吹奏楽部は今年、初めて中体連で野球部の応援へと行く事になった。
吹奏楽部員として正直憧れでもあった野球場での演奏。
実に楽しみだ。
それに備えるべく、
今宵、野球部との初の合同練習が行われた。
天候は生憎の雨。
降っては止み、降っては止みを延々と繰り返していた。
幸運にも土砂降りまではいかず、小雨程度の雨で済んだ。
まず始めに野球部が応援歌を披露してくれた。
かなり楽しそうに応援している姿を見て、「頑張らなくては」と、思った。
そして、吹奏楽部の演奏の披露となった。
全9曲程の中から、今宵は2曲を選抜し演奏した。
野球部に負けじと、自分の楽器に息を吹き込んだ。
“楽器には意思がある”
そんな言葉を耳にした事がある。
何処で聞いたのか、もう正確には覚えていない。
が、しかし、この言葉の通り、楽器は生き物の如く、だ。
演奏者側が気持ちを込めて演奏すると楽器もそれに応えてくれる。
しかし
演奏者側がいい加減に演奏すると、楽器もいい加減に鳴く。
その言葉を実現するべく、自分の楽器に息を吹き込んだ。
ーーーーー鳴った。
中庭中に響き渡る程の音が、演奏が鳴った。
私は気持ち良くなった。
私は楽しくなってきた。
もし、これが中庭ではなく、球場だったらと、考えるだけでうずうずする。
中体連までもう少し。
吹奏楽部も野球部の為に、練習をしていこうと思う。