ベランダに出て

いつも空を仰いでいた

空からの光輝く贈り物を

纏う心地良さが何よりも好きだった


その光が降り注ぐ

この世界を

愛おしいと気がつくまでに

いくつかの悲しみと

ほんの少しの絶望が必要だったけれど


光の中に包まれると

風のように生きたい私は

時が来るまで

この世界で

樹のように生きようと決めた


大地に根を張り

栄養を吸収し

土を

水を

火を

風を感じた


そのどれもが

想像より

とても素晴らしいことだった


枝をはり

葉をつけ

実を宿すと

そこに立つことができることを

幸せだと感じた


時が来た


風に乗るための声を手に入れ

舞いあがる

その光と共に