あこがれ 男の子
僕には兄のように慕う人がいる。
単純にあこがれているだけだけど、出来ることならあんな人になりたい。
彼は、僕の行く塾の先生だ。
科目は国語。
たくさんの事を知っていて、そしてきれいな字を書く。
きれいな字は、あの人を表しているように感じる。
繊細で、それでいて力強い。
あの、細くしまった腕で抱きしめてもらいたいと思うのは異常なのだろうか。
はっきり言って、国語というのは苦手だ。
特に古文。
昔の人の考えはよくわからない。
よく分からないけど、あの人の気持ちを知りたい。
先生は、来月結婚するらしい。
きっと、いい旦那さんになるのだろう。
想像がつく。
優しい笑顔で奥さんと楽しそうに笑って話をする。
きっと子供が産まれて父親になっても、その優しい笑顔は変わらず生まれてくる子供に与えられるのだろう。
決して、僕に向けての笑顔とが違う、優しい微笑みで。
この気持ちを伝えたら、絶対迷惑になることは分かっている。
だから、授業はがんばって受けるけど、それ以外であまり話しかけられない。
わからないところを教わる時も、近くにいるだけでドキドキしてしまう。
こんな気持ちのまま、先生の背中を見ることしか出来ない自分がはがゆく感じる。
ちなみに、僕は男性が好きなわけではない。
先生が好きなのだ。
先生が・・・
幸せに結婚する先生を笑顔でお祝いしたいけど、どうしても上手に笑えない。
ある日、塾の帰り。
入り口に見知らぬ女性が立っていた。
すぐにわかったけど、確かめるまでは信じたくなかった。
きれいな人だと思う。
先生にお似合いのきれいな大人の女性。
先生と一緒に帰って行く後ろ姿をこっそり見送る。
言葉にならない想い。
決して口に出さない想い。
先生・・・こんな僕ですが、ずっと好きです。
あこがれ 教師
この塾の講師になって何年になるだろう。
たくさんの卒業生を見送ってきた。
自分の授業が少しでも役に立っていると思うと仕事にやりがいも感じる。
今年は、特に熱心な生徒がいる。
彼の成績はそこそこだが、やる気だけは感じられる。
頻繁に質問をして、少しずつではあるが、成績も良くなってきている。
この調子でいけば、少し上も目指せるのではないかと思っている。
でも、最近少し気になることがある。
授業終わりに、質問があるようで教えているが、ふと目があうと必ずそらす。
まるで少女のように赤くうつむくことも。
はじめはどうしたのだろうか、体調が悪いのだろうかと心配になっていた。
授業中もあまり目を合わせようとしない。
彼の心情がよくわからなかった。
気していると、いつしか彼を目で追っている自分に気づいた。
彼のことが少しずつ気になっている。
これは、どういうことだろう。
自分はもうすぐ結婚する。
付き合って5年になる彼女がおり、最近やっと収入が安定してきたので、思い切ってプロポーズした。
応えはもちろんOK。
喜びの絶頂というはずだが、なぜか塾の生徒である彼の事が頭をよぎった。
いったいどうしたのだろう。
彼女も、なんとなく自分の異変に気づいて、変な質問をするときがある。
決して浮気をする気もなく、このまま幸せに結婚したいと考えている。
ただ・・・
なにか、今の自分に違和感を感じる時がある。
今のこの状況は幸せなのだろうか。
いったい何が幸せと感じるのだろうか。
今日は珍しく彼女から連絡があった。
仕事の後一緒に食事に行こうと。
もちろん喜んで行きますと返事を返した。
塾の出口で彼女が待っていた。
気づくと、あの生徒が脇の方にいる事に気づいた。
彼を横目に彼女と職場を後にした。
彼の悲しそうな目が、自分の心の中に引っかかっている。
このまま普通の幸せ。
それだけで、満足なのだろうか。
sunpey奏の妄想トキメキ日記
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