昨今の80代は、元気ね
昨夕は、またも私は、
結婚相談所の『所長』になりましたよ
事務所で仕事をしていたら、
80代の男性ご利用者さまがドアをノックしてきて
「失礼いたします。折り入ってお話があるんですが、よろしいでしょうか?
」と神妙な顔。
なんとなく察しましたよ
「先程の件では大変失礼いたしました。ご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。」と丁寧なお辞儀。
先程の件とは、夜勤スタッフが男性利用者さまの就寝介助をしていた際に、普通に会話をしていたら、部屋で寝たはずの80代の女性利用者さまが起きだしてきて、持っていた杖で、夜勤スタッフをいきなり殴りつけたのよ。
「私の男に色目を使やがって!
」とね。
私の男!?
もうこうなってくると、妄想の世界に入ってるから、何を言っても聞いちゃくれませんよ。
急いで他のスタッフが間に入り、女性利用者さまは、一旦は落ち着いたけど、
今度はそれを見ていた男性利用者さまが、妄想の世界にドップリ釣られて、入ってしまったわけよ
でね、私のところに来て、以前、
うちのスタッフと恋愛関係にあり、ハガキでプロポーズをしたけど、1週間経過しても返事がなかったから、脈なしなんだなと恋を諦めたんだと。
またそのスタッフは家族から子供をこれ以上、産んじゃいけないと反対にあっていたから、子供を望めなかったと。
傷心で落ち込んでいたけど、この女性(利用者)に出会い、再び恋に落ち、結婚を決意したんだと、力説してきたの。
いやいや、どこから突っ込んだらいいんだい?
ハガキでプロポーズ!?
そもそもスタッフの住所知らないよね?
子どもを望めなかった!?
うちのスタッフ、60代!
今夜は妄想パラダイス(/・ω・)/
どうしよ
と考えていると
「2人で一緒になりますので、退会します!」
退会!?
そんな言葉まで出ちゃう!?
仕方ない。なりきるか!
「お子さんには話したの?」
「まだです」
「80を過ぎて、いきなりお子さん達に結婚します、一緒に住みます!と80過ぎの女性を家に連れて帰ったら、反対されると思いませんか?」
「うーん」
「私の長年の経験からしたら、反対されるのがオチですね。」
「そういうもんですか?」
「世間はそういうものです。80過ぎてるのに考えが甘いです!」
「…」
「よく考えましょう。結婚だけがゴールじゃありませんよ。お互い80を過ぎてるんですから!」
(80を過ぎてるという事を強調しまくる私)
「今一緒になったら、同じ時期に死ねるかなって。前の妻は、かなり前にオレを置いて逝ったから
」
( ゚д゚)ハッ!
寂しかったんだね
「そうでしたか。でも人生120年の時代が来るかも知れませんよ。死ぬことを考えて、結婚を考えているなら、私は反対しますよ!」
「そうですね。よく考えます。所長、ありがとうございました。」
と頭を下げ、ベッドに戻られた男性利用者さま。
寝静まれた利用者さま達を確認し、夜勤スタッフに託し、帰ってきましたが、
考えさせられる日となりました。
認知症で妄想があっても
寂しい、悲しい気持ちは忘れないんだよなと。
まぁ、認知症にも色々ありますけどね。