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Fリーグ第8節マッチレポート

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府中 1-3 名古屋


 レスルーム内でこんな会話があった。

「首位攻防ですし、会場の熱気がすごいですねぇ」

と言った私に対し、

「首位攻防っていってもこの試合の勝ち負けで首位が入れ替わる訳じゃないしねぇ」

と某編集者に返されてしまった。


 確かにそうだ。今シーズンの名古屋は今までになく順調な1巡目を戦っている。府中も好調でこの時点で2位ではあるが、すでに1位名古屋との勝ち点差は6。昨年まで最下位を争っていたことを考えると名古屋を最後まで追いかけることは考えにくい。私は自分の言葉の軽さを反省すると共に、改めて会場の熱気に感心した。もちろん、リカルジーニョの存在も大きいが、それ以上に府中がこの順位にいるということが客足を伸ばす要因であることに間違いはないであろう。


 前述したように名古屋にこれ以上勝ち点を放されたくない府中は、堅守速攻を徹底する。ディフェンスの内容としては、前からプレスをかけるのではなく、ハーフコートでのスペース管理をするというものだ。相手のピヴォを使ってくる攻撃に対し、まずはピヴォへのパスコースを消し、もしピヴォへ入ってしまったら激しく守備をする。このディフェンスはまずまず効果をみせるが、ミスから失点をしてしまう。


 8分、ベッチーニョのミスパスを中央で拾ったリカルジーニョは、左サイドの逸見ラファエルへループパスを出し、自らは中央へ進む。逸見ラファエルからダイレクトでのリターンを受けると反転して右足を振りぬきゴールを揺らした。


 しかし、府中も直後に得たCKでベッチーニョのパスを清水が合わせすぐさま1-1の同点とする。さらに、名古屋が8分で早くも5ファールを取られてしまい厳しい立場に立たされる。だが、前半終了間際またもこの男がスコアを動かす。リカルジーニョだ。自陣右サイドでパスコースを伺いながらボールをキープすると次の瞬間すごい所にパスが通る。そのパスは同じ右サイドにいた完山を飛ばしてさらにその奥にいた森岡へ渡る。森岡にパスが渡るやいなや完山がゴール前へ猛然と走りこむ。森岡の中への折り返しをその完山が走りこみながら合わせ2-1と貴重な勝ち越しゴールを決める。3人のゴールへのイメージがリンクした見事なゴールで前半を折り返す。


 後半戦い方を変えるかと思われた府中であったが、堅守速攻という戦い方のベースは変えない。上澤などから単発でチャンスを作るが得点を奪えない。


 すると29分、またしてもリカルジーニョがハーフウェーラインあたりから左足を一閃しシュート性のパスを出すとブルノの体に当たってコースが変わり貴重な追加点を挙げ3-1とし勝負を決めた。


 まずは敗れた府中だが、今のところ戦い方がはっきりしており、何よりチームがよくまとまっている。負けが込んできてベッチーニョなどいわゆる府中のキングたちがワンマンプレー走らない限り、昨シーズンのような順位に沈むことはなさそうだ。


 一方の名古屋はこの試合当日入りだったということもあり、決して内容は良くなかったが、それでもポイントを抑え勝利した。リカルジーニョで勝ったような印象だ。試合後アジウ監督は今のリカルジーニョの状態について0%以下と手厳しかったが、リカルジーニョは確実にチームに馴染んできており、コンディションも上向いている。彼がエンジン全開になった時、名古屋は2位以下をどこまで突き放しているであろうか?



