この国のタブー -77ページ目

この国のタブー

素人がタブーに挑戦します。
素人だけに、それみんな知ってるよ?ってこともあるかもしれませんが。
コメント、質問、大歓迎です。お手やわらかにお願いします。

『ONE PIECE』コミックスの最新刊が発売されましたが、初版発行部数400万部を連続しているというのには驚嘆です。累計発行部数もいつの間にか、『ドラゴンボール』を抜いて1位になっていたのですね。
 参考:毎日新聞デジタル(2013年06月04日)「ONE PIECE : 最新70巻の初版部数は400万部 累計3億部の大台目前」



【世界一売れた漫画】

日本のオタク文化は言うまでもなく世界一です。日本で最も売れる書籍も漫画です。しかし皆さんは、世界で最も売れた漫画タイトルをご存知ですか?

それは、『クラッシックス・イラストレイテッド』です。

って全く聞き慣れないですし、一度も書店で見かけたことがありませんが。。。

レ・ミゼラブル (Newton Classics Illustrated)/ニュートンプレス

¥1,260
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これは同一作者による作品ではなく、古典文学作品を漫画にしたシリーズ作品で、1941~71年頃にかけて英国で出版されました。『白鯨』、『ファウスト』、『ハムレット』、『大いなる遺産』、『三銃士』、『ドン・キホーテ』など、169作品が出版されています。恐らくは家庭の教材として売れたのでしょう。
日本でも一度、日本語訳が発売されたことがあるようで、Amazonで中古品が売っています。自分が子供の頃にもこうした教材が充実していればなと、英国がちょっと羨ましいですね。5歳の娘のために、今のうちに買い漁っておこうかな・・・と画策したくもなります。
 参考:Amazon検索「Newton CLASSICS Illustrated」



【漫画は世界を広げる】

クイズ番組でよく「雑学王」と耳にしますが、クラスに必ず一人はそういうキャラクターがいますよね。私の世代、つまり現在の30~40代の男性の多くは、こうした雑学の多くを『こち亀』で学びました。漫画の割にはニッチなジャンルがしばしばテーマとなり、また活字量も多いので学ぶことが多かったようです。これは、使い方次第では漫画も教育効果があることの証明でしょう。

大学時代に宗教学を教わった笈川博一先生は、私達に聖書やコーランを読ませましたが、漫画も読ませました。

COBRA 1 (MFコミックス)/メディアファクトリー

¥750
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「コブラ」はイラストの美しさでとても有名な漫画ですが、善悪二元論を唱えた古代一神教「ゾロアスター教」の教典を元ネタにした作品です。TVアニメ化もされています。

笈川先生からは、「学ぶなら講義や書籍も大切だが、それが難しければ映画やアニメや漫画からでも良い。」という指導を受けたのですが、文字だけでなくビジュアルや音声を用いた方が学習効果が高いことは当たり前ですので、とても理に適った学習法です。
お陰でそれ以来、テレビを点けながら新聞を読むというおかしな習慣が身に付いてしまいましたが、時事問題模試で全国で9位(偏差値79)というミラクルも起こしましたので、教育効果は満更でもありません。

以降、私の持論は「漫画も読むべき」となりました。漫画だけしか読まないのは少し問題ですが、ろくに読書経験の無い大学1年生に、いきなり自著を買わせて「読んでこい!」という大学教授よりは、幾分かマシに思います。



【世界情勢を知るにはこれ!】

Wikipediaによれば、漫画の世界ベストセラーランキングで、日本の作品は『ONE PIECE』、『ドラゴンボール』に次いで、これです。

ゴルゴ13 (1) (SPコミックス)/リイド社

¥510
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メディアや教科書では決して知ることができない、地球の裏側の政治情勢や民族学、戦争と平和の真実を学ぶ上で欠かせない作品です。一時、深夜アニメが放送されていたこともあります。
作者の「さいとう・たかを」は、紫綬褒章を受勲しましたが謎多き人物です。一説によれば、その豊富な取材源の根拠は、彼が「国境なき医師団」に属していて、紛争地帯にも分け入ることができるからだとも囁かれています。
 参考:Wikipedia記事「ベストセラー本の一覧#漫画のベストセラー一覧」


