私は一度だけ結婚した事があるが、その結婚生活は、実質僅か1年余りであったので、結婚したものの、所謂、夫婦としての結婚生活経験は、ほぼゼロに近いと言ってもいいかもしれない。
元・旦那は、私より10歳年下で、彼がまだ慶應の4年生の時に知り合った。
10歳年下とはいえ、彼は人間的に、私なんかより、遥かに出来ている男だった。
別に、彼の体裁を気にして、そう記載しているのではない。
私は、白黒ハッキリつける方だし、本当に、今でも心からそう思うからだ。
本当に、元・旦那は、ヒトとして尊敬すべきアッパレの人間であった。
普通、結婚後、全く理由が分からず、鬼嫁と化し、酷い仕打ちばかりする妻に対して
冷静な対応は出来ない筈だ。
それも、その妻に男の影があれば、尚更だ。
だが、彼は違った。
若干まだ27歳の若さで、離婚の際、非常にフェアに事を進めてくれた。
自分が、きちんと養育費を支払う事を全うする為の証として、自ら公的証明として公正証書を作成しようと提案してくれた。
私は、そんな証書がある事すら知らなかったのにだ。
離婚後、時の経過と共に、養育費の支払いをしなくなるケースが多い世の中で、彼は私が望んだ額を、そのまま受け入れてくれた。
離婚の事実に動転し、感情的にしかなれなかった私と比べ、彼は本当に大人であった。
別れた夫ではあるが、本当に素晴らしい人物だと、今でも思うし、一度だけの結婚を
彼と過ごせて、ある意味、幸せだったのかもしれないと思う。