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Fリーグオーシャンアリーナカップ2010より抜粋 ベスト8 名古屋 - 神戸

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名古屋 4-1 神戸


 かに神戸は名古屋に分が悪い。だが、この試合はそれ以前の問題だった。とにかく今シーズンの名古屋の強さばかりが際立った試合だった。


 立ち上がりこそ神戸がチャンスを作った。特に前日の試合で退場した山田ラファエルに代わり須藤が入った1stセットで特に須藤や鈴村と原田のコンビで何度かチャンスを作る(この試合西谷はあまり目立てなかった)。だがそのチャンスを逃すと徐々に流れが名古屋へと傾き始める。


 14分、完山のパスを左サイドで受けた木暮が間髪いれずに右サイドの北原へ流す。そのボールを北原が切り返し自らコースを作りつつGKの間合いを外しながら決め名古屋が先制する。

 これで勢いに乗った名古屋は一気に畳み掛ける。16分には左サイドラファエル・サカイのパスをゴール前で受けた木暮が芸術的なループで追加点を挙げると、さらに17分にはブルノのパスを受けた森岡が蹴り込みあっという間に3点差をつけ前半を終える。


 後半も名古屋ペースは変わず、29分には右サイド逸見ラファエルのパスを受けたルイス・ネゴンの公式戦初ゴールが産まれ4-0とし試合を決めた。神戸もパワープレーから原田の意地のゴールが決まるが時すでに遅し、結局4-1で名古屋の点差以上の完勝に終わった。



 まずは神戸だが山田ラファエルの不在で須藤を1stセットに入れた結果、2ndセットとの"格差"が生じてしまった。その結果、この試合やや力の落ちる2ndセットにアグレッシブなセットをぶつけられ最後までゲームの流れを掴めず、奇しくも相手のスカウティング通りの結果となってしまった。新加入の吉川も随所に好プレーを見せていた。だが、ミスもあった。若い選手だけにこれからという所であろう。


 決して今年の神戸は弱くない。そしてこの試合も神戸は悪くなかった。今年も上位に食い込むであろう。それは、ベスト8の他の3試合と比べプレースピードが格段に上がり、特に前半はあっという間に時間が過ぎた印象さえ受けたことからもレベルの高さはわかる。だが、結果は名古屋の完勝…、要するにそれだけ今年の名古屋は強いということだろう。


 「名古屋は強いですが下を向いている暇はない。今まで順調に行き過ぎたので、開幕に向けて勝てるようにみんなで1から考え直したい」


 と今シーズンからキャプテンマークを巻く原田が記者会見で悔しさを押し殺すように発言していたのが印象的だった。チームの巻き返しに期待したい。



 一方の名古屋は、新戦力にとにかくポジティブな印象の選手が多い。昨年ポストプレーに終始し反転シュートも少なくあまり相手ディフェンスに脅威を与えられなかったウィルソンに比べ、ルイス・ネゴンは反転も含め現時点で既に色々なシュートパターンを見せており確実に結果を出しそうな存在感を出している。


 また、逸見ラファエルも忘れてはいけない。対人の強さももちろんだが、前への推進力や相手を抜くアイディア、ゴールイメージなどその能力は既にBANFF NAGOYAで出場した全日本選手権で折り紙つきだった。だが、何よりも驚くべきはこのメンバーの中でそれをいかんなく発揮し普通にプレーできていることである。逸見ラファエルはまだ17歳。それを考えると末恐ろしい存在だ。この試合怪我で前半途中までの出場に終わった前田もウカウカしてはいられないであろう。


 そして、この日出場しなかったリカルジーニョである。リカルジーニョは既に練習にも参加しており早くもチーム内に"リカルジーニョ効果"が起きているという。それについて北原はこう証言する。


「出れるんだったらどちらかのセットで20分というのではなくて30何分とか出れるだけ出したほうがいいと思う。それくらい違う。とにかくプレースピードが違う。膝下の振りが速いのでシュートもシジネイクラスですし、パススピードもめちゃくちゃ速い。だから、プレースピードも必然的に上がる。一番驚いたのは、アップから練習を真面目にやること。彼が練習に入ったことで練習の質が上がった。みんな彼のレベルに合わせようとするし、彼が一番真面目に練習しているのでやらなければいけない。練習とかでコネたリしないし、びっくりするくらいフットサルに対して真摯」



