【クリエイト】(3024)

管工機材インフラを支える「地味強バリュー株」は買い時か


クリエイト(3024)の株価は、足元でPERやPBRが落ち着いた水準になり、配当利回りも悪くありません。
本記事では、このクリエイト株への投資を検討するうえで、「今が買い時か?」を、業績・投資指標・理論株価・株主還元まで一気に整理していきます。


企業概要 / ビジネスモデル


・管工機材(給水・排水パイプ、継手、バルブなど)を扱う専門商社で、卸売業に属する中堅企業
・商社機能に加え、自社グループで排水金物・マンホール等の製造も行う「商社+メーカー」型ビジネスモデルが特徴
・主力は住宅・マンション・工場・ビル等の配管設備向け。水道・下水・雨水処理といった生活インフラを裏方で支える存在
・連結売上高の約9割超が国内向けで、海外売上比率は1桁台と想定。為替よりも国内建設需要の影響を受けやすい構造
・管工機材セグメントが売上のほぼ全てを占める一方、施工関連・物流関連も伸長し、グループとして付加価値向上を狙う
・2026年3月期第3四半期累計の売上高は約2,798億円、営業利益61億円と堅調に増収増益を継続中

「中計最終年度の2026年度に初の営業利益10億円をグループをあげて達成することを目標とする」
中期経営計画「Vision110」より



水回りインフラ向けという性質上、華やかな成長ストーリーよりも、「景気循環はあっても長期需要は底堅いディフェンシブ商材」としてのポジションがポイントになってきます。



投資指標チェック(2026年2月5日時点・株価1,239円)


※株価・指標は主にYahoo!ファイナンス等の公開データを参照
業界平均は卸売業指数の代表値を参照

・PER:9.5倍(業界平均約14.9倍)|コメント:利益水準が安定している中でこのPERは★割安寄り
・PBR:0.87倍(業界平均約1.72倍)|コメント:純資産に対して5割近いディスカウント。典型的バリュー株水準
・ROE:9.5%前後(業界平均約11.6%)|コメント:卸売としては標準〜やや控えめだが、PBRを踏まえると資本効率はまずまず
・BPS:1,429円程度|コメント:株価1,239円に対しPBR0.87倍と、解散価値近辺までは十分なバッファあり
・フリーキャッシュフロー:約8.36億円(2025年3月期、FCF+)|コメント:営業CFがプラスに定着し、設備投資も重くないため、配当原資としてのキャッシュ創出力は悪くない
・配当利回り:3.2%前後(予想1株配当40円)|コメント:卸売業平均の約2.3%をやや上回る、ほどよいインカム水準
・配当性向:30.5%(2025年3月期実績)|コメント:「配当性向30%前後」を目安としたバランス型の還元スタンスと整合的
・配当政策:安定配当を基本に、業績・財務状況・将来投資を勘案して決定する方針。無理な高配当ではないが、増配余地は残されている印象
・株主還元政策:ここ数年は増配に加え、自己株式取得や立会外分売等を通じた資本政策も実施し、流動性向上と資本効率の両立を模索
・株主優待:100株以上でQUOカード1,000円分(年1回・3月権利)|コメント:優待利回り約0.8%と配当と合わせると実質利回り4%弱の「小さなオマケ」

指標面だけ見ると、「そこそこ稼げるのに、バリュー株として放置されている中小型卸売」という立ち位置です 🤔


理論株価


・現在株価:1,239円(2026年2月5日終値)
・理論株価Web(はっしゃん式理論株価):1,831円(2025年8月5日現在、上昇余地+約45%)
・みんかぶAI株価診断による理論株価:1,071円前後で「やや割高」判定(2026年2月時点)

理論株価のモデルによって「割安/やや割高」と評価が割れているのが面白いポイントです。
はっしゃん式は「PBR+利益水準」に重心があり、みんかぶAIは成長性や株価トレンドも加味するため、
・資産バリュー視点では「まだ割安」
・株価モメンタム・成長性を加味すると「やや割高寄り」
という二面性が見えてきます。


