ビートルズで一番好きなアルバムは?

と聞かれたとき多くの人は「Sgt. Pepper’s~」や「Revolver」、「Abbey Road」と答えるだろう。

メディアの評価もだいたい同じだと思う。

でも私は圧倒的に彼らのデビューアルバム「Please Please Me」が好き。

次点で「Help!」。

 

「Please Please Me」は1963年3月リリース。

何が好きって、やっぱ流れと勢いだよね。

''I Saw Her Standing There''から始まり''Twist and Shout''で終わるあっという間の32分半。

でもその32分半は非常に有意義。

そしてほぼ一発撮りのため勢いが伝わってくる。

冒頭のポール1,2,3,4のカウントから鼻血出るよね。

そして最後のジョンのガラガラ声もクセになる。

 

 

 

やっぱりビートルズはブリティッシュビートやってる頃のが好き。

もちろん音楽的貢献度は後期だろうけどさ。。

全14曲の内、レノン-マッカートニー名義(というかこのアルバムではマッカートニー-レノン名義)は8曲で残り6曲はカバー。

 

全体通して、エヴァリー・ブラザーズよろしく極上のハーモニーを聴かせてくれる。

シングルは''Love Me Do''と''Please Please Me''。

''Love Me Do''切るくらいなら''I Saw Her Standing There''切ればいいのにと思ったけど、

アメリカと日本ではB面として登場。

あと個人的な不満は''A Taste of Honey''ぐらいか笑

後は完璧。

 

The Beatles - Please Please Me(1963):★★★★★

個人的音楽嗜好: ★★★★★
アルバム完成度: ★★★★★
歴史的重要度 : ★★★★★

去年から今年にかけて一番聴いたアルバム。

それは2023年での解散を表明している楽器を持たないパンクバンドBiSHのメンバー

アイナ・ジ・エンド(AiNA THE END)のソロ1stアルバム「THE END」。

 

ハスキーで繊細な彼女のボーカルはアイドルにしては珍しく

(おっと、、アイドルではなく楽器を持たないパンクバンドだった。。)

とても中毒性があり、メディアでも絶賛されるほど。

私もBiSHの時から大好きな声質。

 

さてそんなアイナの1stアルバムは2021年の2月リリース。

アイドル(おっと。。)楽器を持たないパンクバンドらしからぬダウナーアルバム。

いやほんと「THE END」ていうアルバムタイトルがドンピシャなぐらい暗い。。

全曲自身による作詞作曲もアイドルっぽくない。。おっと。。

 

やー''サボテンガール''だったり小松菜奈に捧げた''NaNa''だったり''STEP by STEP''だったりと

激しい曲もあるのだけど、''きえないで''とか''死にたい日にかぎって''とか''虹''とか''ハロウ''とか''金木犀''とか''スイカ''とか低BPMで暗い歌詞がそれ以上に目立つ。

どっぷり沈みたいときには重宝する笑。

プロデューサーは亀田誠治氏なので随所に椎名林檎さやスピッツさを感じ、

手堅くまとめられてるけどね。

 

 

 

因みに、11月には早くも2ndアルバム「THE ZOMBIE」をリリースしており、
こちらは比較的明るいがやや発散しがち。

クセになるのはやっぱり1stかな~。

 

アイナ・ジ・エンド - THE END(2021):★★★★

個人的音楽嗜好: ★★★★★
アルバム完成度: ★★★★☆
歴史的重要度 : ★★★

以前、「rockin' on」かなんかの企画で、ぐっと引き込まれるアルバムの1曲目特集みたいなのされてて

ニルヴァーナの''Smells Like Teen Spirit''やホワイト・ストライプスの''Seven Nation Army''が選出されてて、

まぁそうだよね。と思ったが、

個人的に一番最初に思いついたのはスピッツの「三日月ロック」のオープナーである''夜を駆ける''だった。

(企画では洋楽のみの対象だったんだけどね。。)

 

美しいピアノとアコギから始まるこの曲は歌詞も美しい。

 

似てない僕らは細い糸でつながっている

よくある赤いやつじゃなく

 

