最終予測身長は161センチ。

ちょうど母親の私と同じ身長。

主治医は息子が看護師さんと別室に移動したタイミングで予測身長を私にだけ伝えてくれました。


あと10センチ程度の伸びで身長が止まってしまう。人の価値に身長は関係ないとわかっていても、胸がざわつきました。

息子が思い描いている未来と少し違う結果が待っていることがわかったからかもしれません。


ずっと大きめで育ってきた息子は、このまま自分は背が高くなると信じていたと思います。

当時は体格を生かした競技に出場していましたし、自身の誇りでもあったと思います。

私たち両親も「高校生になったら180センチ超えちゃうんじゃない?」なんて無邪気に深く考えもせず言ってしまっていました。


「そうか…。でも170センチは超えたいな」

そうつぶやいた息子の横顔にそれは無理かもしれないんだよという言葉を飲み込みました。


161センチの予測身長は治療の最後まで本人には伝えることができませんでした。



当時参考にした書籍です