出産を前にした時、男は何も出来ないモノです。
私は当時、酪農業をやって居たので、牛の出産は自分の力で産ませて居たのですが、嫁の出産には何の力にもなれませんでした。
当たり前の事ですがね…
この人間社会では、出産は病院でと言うのが当たり前の時代です。
旦那の気持ちとしては、病院に任せたら安心。そう私は思って居た私ですが、信じられない様な悪夢が待って居たのです。
でも、それって普通はそうですよね…
今でも納得の行かない事実です。
病院に嫁を届けた事で、私は無事に出産すると信じ切って任せて居ました。
しかし、病院に届けた後、陣痛室の中では異変が起こって居たのです。
私が、病院に嫁を預けて家に向かったのが午前一時でした。
それから僅か一時間後の午前二時頃から、段々と胎児の心音が下がり始めて居たと言うのです。
しかし、病院側は対処をして居なかったのでは…?
それとも、その様な事は日常茶飯事なのか、看護師はその異変を軽く見て居たのかも?
その後もドンドン心音が下がり、やがてお腹の中の胎児の心臓は停止したのです。
それから医師に報告、病院内は大騒ぎ…
心臓が止まって緊急の帝王切開手術。心肺停止状態での出産。約三十分…
鳴き声を上げる事もなく仮死状態でした。
心肺停止になると脳に酸素が行かなくなり、数分の違いで大きなダメージを受けるのです。
この約三十分はタイムオーバーなのです。
見た目は3640グラムで誕生した娘は健康そうにちえました。
しかし
そこから地獄の闘病との人生が始まったのです。



