負けたくなかった。







考えは変わったかい?と問われても



変わりません。
いや、変えられません。
と言った。







先生はまた…

『治ってないとは聞いてなかったからねぇ〜。君の身体じゃ正規雇用はムリなんじゃないか?』





屈辱ってこの事なんだったと思う。






辞めます。






結果は決まってて
それしか道はなかった。






こんな事で泣いてたまるか!
って心の中では思ってるのに、裏腹でボロボロ溢れて出る涙。











『君もね、脳梗塞になって…』




ん?脳梗塞?



この言葉を聞いた時、確信した。




この人、ホント、私の話なんてちゃんと聞いてなかったんだ。と。





脳梗塞なんて一言も言ってねーよ!






病気を何でもバカにしてる。








先生は

“休みがな欲しいスタッフ”が許せないんじゃなかった。


“病気が完治してないスタッフ”が許せなかったんだろう。









もう、この人と会う事はないと思うと言いたい事を言えた。







ただ…

言い尽くせないほど

悲しみ、悔しみは沢山もらった。







怖いです。



次もこうなるのかな…って気持ちが先立っちゃいます。



こんな自分イヤなのに。
A歯科医院を辞めて、スグにB歯科医院で働き始めた私はまた新たな事を覚えるのに必死だった。



場所や先生が変われば、もちろん勝手が違う。

メモ帳が手離せない日がまた戻って来た。








病院が重なり、お休みが欲しかった。


有給なんて希望してなかったし、ただ理解してお休みが欲しかっただけ。




私『すみません、検診のお休み欲しいんですけど…。』


一気に先生の顔が変わったのが分かった。
何言ってるんだこいつ。…みたいな。



先生『えっ、何?』



私『えっ…お休みが欲しいんです…。2、3ヶ月に1回病院に行きたいとお伝えしたと思うんですけど。』




先生『3ヶ月は良いけど、2ヶ月は困るよ。』




えっ、何それ?








私は何だか、急に怖くなった。

この先生の人間性に。




私『あの…私の病気お伝えしましたよね?まだ治ってないって。』




先生が明らかにムッとしたのが分かった。



それは私が刃向かったからとかじゃない。




治ってない。ってワードにだ。





先生『何?治ってないって。』





仕事終わりに話す事になった。








先生『病気治ってないってどう言う事?』



私『面接の時にお伝えしました。検診でお休みが欲しい事も全て。』



私が欲しい休みは水曜日。



先生『聞いてないなー。3ヶ月なら良いけど2ヶ月は困るし。水曜はね〜。』




ちょっと待ってよ。
他のスタッフは休み貰ってるじゃん。

先生から出て来る言葉全てが、気に入らない私への当てつけにしか思えなかった。




私は全て話して理解して貰えたと思ってたのに…
結果聞いて貰えてなかったって話。






なのに…





先生『隠しておくなんて、大人がして良い事なの?』



とまで言われてしまった。




言ったのに


聞いてくれてなかっただけなのに



悔しくて悔しくて涙があふれて来た。




こんな人に負けたくない。






でも目の前で話す人は、携帯をいじってLINEをしながら私と話してる。



アンタこそ、大人として、それ人と話す態度ですか?


歯科医って医者でしょ?
医者が病気に理解示さないってどーゆぅことよ?








休みが貰えないと薬も貰えない。
検査も出来ない。


このままここにいて休ませて貰えても、嫌々なのが見えた。







辞めるしかなかった。








最後の闘いは次の日に持ち越しだった。






その日の帰り道。
バイクを運転しながら

『私は何で病気なんだろう』

と思ってしまった。




悔しい。


切ない。





帰ってまたこれ以上になく悔し涙が出た。









悔しくて悔しくて…




悲しいです。







でも、最後は負けたくなかった。
A歯科医院を辞めたくて、私は慌ててB歯科医院の面接を受けた。





もちろん、てんかん持ちで薬を飲んでる事。

ナゼてんかん持ちになったかと。
脳出血した事。
脳動静脈奇形と言う生まれつきの病気で、完治してない事。

2、3ヶ月に1回の検診で病院に行きたく、お休みが欲しいと言う事。

視野が欠けている事。





知って欲しい事、知っておいて欲しい事をちゃんと目を見て全て話した。



怖くても伝えなきゃいけない事がある。








でも



結果…あっさり。





大丈夫でしょ?
人手足りなくてねー。






と、その日に採用決定。





やった。

やったー‼︎‼︎







やっと…




やっと‼︎




A歯科医院を辞められる‼︎






清々しかった。





病気でも受け入れて貰えてる気がして
嬉しかった。



自分の努力、真っ直ぐな気持ちが受け入れて貰えた気がして嬉しかった。









うん……でも



気がしただけだった。