先週木曜日、大阪長居公園内にある「大阪自然史博物館」で開催中の、
「生命大躍進」展を見てきました。
この展示は、
今から約40億年前の先カンブリア紀に地球上に最初の「生命体」の痕跡を残す微生物が出現してから、現代にいたるまで、生物は何度かの「絶滅」と「繁栄」を繰り返して「進化」してきましたが、その「進化」の過程でも、爆発的な進化を遂げる瞬間があり、その時代のことを「生命が大躍進」した時代と位置づけて、展示のテーマが設けられています。

先に記しますが、この展示、会場の規模が狭いところに無茶苦茶「濃厚」な内容が詰め込まれています。相当な集中力を持って行かねば、見尽くすことが出来ません。
又、その内容の濃さゆえに、人の流れが停滞しやすく、混雑しやすい展示でもあります。

話が横にそれました…。
最初の生命痕跡を残す微生物から時を経て、今から約五億年前の「カンブリア紀」
「脊椎動物」の祖先となる「動物群」が爆発的に出現。
この中には人類の祖先にあたる「ピカイア」というごくごく小さな数センチの「舌平目」のような生物も含まれていました。
ここで、生命の大躍進が起こります。
それは、「視力」すなわち「眼」の獲得です。
そもそも「眼」をもたない当時の生物が、どうやって「眼」を獲得したか…。
これ、実に驚きました。
なんと…生きるためにエサとしていた「プランクトン」から「眼」へと進化を遂げる「DNA」を取り込んだというのです。
「生きる」ための「エサ」そして、その「エサ」から偶然「進化」の基礎を取り込むなんて…。
「生命」「進化」ってすごいなと、「がーこ」しょっぱなから、感心しました。


「眼」を獲得した後、
「シルル紀・デボン紀」(4.3億年前から2.5億年前)には硬い甲羅を持つ節足動物「ウミサソリ」が出現しました。
 全長2.3メートル↓「ウミサソリ」の化石です。今のサソリの祖先にあたります。

この時代、生物の頂点に立っていたのが「ダンクルオステウス」という生物です。
全長6メートルの「ダンクルオステウス」模型横の人のシルエットと比較するとその大きさが良くわかります。
「ウミサソリ」を捕食しようとしている「ダンクルオステウス」1/1模型↓

同じころ「三葉虫」と「アンモナイト」が誕生します。
「三葉虫」って、今の「ダンゴムシ」を巨大化させたような姿ですが、その凹凸具合って微妙に異なっていて不思議な感じがしました。
写真は↓実際に触ることのできる「三葉虫」と「アンモナイト」の化石です。

ここまでの「生物」の舞台は、「海中」でした。
ここから「陸」へと進出して行った生物が、「哺乳類のはじまり」となるのです。
3億年前三畳紀・ジュラ紀・白亜紀「ジュラマイア」というねずみのような生物が出現します。
恐竜が支配していた時代。恐竜の足元をぬうように生き抜いていた「ジュラマイア」ですが、
伝染病が蔓延し、一時は「絶滅」寸前まで追い込まれて行きます。
しかし、ここでも「生命は大躍進」を遂げるのです。
感染から生き残った「ジュラマイア」は、「伝染病のウイルス」から「胎盤」へと進化する「DNA」を獲得していたのです。
これが「ジュラマイア」の復元模型です↓

この直後、またもや地球上の生物が絶滅寸前となる出来事が起こります。
「恐竜」のほとんどを絶滅させたその出来事とは、恐竜マニアなら良く知っている「巨大隕石」の地球への衝突です。

↑写真は実物の地層。ストライプ状の部分が隕石衝突時。その下が「恐竜が繁栄していた中生代」上が「霊長類」が出現する「新生代」です。
初期の「霊長類」ピグミーマーモセットのような外見を持つ「イーダ」が出現するのは、6600万年前。そこから現代にいたるまで、進化の過程は私たち現代人の「DNA」にきっちりと刻まれているのだそうです。

↑ネアンデルタール人の「DNA」は、意外にも「アジア人」のほうがより多く引き継がれているのだそうです。

生きるために偶然食べていた「プランクトン」
不幸にも絶滅寸前まで蔓延した伝染病の「ウイルス」
この「偶然」がなければ、「進化」の重要過程であった「眼」や「胎盤」の獲得へとつながっていなかったかもしれないわけで、
「進化」していく過程では、これらは「偶然」の出来事ではなく、「必然」の出来事だったのだなということが良くわかりました。

非常に長文更新となりましたが、この展示はそのくらい「濃い」です。
「がーこ」がこの展示から人生に投影させる何かをつかんだとしたなら、
それは、
これまで我が身に降りかかってきた「偶然」の喜びも悲しみも含めたすべてが、
今の「がーこ」という人格を形成する「進化」にあたって「必然」であり、
又、これからやってくるであろう出来事も、
未来へ「進化」する「がーこ」を形作るうえで、やはり「必然」の「偶然」な出来事であるだろうという事です。

そう考えると、「人生」っておもろいもんですね。