それから、現実の国際政治や現代の安全保障問題を学ぶなら絶対にこれです。

新装版 沈黙の艦隊(1) (沈黙の艦隊 (1))/講談社

¥1,000
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発売当時は大問題作と言われつつも、世のサラリーマンが熱狂した劇画作品です。TV放送される予定でアニメ化されましたが、問題作だけにボツとなり、一部だけがOVA化されています。
核兵器とは何か、軍事力と外交力はどう関係するのか、日米安保条約の意味とは何か。これらを考える教材として秀逸な作品です。改憲論が盛んな今こそこれを読むべきだと思います。



【近代史に親しむならこれ!】

まず江戸期は、「さいとう・たかを」繋がりでこれをお勧めします。

鬼平犯科帳 1 (SPコミックス)/リイド社

¥500
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コンビニに売っているので、移動中に時間を持て余すと、今でもつい買ってしまいます。
原作の池波正太郎は言うまでも無く、時代劇作品における日本の第一人者です。作品自体はフィクションですが、江戸後期の庶民慣習や食文化などの風俗を具体的に描写しているだけでなく、義理・人情・浪花節を今に伝える心温まる作品です。
また何度もTVドラマ化されていますが、個人的には中村吉右衛門主演のシリーズが最高だと思います。


次に、幕末から明治維新の近代史を学ぶなら、誰がどう考えても竜馬でしょう。

お~い!竜馬 (1) (小学館文庫)/小学館

¥650
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いわゆる坂本竜馬の世界観を築いたのは「司馬遼太郎」の『竜馬がゆく』ですが、これの大ファンである「武田鉄也(つまり坂本金八)」がリスペクトしたことで、本作は生まれました。ただし、作者の推論や史実に基づかない演出も多分に含まれているのは、『竜馬がゆく』と同様です。
なお、作画をした「小山ゆう」は、上戸彩主演映画『あずみ』の作者です。また、私自身は見ていませんが、NHKでアニメ化もされたようですね。


そして、大戦期の近代史に触れるならばこれです。ただし右寄りなのは覚悟して下さい。

新ゴーマニズム宣言スペシャル 戦争論/幻冬舎

¥価格不明
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タイトルの意味は、作者「小林よしのり」の傲慢な主張ということですから、どこまで信じるべきかは諸説ありますが、右の言論でここまでメジャーになった漫画は他にありません。教科書で学んだ歴史に違和感がある方は、これを読めばかなりスッキリできるはずです。
また、このシリーズ作品は多岐に渡るのですが、一部、Youtubeで朗読されているものが参考になるかも知れません。
 参考:Youtube動画「【新ゴーマニズム宣言】戦争論3」



【ビジネス社会を知るにはコレ!】

就職を控えた学生がヒマを潰すなら、是非ともビジネス漫画を読んでください。仕事の魅力やビジネスの裏側を知ることで、社会経済の本質に触れることができます。

そこで最初にお勧めしたいのは、ドロドロしたビジネス漫画の中でも割と健康的なこの漫画です。

課長島耕作 (1)  新装版/講談社

¥777
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家電メーカー(恐らくモデルはパナソニックと東芝)で働くサラリーマンの主人公が、ビジネス社会で上り詰めていく様をリアルに描いた作品です。課長から始まった本シリーズは、今では入社時から社長までがひと通り網羅されていて、サラリーマンなら誰しも共感を抱く社会派作品となりました。高橋克典主演のTVドラマも放送されています。
将来「働くこと」をイメージする上では、私は最良の教材だと思います。


ただ、世の中は大企業とエリートだけで出来ている訳ではないので、時には繁華街の街角や路地裏の経済学にも目を向ける必要があります。その意味でリアルなのがこの作品です。