この歌詞を聴いた時、鳥肌たったのを覚えてるし、

今でも聴く度にぞわっとしてくる。

スピッツだけでなくJ-Pop全体で見ても一番好きな歌詞。

そして''夜を駆ける''はスピッツで一番好きな曲。

 

そんな''夜を駆ける''から始まる「三日月ロック」は、彼らの10枚目のオリジナルアルバムであり、

アルバムとしても1番好き。

 

シングルは4曲。

個人的にシングル曲がうじゃうじゃしているアルバムは余り好みではなく、

オリジナルアルバムにはシングル2~3曲がいいな~と思ってる人だが、

このアルバムは4曲でもくどくない。

まぁシングルとしては地味ということだろうか笑

 

先述の''夜を駆ける''から続く27thシングルの''水色の街''の透明感も、

25thシングルの''さわって・かわって''の疾走感もアルバムの流れの中で見事である。

 

ロック色が強いと言われる「三日月ロック」だけど、冒頭3曲は導入的であり、

4曲目の''ミカンズのテーマ''でバンドサウンドが爆発する。

 

かと思えば次の''''は打ち込み中心でスピッツ史上最大級のダンストラック。

でも流れはごく自然。

再びバンドサウンド全開な''ローテク・ロマンティカ''を挟み

26thシングルの''ハネモノ''。

こちらも水属性の楽曲でとても心地良く、アコギが軽快な風属性の''海を見に行こう''へ繋がっていく。

そこからギア全開高速ドラミングの''エスカルゴ''、

美しいのコーラスから始まる23thシングルの''遥か''と続き、

終盤は再び切なくて美しい''ガーベラ''でクールダウンした後、

最後はポジティブな''旅の途中''、''けもの道''の名曲2連打でフィニッシュ。

 

アルバムとして起伏は大きいがその起伏がシームレスにつながっており、

とても美しい。

 

スピッツ - 三日月ロック(2002):★★★★★

 

個人的音楽嗜好: ★★★★★
アルバム完成度: ★★★★★
歴史的重要度 : ★★★★

 

私がボブ・ディランと出会ったのは、

伊坂幸太郎の小説を映画化した『アヒルと鴨のコインロッカー』(2007)。

その中で主人公が''風に吹かれて(Blowin' in the Wind)''を口ずさんでおり、

主要な登場人物がディランを神様の声と評しているのだが、

エンディングで原曲聴いた瞬間、「神様どころかしゃがれてんじゃん!」と思ってしまった。

ただメロディはずっと頭の中でリフレインしてしまい、

帰り道にTSUTAYA(九州では当時AVクラブという正式名称だった。。なんか卑猥)に寄り、

早速「The Freewheelin' Bob Dylan」をレンタルした。

ちなみに後に原作小説を読むと''ライク・ア・ローリングストーン(Like a Rolling Stone)''も引用されていたが、

映画は''風に吹かれて''オンリー。

うん、その方がいい。

 

1963年に発表された「The Freewheelin' Bob Dylan」はその''風に吹かれて''から始まるディラン2nd

ジャケ写はディランが当時のガールフレンドであるスーズ・ロトロと腕を組んで

ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジのストリートを歩く写真。

色んな所でパロディ化されており、個人的に印象深いのは浦沢直樹の「BILLY BAT」の一コマ。

ところでこの頃のディランぶったまげるほどイケメン。

初めてこの時代の写真見た時、まさかこの顔からあのダミ声が発せられてるとはとビックリした。

下の写真は『フォークのプリンス』が『フォークの女王』ジョーン・バエズと共演した時の写真。

 

 

デビュー作のパッとしないイメージを覆し、ディランの文学的才能を世に知らしめるきっかけになったアルバム。

ディランを代表する名曲''北国の少女(Girl from the North Country)''''戦争の親玉(Masters of War)''''はげしい雨が降る(A Hard Rain's a-Gonna Fall)''''くよくよするなよ(Don't Think Twice, It's All Right)''''第3次世界大戦を語るブルース(Talking World War III Blues)''も含まれており、

ビートルズの「Please Please Me」と並んで1963年の必聴盤。

ちなみにジョン・レノンはこの「The Freewheelin' Bob Dylan」でディランを知りどっぷりハマったらしい。

 

