森見 登美彦
新潮社
発売日:2009-06-27


連作短編、ということになるのでしょうか。舞台は京都。じっとり湿った感じが不気味です。
何か陰惨な事件が起こるわけではないのですが、怪談らしい雰囲気がじんわり怖い。
とある骨董屋がキーになっていますが、お話同士の結びつきはゆるいかな。

京都が舞台であることがとても効果的であるように思いました。
こういう骨董屋、こういうモノがふっと通りそうな路地、ありそうです。

森見登美彦の本は少ししか読んだことがないのですが、この人の本は軽妙洒脱でのれないときはぜんぜんのれず、悪く言うと京都の内輪ネタみたいな感じでたいして好きでなかったのですが、この本のねっとりした雰囲気はかなり好きかも。

2010/7/15 読了