今日は、姉が札幌に帰ってしまう日だ。

さみしい気持ちを押し隠していろんな話をしたけれど、

いざ「そろそろ行こうかな」と姉が立つと、涙が勝手に流れ出した。


さみしい気持ちと、感謝の気持ちでいっぱいだった。

私たち兄妹は"きょうだい"よりも"戦友"に近い存在で、お互いの前では強がるばかりだ。

本音は話しても弱音は言わない。


最後に姉の前で泣いたのは、もう何年も前のこと。

でもなぜか、涙が止められなかった。


ありがとう、ありがとうと何度も言った。





***


事故に遭ったのは、サークルの合宿の帰りだった。


みんなはどうしたかな。

無事に帰りつけたかな。

心配してるかな。


みんなとどうにか連絡が取れないかな、と考えて、思いついたのは前日にヤスからもらったメールだった。


そうだ、mixiに日記を書こう!


麻酔で眠くなりながらも少しずつ文章を打っていった。

とにかく「ちゃんと生きてるよ」とみんなに報告したかった。







 知っている人も
 知らなかった人も、

 どうも、ご無沙汰しております。



 フユは生きてます。




 ようやく昨日、お水にありつけるようになりました。


 携帯電話もなんとか扱えるようになりました。



 ほとんど何も覚えていないのですが、


 同じく被害者の方、
 大変だったね。
 とりあえず先に退院したと聞いて安心しました。


 救急車呼んだり家族に連絡取ってくれた方々。
 どうもありがとう。
 おかげで北海道から家族が飛んできてくれました。






 私は来週また手術です。

 今はまだ痛みとか不安とか色んなことと戦っていますが、

 ヤスは隣の隣の部屋にいるし(お互い歩けないから会えないけど笑)、
 家族が助けてくれるし、

 早くみんなの前に元気な姿を見せられるよう頑張ります。



 応援よろしくね゜+。:.゜ヽ(*´∀`)ノ゜.:。+゜笑






mixiの日記には、びっくりするほどたくさんのコメントが返ってきた。


みんな心配してくれている。

私が生きていることを喜んでくれる。


生きていてよかった。


涙を抑えることもしないまま、みんながくれた言葉を何度も何度も読み返した。