湯灌(ゆかん)って、葬儀社の人が来て

身体を拭いて清めてから、白装束を着せて

納棺するんだと思ってました。


今までの経験だと、

見守るというより、遠慮して控えていてください

作業しますので…

みたいな感じ。夫の祖父の時そんなんだったから。


夫の祖父の時もたしか、友引挟んでいて

座敷に寝かせた自宅でのお通夜だったけど

その部屋に入るには勇気必要なほど

臭気…困ったことを思い出します。

(まりちゃんにはまったく問題なし)


湯灌って、そんなもんだろうと思っていたから

弟と、湯灌後にメイクしたい姪と、

うちの子どもたちと、両親が控え室に。


納棺師の女性が三人やってきて

大きな湯桶とともに準備をし始め、

「みなさま、準備が出来ましたので

お集まりください!」からのスタート。


湯桶のまわりに集まりました。

儀式だそうで、遺族の手伝いでキレイに

してあげましょう!と。


布団の上で、バスタオルで隠しながら

浴衣を脱がし、

胸からひざまでバスタオルをかけた状態に。


湯桶の上にシートが張ってあり

その上に移動。

平らな湯桶のふたみたいなシートに寝かされ

バスタオルかけたその状態から

ひとつ目の儀式。


逆さ水


手持ちの木桶にひしゃく。

中身はお湯。

納棺師さんが、ひとりひとり順番にひしゃくを

渡してくれて、バスタオルかけたまんま

中のお湯を足元から胸に少しづつかけていきます。


左手で、足元から左に←左側に垂らすように。

絶対戻ってはいけないそうで、

ちょっとむつかしそう…緊張しました。


揃ってた人しか出来なかったので、

自宅で仏具屋さんの祭壇設置、立ち会いしていた

甥と姪の婿さんは間に合いませんでした。

(あとからのには間に合った)


そのあとは、バスタオルに手を入れて

シャワーをまんべんなくかけていきます。

そして、ボディーソープの泡を足の指から~

首まで二人がかりで時間かけて手を使い

洗います。優しく優しく。


身体を横にして、前も背中も洗います。

流します。


途中、背中側が少し見えました。

鮮やかすぎるその色は、

物言わぬ現実を突き付けました。

背中側は、子どもたち見てなくてほんと良かった。


キレイに流している最中、

髪の毛も洗います。お顔も一旦メイク落としで

マッサージ。

すっぴんにもどります。


タオルを敷いたお布団の上に移動して、

きれいに拭いてもらい、髪はドライヤー。

その時は、湯桶を立てられて見えなくしてました。


白装束を着せてもらったら、

納棺師から「これから詰め物をするので

ちょっと見るのはご遠慮ください。」と。

納得の返事はしますが、口の中に無理やり?

調整するのだなあと推測。

昔みたいに、耳や鼻には綿は無く

頬がふっくらとしてました。


湯桶が片付いたあと、次の儀式。

両手、両足の手甲と脚絆のひもを結びます。

縦結び!ほどけないように?

ちょっと難しい感覚です。


両手は胸の上で組まれ、白い数珠が

握らされていました。


あとは、メイクを残すのみ。


トータル50分くらい。途中甥たちも来て

間に合いました。


白装束でやはり良かった!


そうしていたら、

男性スタッフが棺を持って来ました。

いよいよ納棺です。


弟の抵抗…

このままギリギリまで布団はだめですか?

と頼んでいたけれど、

実はギリギリまで待ってくれてたから

納められました。


納棺師のみなさんが、棺の中のまりちゃんに

胸から下、ワンピースを着ているみたいにかけて

その上に布団をかけてくれました。

足元には、姪の用意した靴下と、靴の写真。

靴は入れられないので、写真を撮って入れました。


弟が告別式の挨拶で、姪のネイルを紹介するから

胸に重ねた両手は、目につくように

美しく整えてくれていました。

女性たちの納棺師、素晴らしいです。


そして、納棺師さんたちは

終了の挨拶をして、立ち去りました。

残すは姪のメイク。

棺に入ったまりちゃんに、綺麗にお化粧を

してあげました。


開いていた口も、半ば閉じて…

技を使って閉じさせた様子。中で何かを?

してるはず。


最後の仕上げ、赤い口紅。

「おかーちゃん、この口紅好きだったんよ💕」

姪の言うとおり、本当によく似合ってました。


頭陀袋と呼ばれる首から下げた袋には

写真や手紙、紙のお金、姪のアクセを入れました。


17時、控え室から式場に棺移動。

誰もいない式場に、ひとりはさみしかろうと

子どもたちと姪と行きました。


友引明けで、式場は満杯。

がらんとした式場で、その時を待ちました。


いよいよ、お通夜です。