先週、今週と友人と、久しぶりにオペラのライブビューに
パルマ王立歌劇場での「Nabucco」ナブッコ

前にプラハでのヴェルディフェスティバルでも観劇していましたが
やはりあの有名な合唱曲「行け我が想いよ、黄金の翼に乗ってー」を
聴きたくなりました
この静謐な美しい旋律!イタリヤの第2の国歌とも言われます
数年前ワールドカップでイタリヤが優勝した夜、たまたまカプリに滞在
広場で盛りあがり、だれともなくこの合唱がー不思議な興奮でした
ユダヤのバビロン捕囚の時代で、故郷シオンへの想いを馳せるわけですからー
初演された頃のオーストリアに圧迫されていたイタリヤ国民の
想いと重なったのでしょうか、そして今も歌われている!

ヘブライ人たちの神殿に迫るバビロニア軍、神殿の石壁に人々は
黒い衣装で集まり、とてもシンプルな舞台構成でしたし
役の歌手たちはその時代を想わせる衣装、Brのナブッコ、その娘の
ソプラノが圧巻でした
ライブヴューは、歌劇場の雰囲気が映し出されて愉しいですね
パルマは、イタリアの歌劇場らしく華やかさがありますね

「ルスティカーナ」と名付けられたつるばらで初めて気付きました
と言うのも、METの「Cayalleria Rusticana」を観たばかり!
田舎の騎士道と訳されていますが、この薔薇とのつながりは?

1884年P.マスカーニの作品、ヴェリズモオペラで
20世紀はじめのリアリズム文芸運動の流れー
シチリアの村、復活祭の一日が舞台です
オレンジの香りにみちた平和な村での復讐劇
二組の男女の恋や不倫などが縺れにもつれてー
いつの時代でも起こりうる筋立てです

優しく美しい間奏曲は、よく演奏されますね
決闘の悲劇と対照的、騎士道というと大仰だけど
信仰と生身の人間がよく描かれていたと思いました
モノトーンの舞台構成、演出も見ごたえがありました

「道化師」 レオンカヴァツロ作曲でやはりヴェリズモの作品で
2本立で演奏されることが多いとのこと
道化師役はルステカーナの主人公と同じテノール歌手
趣の違う役を続けて演唱するのも面白いですね
歌舞伎の役者みたいだなー

喜劇のようでやはり悲劇!
恋と嫉妬が死に至る筋が、劇中劇で起こります
芝居と現実が綯い交ぜになる道化師の妻の不倫に
苦しむ演技力が印象的でした
それにしても近松の作品みたいで、古今東西 人間の
情感は変わらないなーと

「郭公 啼くや皐月のあやめ草
        あやめも知らぬ恋をするかな」古今読み人しらず
 縺れた文目、分別もなく恋をする!
 ようやくこの落雁を造ることが出来、皐月に間に合いました
それにしても二日続けての真夏日、本番の夏はどうなるのでしょう