今回切なさを提供してくれるのは
「カリートの道」
1993年
主演:アル・パチーノ、ショーン・ペン
たぶん誰にでもある体験。目的もなくつけていたテレビで、たまたま
やっていた映画についつい引き込まれしまい、終わってみると、ほん
の少しだけど、心がその映画の色に染まっていたことが。
映画を見たあとって、元気になったり、切なくなったり、悲しかった
りするのだけど、見るはずのなかった映画を見た後はなぜか切なさ
だけが残る。僕のことを見つけてくれてありがとう、また会おうね、と
映画からいわれているようで、ああ、またなって、カッコつけたくな
るような感覚。
その切なさは、ほどよく爽快で、ちょっとだけ前の自分より強くなっ
た気分だ。
今回紹介するのは、つい先日、早起きをした朝、偶然ひかりテレビで
放映された「カリートの道」です。
主役はアル・パチーノとショーン・ペン。ショーン・ペンがなかなか
ぶっ飛んだいい役をしていて、途中まで気付きませんでした。
「カリートの道」
あらすじ
アル・パチーノ扮するカリートは麻薬王として名を馳せていた。ある
事件が原因で30年の刑を受けるが、ショーン・ペン扮する、弁護士ク
レインフィルドの手引きで異例の5年で出所できた。
しかし、たった5年の空白期間で、街はすっかり様変わりしていた。
カリートを待っていたのはすっかり人が変わってしまった仲間たちと
裏切りであった。
カリートはそのような世界からきっぱり足をあらうことを決意する。
目標はバハマでレンタカービジネスをすること。ナイトクラブの経営
をしながら地道に金をためはじめるカリート。
元恋人のゲイルともよりを戻し、バハマ行きが目にみえてきた矢先、
クレインフィルドから、知り合いのマイフィアのボスの脱獄の手伝い
を依頼される。異例の期間で出所できたことに恩を感じていたカリー
トはクレインフィルドの依頼を断ることができずに手伝いをすることに
なるが・・・
気がついたときにはクレインフィルドはどっぷりとマフィアの世界に
足を踏み込んで、抜け出せなくなっていて、その運命の波に飲み込
まれる形でカリートが数奇な結末を迎えるという映画なのですが、設
定がとても歪で、自分が当事者だったらいやだな、という結末をむか
ます。
まさしく「カリートの道」と”道”いう単語がぴったりで、自分の人生をも
考えさせられる映画です。
ショーン・ペンのぶっ飛びヘアスタイルと、役柄がこの映画の歪さを
演出しています。
ラストシーンはありがちなのですが、きっと泣けます。
人生の岐路に立たれている方にはぜひ見ていただきたい映画です。