基本的にはシンプルなギターと狂おしいハーモニカに、ディランの突き放すように歌う渋い声が乗っかる。

アルバムの流れとしては、序盤はものすごい密度。

でも後半はかなり軽め。

上にあげた曲はどれも好きだが、やはり最後はとてつもなく心地よい''風に吹かれて''に戻ってくる。

そう風に吹かれてね。

 

ボブ・ディランはノーベル文学賞受賞後の2018年のフジロックで初めて生で見ることになるのだが、

噂通り、''風に吹かれて''''くよくよするなよ''も原曲の跡形がないアレンジ。

正直に言うと音楽的には初見には辛い内容で、ディランそのものを堪能すること自体がメインと化したライブでした。

まぁ感想は人それぞれ。。

 

 

 

Bob Dylan - The Freewheelin' Bob Dylan: ★★★★☆

 

個人的音楽嗜好: ★★★★★
アルバム完成度: ★★★
歴史的重要度 : ★★★★★

ポップやロックを語るとき、どこを起源にするか?

というところは一つの迷いどころである。

ビートルズ

プレスリー

シナトラ

ロバート・ジョンソン

私の行きついた答えは
チャーリー・パットン(Charley Patton)かな~。
デルタブルースの第一人者で『デルタの声』とか『デルタブルースの父』と呼ばれてたらしい。
さて、デルタブルースとはアメリカ南部のミシシッピ・デルタを中心に広がった初期のブルース。
このデルタブルースがシカゴブルースを生み、ジャズやカントリー、R&B、ロックンロールと繋がっていく。



はい、この人がチャーリー・パットン
なんか『デルタブルースの父』というよりうちの親父みたいな顔してて親近感が沸く。

ロバート・ジョンソンストーンズが取り上げたことで知名度が上がったが、当時はロバート・ジョンソンよりもチャーリー・パットンの方が人気だったそう。
まぁ、パットンヘンリー・スローンの影響を受けてるらしいので、さかのぼればキリが無いのだが、もうこの辺になると聞きたくても音源が残っていない。。

彼は1891年にアメリカのミシシッピ州で生まれ、1934年に43歳の若さで亡くなっている。
生まれた年は1885年説や1887年説もあるらしい笑。
死因は僧帽弁閉鎖不全症。
トミー・ジョンソンロバート・ジョンソンハウリン・ウルフもこの地域に住んで演奏し、パットンは彼らのメンターを務めたとのこと。
『デルタブルースの父』、なるほど。

さて、彼の活躍した1930年代は12''のアルバムではなく10''のシングルが主流。
ということでオリジナルアルバムが無いため本ブログではコンピレーションを紹介したい。
2010年に発表された「ザ・コンプリート・レコーディングス」。
3枚組の62曲収録。

もともと以前に発売したもののリイシューらしいのだが詳細は不明。
その名の通り、チャーリー・パットンの残した全曲を聴くことができる。
妻のバーサ・リーがボーカルで参加したり、盟友ヘンリー・シムズがヴァイオリンで参加したりって曲もあり、
チャーリー・パットンを知るには最適の一枚(ではなく3枚。。)

個人的にデルタブルースはとっつきにくい部類に入るのだが、
こちらは比較的とっつきやすい。
そういう意味でもロバート・ジョンソンよりも人気だったのかな?
シンプルなアコギに乗っかるぶっといけど少ししゃがれた声とハーモニカ。
泣きのメロディも素敵。

''Prayer of Death''などではスライドギターも聴くことができる。
そして30年代の音源らしくノイズがわんさか。

やっぱりこのノイズが味があるよね。

コンピレーションでよくあるように曲順は基本的に古い曲から新しい曲へと並べられているのだが
完璧にリリース順でもないしレコーディング順でもないし。。

 

曲によってはTake違いが収録されているのだが、

これが各Takeでガラッと変わってて面白い。

 

まずは代表曲の''Pony Blues''からどうぞ。

 

 


Charley Patton

 - The Complete Recordings (2010): ★★★☆

個人的音楽嗜好: ★★★
アルバム完成度: ★★ 
歴史的重要度 : ★★★★★