ナニワ金融道(1) (講談社漫画文庫)/講談社

¥777
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人の人生はわずか数万円でも狂ってしまう。
ふとした切っ掛けからサラ金で働くようになった主人公が、金貸しの暗い現実に何度も直面しながらも、葛藤し成長していく物語です。お金の泥臭い側面が、誰にでもわかりやすく表現されています。『ミナミの帝王』も似たテーマですが、こちらの方がやや健康的に思います。
またこの作品は、中居正広主演の2時間TVドラマが数本製作されています。ウルフルズによる主題歌「借金大王」も有名ですね。


さて、これとは対照的に、マクロ経済やグローバル経済に触れるならこの作品です。

100億の男 1 人生を売った男 (BIG SPIRITS COMICS)/小学館

¥509
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サラリーマンの主人公がある日突然、株式投資に狂った母親の作った100億円もの借金を背負わされてしまう話です。TVドラマにもなりました。
物語では、経済を牛耳る財閥や政治家などのフィクサー、チャイナマネーや投資家、ITベンチャーや穀物メジャーなどが次々と登場します。彼らは皆、借金の返済に奔走する主人公に立ちはだかり、現実の資本主義経済が自由でも平等でもないことを、端的に教えてくれます。また、出版当時のバブル崩壊直後の世相がよく反映される点も特徴的です。5万、10万の価値を描く『ナニワ金融道』とは対照的に、億単位の金が持つ力と恐怖について考えさせられる作品です。



【日本を愛したいならコレ!】

挙げていけばキリが無いので、最後にこの作品をご紹介します。

新装版 夏子の酒(1) (講談社漫画文庫)/講談社

¥798
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主人公の夏子は日本酒造の娘で、類稀な利き酒能力の持ち主です。蔵の継承は兄に任せて、自らは都会で華やかな広告代理店に勤務するのですが、その兄が不意に急死してしまいます。故郷へと戻った夏子は、酒蔵と兄の意志を継ぐことを決意し、村中の反対や無農薬有機栽培の苦労を乗り越え、兄の夢であった幻の酒米「龍錦(タツニシキ)」を復活させ、ついに究極の日本酒を完成させるという物語です。

この漫画の素晴らしさは、第一に何と言っても日本酒の味の表現力です。飲まなければ伝わらないはずのものを見事に描き切っているので、これを読んで日本酒通になった人も少なくありません。

第二に、日本酒をとにかく美化するのではなく、日本酒醸造の構造的問題点も次々と指摘した点です。三倍醸造、桶買い、米糠糖化、純米酒が不利な酒税法などを鋭く指摘した本作は、後の92年酒税法改正にも大きな影響を与えたと言われています。

第三に、かなりの文量を割いて酒米栽培の現実をも描いている点です。日本人のルーツである米作農業の苦労や課題を、これほどまでに正確に表現した作品は他に無いと思います。子供の頃から農業に携わってきた私自身、共感する所ばかりでした。

そして第四の魅力は、この物語の一部が真実であることです。「兄の死」はフィクションですが、幻の酒米「龍錦」は「亀の尾」という現実の酒米がモデルです。実際にこの酒米を復活させた新潟県の蔵元「久須美酒造」は、和久井映美主演のTVドラマにも登場しています。
また、この酒米で醸された「亀の翁」という純米大吟醸酒は、秋篠宮紀子様の結納で使われたとか。今でも皇室ご関係者はご愛飲なさっているとの噂です(卸した酒店関係者談)。
 参考:久須美酒造webサイト

これを読めば、日本人のルーツである米作農業、そして神酒でもある日本酒の素晴らしさを実感頂けること請け合いです。あぁ日本人で良かったなと、きっと思って頂けるはずです。



若者の皆さんは、漫画喫茶に立ち寄った際は、こんな本を是非読んでみてください。勉強嫌い、本嫌いの方にも、少しはお役に立てるかも知れません。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。



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