今回切なさを提供してくれるのは
「記憶の棘」
2004年
主演:ニコールキッドマン
たぶん誰にでもある体験。目的もなくつけていたテレビで、たまたま
やっていた映画についつい引き込まれしまい、終わってみると、ほん
の少しだけど、心がその映画の色に染まっていたことが。
映画を見たあとって、元気になったり、切なくなったり、悲しかったり
するのだけど、見るはずのなかった映画を見た後はなぜか切なさだ
けが残る。僕のことを見つけてくれてありがとう、また会おうね、と映
画からいわれているようで、ああ、またなって、カッコつけたくなるよ
うな感覚。
その切なさは、ほどよく爽快で、ちょっとだけ前の自分より強くなった
気分だ。
今回紹介するのは、ある朝、早起きしたときにやっていた映画。
主役はニコールキッドマン。新しい人生観を演じてくれます。
この映画のおかげでその日は少しだけ余分に元気がでました。
完成度の高い映画なので、知っている人は多いと思います。
あらすじ
ニコールキッドマン扮する未亡人のアナ。突然の事故で夫のショーン
を亡くし、絶望に暮れる毎日。夫の死後、アナを支えながら、ずっと待
ち続けてくれたジョセフ。死後10年経過し、気持ちも振りきれ、やっと
ジョセフを受け入れる決心をし、アナはジョセフと婚約する。
ときを同じくして10歳くらいの少年が、アナに近付いてくる。
少年は死んだ夫、ショーンの生まれかわりだという。最初は単なるい
たずらだと思っていたが、そのうち夫であったショーンしか知り得な
いアナとの二人だけの秘密を知っていたことから、アナの心が揺らぎ
始める。本当にショーンの生まれ変わりなの?
アナは少年と駆け落ちをすることに・・・
テーマはすごく重たいのだけど、テンポのいい展開についつい引き込
まれてしまいます。問題点をあえて曖昧なまま完結している部分があ
り、見た後、考えさせられるのと同時に、主役の子供の言動がほどよ
い切なさを残してくれます。