サルコペニアのシリーズを公開している中で、がん悪液質に関するコメントが複数寄せられました。そこで今日は悪液質について少し書きます。
以前に比べて激ヤセしてしまった人を見て「あの人何か悪い病気なんじゃないの?ガンとか。」と言った会話を経験しますが、そういう痩せの状態が「がん悪液質」なんだと理解しています。
ネット情報を総合すると、がん悪液質について次のような事が言えます。
・症状は、体重減少、骨格筋量減少、食欲不振。
・付随症状として、倦怠感、疼痛、不安・抑うつなど。
・原因として現在有力視されているのが、サイトカインの過剰産生による全身性の炎症。これによって脂肪やタンパク質が分解され、タンパク質でできている筋肉が溶けて筋肉量が減少する(筋肉の融解・減少についてはサルコペニアに類似)。
・全身性の炎症があるのでCRP値が上昇する。
がん悪液質の治療薬としてアナモレリン(商品名:エドルミズ=小野薬品工業)が今年1月22日に承認されました。適用となる癌の種類が決まっていて、非小細胞肺癌、胃癌、膵癌、大腸癌に限ります。
つまり、これら4つのいずれかの癌の患者で悪液質と診断された場合に限り保険適用で処方されます。
--- *** --- *** --- *** --- *** --- *** --- *** ---
では私の筋肉減少は悪液質によるものではないのか?
まず体重減少に関しては、今は体重は多少増加傾向にあるのを何とか踏ん張って阻止している所(^^;)です。
確かに去年の前半は、元々メタボ気味だったのでダイエットを意識していた所に、多少食欲不振があって体重が減りました。その後ダイエットは中止してリバウンド気味で現在に至っています。
・2020年5月~11月 → 6.2%減少
・2020年12月~現在 → 3.1%増加
悪液質の場合5%以上の体重減少があるとされているので、6.2%の減少というのは引っかかる数値ではあります。
ちなみに現在のBMIは24.1です。BMIからは悪液質とは言えそうにない(悪液質は20以下)。
骨格筋減少はモロありますね。
食欲不振は、そりゃ癌になる前に比べれば落ちているけれど、結構食べていると思います。
こういった定性的な評価では心配なので、血液検査での判定をしてみましょう。
mGPSという指標があるのですが、これにはCRP値とアルブミン値を使います。
私の直近(2021年6月3日)の血液検査では、
CRP:0.083mg/dL
アルブミン:4.2g/dL
なので、悪液質かどうかといった点では「正常」になります。