バレエ『ドン・キホーテ』全幕を観てきました。

 以前師事していたバレエの先生が、他のバレエ教室の発表会のソワレにゲストで招かれたのです。

 兄妹でバレエ教室をなさっている現役のダンサーで、妹さんの方に公私ともにバレエから遠ざかっている現在も気に掛けていただいているのです。

 物語はハッピーエンド、主役ふたりの見せ場のパ・ド・ドゥ。アダージオ、男性のソロ、女性のソロと進み、コーダ。男性のジャンプから始まる場面で起こりました。

 ジャンプに定評のあるお兄さん、着地に失敗して膝を打ち、そのまま動けなくなってしまいました。

 音は止み、抱えられて舞台袖へ。騒めく会場、するとマチネ公演で主役を踊った主催者がポーズをとり、音楽を要求。主役交替をし、踊り通してくださいました。

 動揺していないはずのない妹さんは、最大の見せ場、32回転のグラン・フェッテを無事にこなし、会場からの拍手が鳴り止みません。

 自宅から遠い会場の為、カーテンコール中に会場を後にしようと席を立ちロビーへ。

 救急車が近づいていたようでした。

 お兄さんがどんな状態か私に届くのはいつになるかはわかりません。

「たいしたことなかった」

と連絡がくるのを待ちたいと思います。