業績 & 成長性(過去5期・通期ベース)


売上高(億円)
296 → 315 → 349 → 359 → 366

営業利益(億円)
△0.8 → 2.7 → 6.8 → 4.1 → 7.6

純利益(億円)
△1.1 → 1.8 → 4.2 → 1.4 → 4.9

※決算期はそれぞれ2021年3月期〜2025年3月期、数値は各種開示資料・データベースを百万円単位で四捨五入して換算

2021年3月期は大型減損等で赤字となったものの、その後は2022年以降でV字回復。
2024年は一服(利益率低下)があったものの、2025年で営業益・最終益とも過去最高を更新し、
2026年3月期も売上高376億円・営業利益8.5億円・純利益5.1億円と増収増益計画を出しています

「伸びは派手ではないが、右肩上がりでじわじわ厚みを増している中小型ディフェンシブ」という印象です。



強みとリスク(対比スタイル)


🌟 強み(ポジティブ要因)

・水道・下水・雨水処理など、生活インフラ向けの管工機材が主力で、長期的な需要は人口減少下でも底堅い
・商社機能に加え、自社製造・物流網を持つことで、価格競争だけに陥りにくいビジネスモデルを構築
・2021年の赤字期を経て、利益水準の回復と配当の復活・増配を実現しており、財務基盤も純資産増加・自己資本比率3割台と改善傾向
・PER1桁台・PBR1倍割れ・配当利回り3%超・優待込み実質利回り約4%と、バリュー+インカムの両面で評価しやすい水準
・中期経営計画「Vision110」で2026年度営業利益10億円を掲げ、利益成長と株主還元を両立させる方針を明確化

⚠️ リスク要因

・売上の大半が国内建設関連需要に依存しており、新築住宅着工や設備投資が冷え込むと業績も影響を受けやすい構造
・同業他社との競争激化により、値下げ圧力や仕入価格の高止まりが続くと、薄い利益率がさらに圧迫されるリスク
・2021年3月期のように、大型減損等が発生した場合は一気に赤字転落しうるビジネスモデルであり、個別案件・投資判断の精度が重要
・時価総額約50億円規模と小型で、出来高も多くないため、短期的には流動性リスク(売りたい時に売れない)がある
・理論株価のモデルによって「割安」「やや割高」の評価が分かれているように、投資家の期待値が高まりすぎると、業績が堅調でも株価が伸び悩む可能性


今後の注目ポイント


・中期経営計画「Vision110」がゴールを迎える2026年3月期に、営業利益10億円目標にどこまで迫れるかが最大の注目点です。現状の会社計画は営業利益8.5億円・純利益5.1億円と、目標にはやや届かない水準ですが、3Qまでの進捗率は売上74%・営業利益72%とおおむね順調。残り1四半期での上振れ余地を見極めたいところです
・配当については、今期40円(前期比+2円)予想と増配基調が続いています。利益が計画を上振れれば、来期以降のさらなる増配余地も意識されるフェーズ。配当性向30%前後を維持しつつ、1株配当がどこまで積み上がるかが中期的な株価ドライバーになりそうです
・株価面では、はっしゃん式理論株価1,831円に対し現状1,200円台と、バリュー投資家から見れば「まだ仕込み余地あり」のレンジ。反面、みんかぶAIの理論株価1,071円とはそれほど差がないため、「成長期待をどこまで見込むか」で投資判断が分かれる銘柄とも言えます

個人的には、
・ディフェンシブ寄りの中小型株でインカムも欲しい
・PBR1倍割れのバリュー株をコツコツ拾いたい
という投資スタイルとは相性が良く、
「配当+優待をもらいながら、中期で業績と評価のギャップ縮小を待つ」タイプの銘柄と捉えています。


【執筆日:2026年2月6日】
株価・投資指標・理論株価等のデータは、特記なき限り2026年2月5日時点の公開情報に基づいています。

🚨 免責事項
この記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断でお願いいたします。