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【 テーマ「かこ」について 】
「かこ」では、私が2008年9月に経験した交通事故について綴っています。
私自身がこの貴重な経験を忘れてしまいたくないから。
毎日毎日起こり続ける交通事故、そのひとつひとつ痛み・重みを
少しでも多くの人に知ってもらいたいから。
そしてこの経験を踏まえたうえで、
毎日を楽しんでいる人がいるんだということを知ってもらいたいから。
主観とエゴのかたまりですが、お付き合いいただけたら幸いです。
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10月14日。
事故からちょうど1カ月の日。
からだに激痛が走った日。
事故の相手・Oさんが来た日。
この日に私ははじめて、ヤスの前で涙を流した。
2度目の手術前日にヤスと電話で話し(まだヤスも自由に車いすに乗ることはできなかったので)、
元気づけられて涙したことはあったけれど、
この日の涙はそれとは違う、悲しい涙だった。
私たちは2人でいるとき、いつも笑っていた。
ここが病院だなんて関係ないと言わんばかりに。
そして私は、そうすべきだと思っていた。
私が悲しい顔をしていたら、ヤスが悲しむから。
けれど、これまで私たちはいつも「本気」で向き合ってきた。
嘘や隠しごとは一切せず、正直に話して、喧嘩して、笑ってきた。
嘘をついて信頼関係が崩れるよりは、向き合って喧嘩するほうがよほど良い。
日頃からそう考える私は、
ヤスの前で我慢して偽りの笑顔を作りたくないと思い、泣いてしまった。
「私、今ごろはカナダにいる予定だったんだよね」
「後悔なんてしたって仕方ないから、過去を後悔するつもりはないけれど…
でもやっぱり、悔しいよ」
そう言って泣く私に、ヤスは優しかった。
自分自身や私やOさんを恨むのではなく
運命を呪うのでもなく
ただ
「いつか必ず行こう」
と言ってくれた。
弱い自分をさらけ出して、
このときようやく、<いつもの2人>に戻れた気がした。