久しぶりに文楽を観ました 東京公演はいつも満員御礼!
それでも2部と3部の切符をなんとかゲットー
半日は劇場に居る事になりました
まずは「義経千本桜」
史実と創作をちりばめた五段の時代物,延享4年(1747)の
初演いらいとても人気のある演目!
そのうちの三段目で歌舞伎でもよく上演される「いがみの権太」でした
ゆすりやたかりの悪党で父親の弥左衛門からも勘当された無頼漢!
三段目だけでも筋を語るのは大変ですよね
眼目はすしやの段! 登場人物の心理や機微を語り分ける住太夫
あらためて語りの素晴らしさに圧倒されました
太棹の音色、そして人形の仕草が一体となる総合舞台だと
あらためて感じいりました
実は父親の維盛への忠義心に、家族をも犠牲にする権太!
親の志を継ぐなかなかの息子だった!
この情愛がみどころで、昨今の単なる子殺し、親殺しとは
やはり違います、是非は別にして日本的な心情かもしれませんね
ロビーでしばし休憩して「菅原伝授手習鑑」のこれも有名な寺子屋の段
松王丸の腹芸がよく感じられ人形に魂が入っているようでした
権太を殺める弥左衛門にしても、子供を身替わりにする松王丸も
忠義のためー、この親子の別れが心に沁みるのですね
松王夫婦が小太郎の野辺送りをする「いろは送り」 よかったです!
初演から、これらが人気演目であったということは当時の観衆は
義のために私を捨てることに共感していたのでしょうか
潔さのなかに人間としての苦悩を感じていたように思います
200年もまえの社会心理を知りたいものです
最後は「日本振袖始」 はじめて観ました
出雲の大蛇退治の段、大蛇が舞台一杯にあばれます
大蛇の化身である岩長姫が八つの壺から酒を飲み干す動き
スサノウとの激しい立ち回りなど子供が喜びそう!
身をくねらす大蛇使いも大役ですが、舞踏劇のようでした
近松門左衛門により書かれた作品ですが
鶴澤清治が補曲しているためか、五丁の太棹も賑やかで
胡弓も入っていて聴きごたえがありました
久しぶりに清治の音色を嬉しく聴きました
前弾も各自響きが違って聴こえますが
身体に沁みる響きですね
すしやの段でのつるべすしの看板!
どんな鮨なのか気になりました
釣瓶形の桶に入った熟れ鮨らしいー
いまも吉野に釣瓶鮨屋があるようです
本当は鮎でつくるともかいてありました
熟れつまり馴れ鮨って、仕込むのに何か月もかかる!
鮒の馴れ鮨などは醗酵食品で保存食なのですね
つるべすしに触発され、お鮨が頂きたくなりました
今日は簡単にしめ鯖の押し鮨! 付け合せにシワシワのじっくり干し野菜で
作ったラタトイユー(野菜の甘味がよく出ています)
味はいいけどなんだか取り合わせが変!と言われてしまいました 苦笑