ついているけど、洗うのは洗剤でなく洗顔せっけん使ったほうがいいよ」

「へえ~それは知らなかった~」

 なんていう会話交わすようになって~なにか私の女装姿の動画見て同性意識芽生えたのかも?そんなこと思ってしまいます。

 でも孫はもっと私に接近しています。

 じつは私は87歳の女装写真集をアマゾンから発行しているのですが、その写真集を姪や孫達に公開したところ、皆な関心持ってくれたのです。姪の一人などアマゾンから写真集買った位です。勿論妻には写真集真っ先に見せていますよ。

 それで孫の一人~結婚しているのですが、コロナ明けたら私が女装して行くお店に行く約束しているのです。考えてみてください。普通結婚して間もない主婦が、90歳のお爺さんと飲みに行きますか?だから私は女装して女同士でと同行するつもりなのです。

 90歳にしてこんな楽しみがあるなんて~女装すればこそです。( ´艸`)

 

 話は戻って、市川春猿さんの<女づくり>の著書からです。

 「どうやったら女性らしく見えるか?」のメイクの次は<しぐさ><姿勢>があげられています。

姿勢~これは分かります。腰が曲がっていては、女性どころか、お爺さんに見られてしまいますものね。高齢者という印象です。

 私の誕生日会して頂いたときの動画を見て、遠く離れたところからも感謝、感激のメールを女装さん方から頂きました。{尊敬します」は序の口「神様です」て、ええ~て驚きです。

 いったいどうなっているの?とにかくお礼のメール送って返信もらって分かってきたことは、高齢に近ずく女装さん方なのです。

 高齢者の女装さんからのメール頂いて。自分のこと棚に上げて嬉しくなったものです。さすがに90歳で女装するなんて~自分でも思わぬでもなかっただけに私のほうが励まされました。この方、私の写真、動画、小説を調べてみんな見たと、「とくみさんの追っかけです」で~

そんなメールなのです。

 <追っかけ?>なにか女優扱いみたいでコソバイ感じです。

 それで皆さんが危惧されていたのは歳がいくにつれて、いつまで女装ができるのか?そのことだったのです。その不安にさいなまれていたのが、私が90歳にしてまだ元気に女装していることに、励まされ安堵したということだったのです。

 私が写真集で<老いを蹴飛ばせ!>と表題に書きましたが、まさに女装さんにはその想いが必要なんだと、改めて思ったものです。

 私は<女らしい>を目標にしている<姿勢>は椅子にもたれないことです。座っても背もたれからから少し離れて、背筋がまっすぐになる姿勢を保つことを常にする習慣を心がけにしています。老いを感じさせない、若く見せるには背筋をまっすぐです。

 

 そして<しぐさ>です。私は女性らしさを見せるには、見かけよりも<しぐさ>こそが女性を感じさせる秘訣と思っています。

 市川春猿さんは「歌舞伎のなかでは<しぐさ>によって象徴的に女らしさを表現する工夫がいたるところでされている」と指摘されています。

 女らしさを見せようと<なよなよ~>するのは錯覚でしかないと思うのです。

 市川春猿さんの「おんなづくり」は女装する私には本当に勉強になる参考書でした。女性の方も読まれて「女づくり}に励むなら、男性から、ご主人から<魅力的な女性>という印象を与えること疑いなし~保障しますよ。ぜひ読んでみて下さい。

最後~本の初めに春猿さんの素敵な目見はるような写真が掲載されています。<綺麗1>と

思うだけではダメです。良く見てください。

 女性そのものの印象を感じるでしょう?どこでそれを春猿さんは表現しているのでしょうか?

美しさだけではないと思います。

 少し首を前かがみにして、うつむき加減にしている姿は何とも言えない、色気あふふる、女の仕草を見て取れませんか?

 おのがこと棚に上げて長々と~ごめんなさい~<続く>