~呼吸の出来ないあなたへ~ 光のあるほうへ 第3章 出会い 3話
「何回言えばわかるの!」「静かにしなさい!」
ヒステリックな女が叫んでいる。 それは私だ。
2人の間に長男ができた。“かわいい”とは思える。
ぬいぐるみを可愛いと思えるように。
だが“愛する”“大事にする”が私にはわからない。
ヒステリックな叔母を思い出した。その叔母は知的障害の子供が一人いた。
旦那はパチンコで大金をすったりしていた。叔母の働いた分までパチンコに費やすような男だった。
叔母は外に男を作った。旦那が夜勤の日などに知的障害の子を私に預け出かけていた。
恐怖だった。
私以上にその子は怒りや悲しみに溢れている表情をしていた。耐えかねて私の二の腕を噛んだ。痛かった。
反射でその子の二の腕を強くつねった。二人とも痛みを分け合っているようだ。
あの子は元気だろうか
母に相談したかったが言えなかった
母方の祖父と母が二人そろって「妹を助けてあげて」呪文のように言う。
細い糸のようにかすかに私は言った
「私の事は誰が助けてくれるの?」 誰も聞いていない…
あの時の自分に伝えたい。あの時は死なないでくれてありがとう。戦い抜いてくれてありがとう。
今、同じ胸中の人に伝えたい。微力ながら伝えたい。あの青白い月のように僅かな光でもあなたに…