 昨シーズンは決してそんなことは言えなかったが、今シーズンは間違いない。
「今シーズンの名古屋は負けたらその試合は大波乱である」
そう言っていいだけの説得力をこの試合で見せた。このチームにリカルジーニョが加わると思うと…、このチームはどこまで強くなるのだろうか。




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Fリーグ第13節マッチレポート

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     町田 3-2 府中




 5連敗中で出口の見えない府中と金山が復帰したがマルキーニョスを欠く町田との一戦。試合は前半から両チーム点を取り合い、シーソーゲームとなった。

 先制は府中。13分、上澤のボールを右サイドで受けた小野が豪快に蹴りこみ先制する。だが、町田も14分、府・小山のパスをジャッピーニャが中央でカットするとそのまま独走する。最後はドリブルで右に流れながら決め同点とする。
 さらに府中は16分、その小山が町田ゾーンディフェンスの僅かなズレを突き右サイドでシュートパスを打つとファーサイドで待ち構えた鳩野がそれに合わせ府中が勝ち越す。

 すると町田も府・GK富澤のロングスローをカットすると横江へつなぎ最後はジャッピーニャが合わせ2-2の同点とし前半を終える。


 後半は、両チーム共チャンスを掴みながらなかなか勝ち越し点が奪えず、徐々に次の1点が重くなり始めた34分、試合は動いた。
 ジャッピーニャから右サイドでボールを受けた狩野が持ち前の思い切りの良さを活かし、強引にシュートを放つ。ボールは中央やや二アサイド寄りへ飛ぶがボールに勢いがあり府・GK富澤の手を弾きニアサイドへ突き刺さった。ゴールまで距離もあり当然本人もニアサイドを狙った訳ではなかったようであり偶然の要素も大きい。チームメイトからは試合後「ナイスミスキック!!」などと冷やかされ、自身も「入んのかい!!」とおどけてみせた。だが、あの時間に金山に代わりピッチに入り重要な点を奪ったことは、本人の今後にとってもチームにとっても非常に大きな得点となったはずだ。

 府中も36分パワープレーに出るが、なかなかチャンスを作れない。そして、残り1秒問題のシーンを迎える。

 残り1秒、左サイドで藤井が難波田にスライディングされ倒されたと思われたが判定はノーファール。慌ててボールを奪いにいった藤井が鳩野を倒したとしてファールを取られ府中に第2PKを与える。キッカーは小野。小野はゴール右隅へ冷静に蹴りこみ同点に追いついたと思われたが、判定はやり直しとなる。小野もさすがに2回目は枠を外しゲームセット。3-2で町田が何とか逃げ切った。


 試合後判定に不服な表情を見せる両チームの選手達。最後は審判が主役となってしまったが、いずれにせよ、マルキーニョスを欠いた町田にとってこの勝利は大きい。試合後は
「今日は集中力がなく逆境に立たされないと目が覚めなかった」(ジュニオール監督)
「1,2本で状況を打開できているのにさらに難しくパスを回してしまい、取ってカウンターになりやすい状況を自分達で作ってしまった。後ろでタメがない分もっと早めにシンプルに前に当てることができたら良かった」(藤井)
と各々反省しきりだったが、それでも町田は勝った。これは優勝争いをする町田にとって大きい。内容はともかくとしてこの勝ち点3は後々効いてくるであろう。


 一方の府中はとうとう6連敗。この日の試合内容は前節に比べると幾分か良かったがそれでも勝てない。難波田は
「(チームの)カラーがない」
と現状を嘆く。確かに上位チームとも下位チームとも同じような試合をしてしまう府中というチームは表現が難しい。どういうチームだと端的に評する際にカウンターでもなく、ポゼッションでもなく、若いチーム中心で勢いで戦うわけでもなく、ベテラン中心に経験で戦うわけでもない。監督やフロントを含め、何よりチームの今後へのはっきりとした方針が見えてこない。最下位に沈んだ今だからこそ思い切ったことをすべきではないだろうか?残り試合を
無駄にしないためにもチームの賢明な判断を願いたい。



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