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【 テーマ「かこ」について 】


「かこ」では、私が2008年9月に経験した交通事故について綴っています。


 私自身がこの貴重な経験を忘れてしまいたくないから。


 毎日毎日起こり続ける交通事故、そのひとつひとつ痛み・重みを

 少しでも多くの人に知ってもらいたいから。


 そしてこの経験を踏まえたうえで、

 毎日を楽しんでいる人がいるんだということを知ってもらいたいから。



主観とエゴのかたまりですが、お付き合いいただけたら幸いです。


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「おーっふゆーー!」


会社の人事担当であるSさんは、いつもの笑顔で病室に入ってきた。


「どうもお久しぶりです!」


いつもスーツで会っていた人事のお姉さんと

こうして病院・Tシャツ・スッピンでお会いするのが、なんだか変な感じがした。


でも、ただただ、来てくれたことに嬉しい。




Sさんはお見舞いにお花とプリンを買ってきてくれた。


そして何より、私が出席できなかったキックオフの写真を持ってきてくれた。




8月に1度会っただけの、同期たち。



初めての内定者お披露目の場となるキックオフに出られなかったことは残念だったけれど、

私以外の3人の写真とともに、

私の名前も貼ってある。



その写真を見て、なんだかとっても嬉しくなった。



いつも元気なSさん。


Sさんはキックオフのおもしろ話などたくさん聞かせてくれて、

私もたくさん笑った。


からだについても聞かれたけれど、

私はすべて「大丈夫です」と答えていた。


何が大丈夫なんだかもわからず。




後遺症が残ると言ったら内定を取り消されてしまうんじゃないか、という恐怖もあった。



けれどそれ以上に、


「後遺症が残る」ということの意味を理解していなかったのだと思う。






Sさんは「またね」と言って、笑顔で帰って行った。


これから長野経由で、3時間半かけて東京に戻るのだそうだ。





私とヤスはSさんにいただいたプリンを食べ、


そのおいしさと嬉しさで、幸せがいっぱいだった。