こうじさんと

あやぽん、はなぽんが出会い

それから時々

4人で仲良く遊んでいました。








そんなのどかな時間が流れていき

とある年末の夜に

こんな話になりました。









「家にいて苦しいのなら

『並んででも買いたい初売りの物があるから

朝早くに出掛けるね』

ってウソでも言って

早朝から家を出たら?


今年も俺は

福引きの列に並ぶから

少しくらいなら遊べるよ」





と、こうじさんに言われ

それはなかなかいいじゃないか!と思い

お正月の早朝に

3人で家を出ました。







朝早かったし

雪が降っていたので

気分は優れなかったんだけど

それでも

あの家で苦しみながら存在しているより

ずっとラクでした。








福引き会場の列で

こうじさんと合流し

4人で話しながら

福引きの列に並んでいました。







そんな中、突然

こうじさんが後ろを振り返ったと思ったら

私たちの列からするっ、と

流れるような動作で離れたんです。








なにかと思って見ていたら

後ろからやってきた女性が

こうじさんに親しげに話しかけていて

こうじさんはその女性の隣に行ったのです。








そのまま2人は

私たちの3人くらい前にいた

若い男性の所に行き

並んでおしゃべりを始めました。








私はこの時まで

こうじさんの息子も

元奥さんも

見たことがなかったのですが







あ。これきっと

 元奥さん 息子だ。







と、直感で分かりました。











子どもたちも

この現象に戸惑っていたので




「あの女性は

こうじさんの別れた奥さんで

ここから先

あのふたりは一緒に行動するから

私たちは3人で初売り楽しもうね」



と、伝えました。








初売りの行列だから

人々がぎゅっと集まっていて

彼らは3人ほど前にいる、とは言っても

私とこうじさんの距離は

数歩程度しか離れていなかったし


その頃はマスク生活ではなかったから


どんなに見ないようにしていても

時々前を確認するために

行列の先を見ようとすると

こうじさんの笑顔が

ものすごくはっきり見えちゃって。





そのたびに

胸が苦しくて

心が握り潰されそうでした。






そのあとは合流する事もなく帰りました。







半日後くらいに電話がかかってきて


「ごめん。

でも仕方ないでしょお?」


って

謝ってんのか

言い訳してんのか分からない事を

言われたんです。







“仕方ない”という言葉は


“元奥さんに見つかったら

俺らの関係性にヒビが入って

面倒な事になるから

こういう対応をするのは仕方なかったんだよ”


っていう意味なのかな?




そしたらやっぱり2人って

いつか元サヤに戻ってしまうんじゃないのかな?








そんな事を

この時から最近まで

ずっと思っていたのです・・・。








今なら

こうじさんはそんな事思ってない、って

思えるけど


「付き合おう」とか

「愛してる」とか

俺はちゃんとケジメをつけて

あなたと一緒にいるんだよ、みたいな事を

言われずに

お互いなぁなぁに生きていたし


時々こういった事に巻き込まれると

いつも

『仕方ないでしょ?』とか言われて

はぐらかされるんだもの


元奥さんとの関係は

絶対何もない! なんて

考えられなかったよ・・・








子どもたちの事も、そう。





たとえ、こうじさんが

ちゃんとした覚悟を決めて

子どもたちと出会い

旅行に行ったり遊んでいたりしていたんだとしても

私たちはこうじさんにとって

大切な人間なんだ、って思えなくて

元奥さんへの気持ちはまだあるんじゃないかな?って

ずっと思ってたんだよ。






なぜ大切な言葉を言わなかったのか、は

いきなり

アメーバブログの中の話になるんだけれど

男性心理を分かりやすく書いている

フルゴラの泉川鷹志先生のブログがあるのですが

そこに時々書いてあるんです。






多くの男性は

『言わなくても分かる』

『察する事ができるよね?』

『分かる事をわざわざ口にしなくてもいいよね?』




って。




わざわざ口にしなくても

態度や雰囲気で

伝えられているんだもの

別に言葉にしなくていいじゃん。







おいおいおい、だよね。







私も基本的には

言葉にしなくても分かるタイプだから

普段の生活はこんな感じでもいいけれど


大切な場面で

もしもお互いがちゃんと

気持ちを伝えあっていたのなら

こんなに長い間(10年弱)

元奥さんの事で悩まなかったのにな、

って思うよ。









ここから先の未来でも

時々 元奥さん 

こうじさん

稀に

こうじさん私達3人

一緒にいる時に

こうじさんに声をかけてきてね。





そのたびに

こうじさんはするりと

元奥さんの所に行ったよ。







私達より

元奥さんと一緒にいる方を選択する、

そんな対応をされていたせいなのかな?






あやぽんぽんも、はなぽんぽんも

今は成人して

恋愛とはなんぞや?を知っている(だろう)はずなのに



「なんで私たちと仲良くしてくれているの?」

「私たちの事がバレたらヤバいんじゃないの?」

って言います。






そりゃ

目の前でそんな事をされていたら

自分たちが、家族のように

もしかしたら

目に入れても痛くないほどに

大切にされているなんて

夢にも思ってないだろうねぇ~






ま、こんな事をしていたこうじさんなのですが

それには理由があったらしいけど

それが分かるのはだいぶ先。







私はここから何年も苦しむのよ・・・(遠い目)






 [続く]