言うまでもなく、人生にはさまざまな悩みがつきものである。

なかでもごく一般的な悩みはこうだ――人はなぜ生まれ、なぜ死ぬのか。

生まれてから死ぬまでのあいだ、人はなぜいつもいつもデジタル時計をはめていたがるのか。



初めて読んだとき、笑ってしまいました。

そんなステキな文章が腹いっぱい読める本をご紹介します。


銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)/ダグラス・アダムス
¥683
Amazon.co.jp

タイトルからしてフザけていると思いませんか(笑)


最初のほうでいきなり地球が壊れてしまいます。

それは、宇宙人が銀河バイパスを通した、というどっかで聞いたような理由のため。

宇宙冒険物でよく見られるヒロイックな登場人物も勇壮な雰囲気も何にもない、ひたすらぶっ飛んだストーリー。


笑えて笑えて仕方ないのですが、「なるほどねぇ」って思うところもあるのです。


たとえば、人間は人間がいちばん進化した動物だと思っているわけですけれど、果たして本当にそうなのか、とか。

……とはいえ、(それが問題だとして)その問題提起の仕方がとっても皮肉でシュールで、笑っちゃうのですけれど。


イギリスのユーモアって、独特ですよね。

チャーチルなんかも有名ですが、あのブラックさとキレはどうやったら身につくのかしら。


こういう本を読んで「なんて意地悪な考え方なんだろう」って思う方がいらっしゃるのもわかるのですが、私はこういうのだーいすき。

自分がイケズだからでしょうか(笑)


こちらは5巻のシリーズ物で、『銀河ヒッチハイク・ガイド』が最初のお話です。

『銀河ヒッチハイク・ガイド』はひとつの完結したお話ですので、全部読み通す自信がない方もお試しあれ。


最後、「宇宙の果てのレストランに行かないか」みたいな感じで終わるのですが、ふたつめのお話がそのままずばり『宇宙の果てのレストラン』。読んでみたいな。


なお、こちらの河出文庫版は新訳なのだそうで、かなり上手に訳してあるとアマゾンのレビューにはありました。

確かに、読みやすいし、日本人の感覚で読んでも笑えます。

皮肉やユーモアの微妙なニュアンスを全然別系統の言語に訳すのはとても難しいのですが、笑えるということは訳がステキだということだと思います。


あとがきに、言葉遊びの解説もあります。

たとえば、英語では「ベテルギウス」(星の名前)は「ビートルジュース」って発音するのだそうで、それが「虫の汁」みたいなヘンな感じに聞こえたりするのだそうです。

へえええー。