≡今日の私のアピール≡
私は、学校に勤めていたこともあって、子どもたちが心も体も豊かに、そしてしっかりと力を持って、大きく育ってほしいと願って、子育て中のお母さん方と一緒にこの名草山などを中心に自然体験を行っています。わたしたちは、2020年からこのIRカジノに反対してきました。
2020年1月、私たちは、このIRカジノが誘致される話があるけれど、どうしようと話し合いました。その時、真っ先にそれはダメですと言ったのが、東京出身のお母さんでした。東京の街では女子学生だったころから街の中に様々な犯罪を身近に見聞きしてきたと言います。
お金が集まるところには、必ず、犯罪がついて回るというのです。
IRカジノなどが和歌山に造られたら、きっとそういう犯罪が日常的に起きてしまう街に変わってしまうと言ってくれました。
IRカジノについての和歌山県の計画を読んで、やはりこれは造られたら、和歌山のこの環境が変わってしまう。だから、子どもたちのこれからのために反対していかないといけないということになりました。
以来、私たちは、カジノ反対の署名を集めたり、宣伝をしたり、昨年11月、12月には住民投票の署名をお願いしてきました。みなさんには、ご協力いただいてきたことにお礼申し上げたいと思います。

先ほどの東京出身のお母さんは、「和歌山の人は、和歌山の良さを知らない」とも言われました。
また、和歌山出身のお母さんも、大学時代に友達を自宅に呼んだら、こんな街の中にいてすぐに和歌浦、片男波の海水浴場があるなんて信じられないほどだと言われたと話してくれました。
和歌山で生まれ育ちしてきたモノは、和歌山なんて、誇れるようなものは何にもないとよく言ったりします。しかし、このお母さんの言うように東京などとは違った和歌山の良さを考えると、自然が豊かだし、穏やかで、治安の心配もそれほどなくてすんでいる過ごしやすい街だと気づきます。
そうなんですね、私たちのこの街は、とっても素敵な街なのです。
奈良に都があった頃から都の人からも憧れられたこの和歌浦、名草山があります。景色は、折り紙付きなのです。海もあり、山もあり、川もある、子どもたちを育てる上で大切な自然体験をしようと思えば、こんなに手近にできる街に私たちは暮らしています。安心できる街なのです。
和歌浦湾は、絶景の宝庫と言われ、日本遺産に登録されています。そんな和歌浦湾の真ん中にある人工の島マリーナシティにIRを造ろうとしています。先日その計画の説明を聞き、驚きました。高さ100mの大きな鳥の羽を広げたような形の建物を建てるんだと自慢げに話していました。

みなさん、名草山に登ってこの美しい西側の和歌浦湾を写真に写したことはありませんか?雑賀崎、新和歌浦、片男波、和歌浦の干潟、布引、毛見の海岸~とても美しいです。ただ、この毛見の浜の向こうにある人工の島マリーナシティのコンクリートの高い建物は自然のモノでないので写したくない。写らないように角度を気遣って写真を撮ります。
今でもそうなのに、今度は、そこに100mもの大きな高い建物、横にもさらに長い建物を建てる。ガラス張りなので、きらきら光っているでしょう。
一層、日本遺産と言われる和歌浦湾の景観には、馴染まないモノが造られてしまうのです。夜は、夜でライトアップするというのです。
日の出とともにだんだんと明るくなっていく和歌浦湾。一日の活動を終えて夕方、西の海に日が沈んでいきます。夜のとばりの中に沈んでいく和歌浦湾。こんな美しさは壊されてしまうことでしょう。
この計画を推し進めているのが和歌山県です。そして、協力しているのが和歌山市です。
私たち住民は、こんなことを和歌山県や和歌山市に期待していますか?
私たちは、いまの平穏で穏やかな暮らしが続くことを願っています。子どもたちがこの街で安心して様々な体験を重ねながら育っていってくれることをこそ願っています。
 
そもそもマリーナシティは1994年に世界リゾート博を開くために県が造ったものです。予想を超える観光客が来たと言って喜んでいましたが、それはほんの一時的なこと。県は見捨てて今度はそこに、外国からカジノ業者を呼んできてIRを誘致しようというのです。IRは併設されるカジノの収益をもとに回っていくものです。
また和歌山の持っている特性を生かさずに、あっという間に車が買えるようなお金、家が建つようなお金を博打にかけ、勝った負けたなどと騒ぐようなものを造ろうとしています。きらびやかで目先の利益だけを考えるそんなことに飛びついていくことを繰り返しているのです。
もちろん、私たちがこの町に住み続けられるようにするには働く場所は必要です。
しかし、それは、和歌山の持っている特性に根差した産業を興すことで見出していくべきことです。地域に根差したものであるべきです。エネオス撤退のニュースがありましたが、よそから呼んできても、結局は儲からなくなるとそういう企業は方針変更をします。
外国から博打で稼ぐような会社を呼んできて、雇用が増える、税収が増えるなどと考えるのはあまりにも幼稚で、安直な考えにすぎませんか。
和歌山県庁には、大学などで専門の勉強をしてきた職員がたくさんいます。その方々に力を発揮してもらって、この和歌山にしかできないこと、和歌山の特性を生かした産業を興すことを和歌山県民と一緒に考えて、生み出していく努力をしていってほしいと思います。
 
IR カジノの入場料50億円、IR カジノから納められるお金が260億円。
仁坂知事は栄えていない和歌山には、IR カジノが必要だと言います。しかし、こんなお金で子どもたちの教育や文化関係の施策を進めるなんて、恥ずかしくないですか?このお金は、博打で負けた人々から巻き上げたお金です。
和歌山の特性を生かした産業を生み出してください。小さくてもいいのです。和歌山の地にある資源で和歌山の人々に支えられるそんな産業をいくつも作っていく努力こそ、和歌山県や和歌山市にはやってほしいと思います。
 
私たちは、この穏やかに暮せる和歌山の暮らしを守りたいです。古の時代から変わることのないこの美しい和歌浦湾を守って暮らしを続けたいです。
子どもたちがいつでも安心してカブトムシを取りに行ける山があり、海水浴のできる海のあるこの町、そして、夕日の沈むのを心静かに眺めていられる「KAWARANAI」和歌山市であってほしいと願っています。
市民の皆さん、造られてしまうと40年とか、80年続くと言われるIRカジノです。止められるのは今ここにいる私たちしかいません。
何としても、誘致をやめさせ、私たちの暮らしを守りましょう。