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【 テーマ「かこ」について 】
「かこ」では、私が2008年9月に経験した交通事故について綴っています。
私自身がこの貴重な経験を忘れてしまいたくないから。
毎日毎日起こり続ける交通事故、そのひとつひとつ痛み・重みを
少しでも多くの人に知ってもらいたいから。
そしてこの経験を踏まえたうえで、
毎日を楽しんでいる人がいるんだということを知ってもらいたいから。
主観とエゴのかたまりですが、お付き合いいただけたら幸いです。
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10月はじめにコルセットができあがるよ、と言われた。
その1週間ほど前に採寸しにおじいちゃんが来たのだけれど、
医療に携わっていない人に扱われるのはこんなに怖いのか、と知った。
傷はどこにあるか、とおじいちゃんに聞かれ
「額と左手とおなかとせなかに傷があって、足はほとんど動かない」
と答えた。
自分で答えながら、これじゃあ全身じゃないかと気付き、苦笑した。
しかしからだの状態を聞いたとは思えないほど、おじいちゃんは私を大雑把に扱った。
そこは痛いと言っても、動かないと言っても、聞いてはくれない。
ぐったりと疲れた採寸だったが、
私自身はコルセットが出来上がるのを楽しみにしていた。
管が1本はずれるのや、車いすに乗れるようになるのと同じ感覚。
医師やリハビリの先生に
「コルセットが来たらもう少しリハビリもできることが増えるよ」と聞いていたということもあって、
これでまた1歩回復へ向かうことができる!ということしか考えていなかった。
現実を思い知ったのは、はじめてコルセットを着用した時だ。
1センチほどある分厚いプラスチックで作られた、白い甲冑。
それが、胸の上から骨盤までをすっぽりと覆った。
胸もウエストもあったもんじゃない。
事故後の入院生活が始まって、約半月。
悲しい悲しいと嘆いたことはなかった。
けれど、こればっかりは
惨めで、悲しくて、悲しくて…。
病院なんて医師と看護師と、それから家族が来てくれるだけ。
長い人生のうち、たったの数カ月のこと。
これでリハビリがステップアップできるならいいじゃないか。
どうにか自分の気分を持ち上げようと考えるけれど、
頭ではわかっていても、心はそう簡単にはいかない。
21歳。
女子大生。
ただでさえ寝たきり生活で文字通り<骨と皮>状態だっていうのに、
コルセットという大きなおまけがついた。
医師には1~3ヵ月だと言われた。
3ヵ月。
3ヵ月の辛抱だと、自分に言い聞かせ、涙をぬぐった。
それが大きな誤算だとは、
そのときは知る由もなかった。