啓蟄に入ったとはいえ、まるで冬に逆戻りの日々
これでは虫たちも這いだしてくれそうもありませんが
水仙が一輪咲いてくれました
冬の間葉っぱだけが、まるで水藻のように伸びていました
何だろうと思っていたのですが、ムスカリでした!
たしか球根が小さくてバラバラ入れておいただけなのにー
律儀に花をつけてくれて嬉しいですね
これは「黒百合」去年の夏に八ヶ岳山麓の売店で球根を購入
秋に植え込み、ようやく芽だし!初夏に花が咲いてくれるか愉しみですね
そろそろ春の寄せ植えに取り掛かりましょう
このところ江戸期の邦楽に入れ込んでいますが
新内の演奏会に誘われました
新内流しという言葉しか知らなかったので、とても新鮮でした!
心中ものが禁令になりいろいろ分派していくなかで
新内は鶴賀若狭掾により始まり、哀調をおび遊里の女心を唄ったものなど
よく写真で見かける門付けーかっての花街の風景だったのでしょうか
「若木仇名草」のお宮の口説きはその代表作
情感あふれる曲でした
「一の谷ふたば軍記」から二段目の「組打」初代が新内に移したもの
平家物語の「敦盛」の「さるほどにーー」から始まりますが
文言は同じではなく、丸本とも異なるのでしょうか
エッセンスを取り出し、巧みに節付して情味豊かに表現していると
感じました
能の「敦盛」も好きな演目ですが、比べてみると視点が異なるようなー
貴公子に中の舞をー若修羅ものに幽玄と情趣をもって表現していて
戦乱いや人生の外の世界から永遠の美を創造しているように想います
丸本ものも新内もより情に直截に訴えるものがありますね
それにしても「熊谷陣屋」につづく歌舞伎ーじつは誰々で
何々がと不思議な展開!発想の壮大さや想像力の豊かさには
改めて驚いてしまいます
丸本ものは通しで観るべきですね
平家物語を元本として生まれた芸能、どちらにしても
[未来は必ず一蓮托生」これに集約されている気がしました
とても幅ひろい曲趣をもつ新内節、また聴いてみたいと思いました!
組打の上では、喜寿の女人でしたが独特の声色と節回しで力強く
女義太夫を思わせました
熊谷、敦盛、玉織姫のくだりは、新内仲三郎の三味線が
しっとりと心の襞にしみいるようでした
江戸人は、物語の全体像が分かったうえで涙し愉しんで
いたのでしょうね、感歎!です