英国を旅行すると、何度も目にする絵姿ですね
KEWガーデンに面したTEA ROOM 「メイズオブオナー」
ヘンリー8世が愛したお菓子の名前が看板になっています
暖かみのある田舎の居間風
暖炉に火が入るとつい長居して
しまいます
この小さなパイがオリジナルー
ほんのり甘いカスタードチーズ風味
の素朴すぎるパイ!
ヘンリー8世は、とても気に入り
メイドを監禁?してまで作らせたとか
とにかく秘レシピだったのです!
やはりスイーツ男子の元祖でしょう 笑
300年前から、オリジナルレシピで作っているのが、この店の自慢です
日本からのゲストを何度も案内しましたが、普段はランチか、ソーダーブレット
を買うことが多かったです
でもこのパイは一個400円ぐらいだった!(当時円安でした)
いつもいつも食べたくなる感じでもなかったしー
今頃は、秋色に染まったKEWガーデンでしょうね
テームスパスを辿りながら、四季を通して愉しみました
住んでいたところから上流には、ハンプトンコート
なにかとヘンリー8世のゆかりのあるテームスの河畔
城の広いキッチンなど見ると王様はグルモンだったに
違いないと思ったものです
前置きがながくなりましたが、これからは オ・ペ・ラ について
何十年ぶりに上野文化会館へ行きました
イタリヤオペラが初めて来日したころ
ゲネプロで観て感動したことがあります
モナコのピカピカの茶色のブーツ姿
今も鮮明に覚えています!
デル・モナコとレナータ・ティバルディの
黄金コンビで、確か「トスカ」でした
いつか本公演を観たいものだと思いましたね
とにかく初任給が飛ぶようなチケット代でしたからー
もう半世紀も前!のことです!
ウイーン歌劇場の引っ越し公演
ロビーに大きなパネルがー
いちどわくわくしながら観劇した
想い出があります
劇場は思ったよりくすんだ印象でした
でもその場に居る事が嬉しかった!
日本での公演はあまりにも法外
でも「Anna Bolena」のため
清水舞台から飛び降り、痛っ!
いままで巡りあわず残念に思っていたので、決心した次第です
ドニゼッティ作曲で、1830年にミラノで初演されています
アンナ・ボレーナはヘンリー8世の2番目の王妃、アン・ブーリン
王に疎まれ、不義密通の嫌疑で斬首刑になる悲劇の妃!
ローマ法皇に破門されても、アン・ブーリンと結婚したかった
6人の妃をつぎつぎに離婚したり、処刑したりと事実は小説より奇!
史実にもとずく時代物かと予想していましたが、違いました
むしろ登場人物の心理劇をみるようーで、音の火花が
ドラマを燃え上がらせているようでした
全篇美しい旋律が溢れています
侍従や女官たちのコーラスも静謐な趣で印象的
2重唱や5重唱、緩やかなコンチェルタートなど
どれも緊張感にあふれ魅了されてしまいました
装置や衣装なども、16世紀の時代を様式化した抽象的な雰囲気を
かもしだす簡潔さが見事でした
ウインザー城、ロンドン塔などがその舞台ですが、あの石造りの
重厚さがいまも想いだされます
正気を失いながらのアリア
アンナ役の エデイタ・グルベローヴァ のソプラノ
こんなに美しいのを堪能したのは久しぶりでした!
1980年の初来日以来、今回が最後の日本公演だそうです
クライマックスまで、息をのむような緊迫感があり
ふとここはウイーンかしらと思ってしまうほどでした
主にウイーンフィルのメンバーの管弦楽も
素晴らしいの一語に尽きます!
この女の子、後のエリザベス1世でしょう
後年結婚しなかったのは、父親のヘンリー8世の
トラウマだったとも言われています
史実では、アンナことアン・ブーリンは、王妃になる野心のため
恋人を捨て、侍女としてつかえていた第一王妃のキャサリンの
信頼をも裏切っています
そして自分も侍女のシーモアに、その座を奪われることになるー
なにか因果応報のきらいがありますが、王妃として名誉を
重んじることがとても大事だったことが分かりました
当時の女性の地位は簡単なことではなかったと言えますね
神の祭壇で婚姻すること、やはりミストレスには甘じられない!
シーモアも王妃になることに固守し、男子(エドワード6世)を産んで
すぐに急死、ほんの短い王妃の座でした
チュウダー朝から面々とつづく、英国王室!
歴史的にも一筋縄にいかないところ、大変ですね
楽の日だからか、カーテンコールの舞台に
裏方さんも登場していました
エンリーコ役のバスは、長身の美丈夫!
自分の恋を成就させるためには、手段を選ばない身勝手さ
決して褒められたことではないのに、女を虜にする魅力を
持っていました 苦笑
対訳を見ると、シーモアにはひたむきな愛を告白しているー
モデル並みの容姿、艶のある美声でひっぱりだこだそうですよ
もう引っ越し公演は観劇することはないでしょうが
満喫した一日になりました
Wiener Staatsoper
前に訪れた時の写真がー
やはり類いまれなオペラ劇場!
もういちど観劇したいですね