色とりどりの恋
川面に映る夕日が、ネオンの瞬きに変わるころ・・・・僕はあの川沿いの歩道を歩いて、あのバーのあるホテルへ向かう。冷たい川風の吹くなかを、何組かの恋人達がロンブルの下で肩を寄せ合っている道を隔ててホテルが見えてくる・・・・車をさえぎり道を渡り、ベルボーイが軽く会釈を・・・ホテルのエントランスを抜けてロビーに入り脇のエスカレータで二階へ駆け上がる。バーに入ると脇にボトルを置いた棚があり、中はよく見えない、コートを預け、カウンターへ向かう、右手にはちょっと広いボックス席があり、そこには3組のグループと、2組のカップルが歓談を交わしながらグラスを傾けていた。「いらっしゃいませ」とバーのマスターが声をかけてきた、「お待ちですよ」とカウンターの奥を眼くばせをする。笑顔で応え、奥の方へ・・・・・「待った?」彼女は奥の窓の外を眺めながら「みて、みて、ちょっともめてるみたいよ・・・」と指で指し示す。「声は聞こえないけど、喧嘩してるみたい」「さっきあの女の子彼に殴りかかったのよ」「えっ」それは、さっき僕が脇を通り過ぎてきた場所だった「ええ、貴方が来るのを、外を眺めて待ってたの」「そしたら、あんなことになっちゃって」「あっ、あの子、彼を残していっちゃう・・・・」 「どうしちゃったのかな〜???」「さっき、通る時は、そんな雰囲気じゃなかったな〜」「僕の来るのも、見てたの?」「うん、手を振ったけど、気付いてくれなかったじゃない」「ゴメン、ゴメン、少し遅れたから、慌てて来たからね」「ずいぶん、待った?」「ええ、もう二杯も飲んだわよ・・・・」彼女の頬が少し赤みをおびているように思えた・・・・彼女の前にはピンク色の、残り少ないグラスが・・・♡