
【グローバルキッズCOMPANY(6189)】 子育てインフラ×高配当、“静かな生活防衛株”候補
グローバルキッズCOMPANYの株価は、少子化の逆風を受けつつも子育て支援ニーズに乗るサービス業の一角です。
保育というディフェンシブな事業に、高配当という魅力をどう組み合わせて投資に活かすか。
今の株価水準で投資妙味はあるのか、買い時を整理していきます。
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企業概要 / ビジネスモデル ────────────────────
・首都圏(特に東京都)を中心に、認可保育所・小規模保育・学童クラブなど子育て支援施設を展開する保育専業グループ。子会社の株式会社グローバルキッズが実際の施設運営を担います。
・収益源の多くは自治体からの委託費・補助金と、保護者負担金。景気変動の影響を受けにくい一方で、公的価格(保育単価)や制度変更の影響を強く受けるビジネスモデルです。
・運営施設数は保育園・学童などを合わせて首都圏を中心に多数(約170施設規模)で、日々1万人超の子どもの「居場所」を提供する“子育てインフラ”的なポジション。
・海外展開は行っておらず、売上はほぼ全額が国内。為替の影響は限定的で、政治・行政リスクの方が重要になります。
・経営メッセージでは、企業理念として「子ども達の未来のために」を掲げ、子育て支援という社会的使命を前面に出しています。
投資家向けメッセージの中で、会社は「子ども達の育ちと学びの社会インフラ」であることを強調しており、単なるサービス業ではなく社会課題解決ビジネスとして自社を位置付けています。
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投資指標チェック(2026年2月4日時点) ────────────────────
株価・指標はYahoo!ファイナンスなどを参照しています。
・市場・業種
東証スタンダード/サービス業/貸借銘柄(信用取引可)
・PER:11.3倍(サービス業平均 17.0倍前後)
コメント:野村アセットの業種別データではサービス業の平均PERは約17倍とされており、それと比べるとやや割安水準。利益予想が保守的でなければ、バリュー寄りの評価。
・PBR:0.95倍(サービス業平均 1.8倍前後)
コメント:純資産に近い水準で放置されており、「子育て支援インフラ」というテーマ性を考えるとマーケットからの評価は控えめ。資本効率が上がれば見直し余地あり。
・ROE:0.91%(日本株全体平均 9%前後)
コメント:足元のROEは1%を切る水準で、資本効率ははっきり物足りない。国内上場企業の平均ROEが9%台まで改善している中で、収益力の弱さが目立つ形です。
・BPS:811.84円
コメント:株価773円に対しBPS約812円と、ほぼ“解散価値”近辺。PBR1倍割れ目前というバリュー評価。
・フリーキャッシュフロー:-4.7億円(2025年9月期)
コメント:2023年9月期7.3億円、2024年9月期12.2億円とプラス推移でしたが、直近2025年9月期は-4.7億円とマイナス転換。設備投資やM&A等の投資キャッシュフローが膨らんだ影響で、キャッシュアウトが一時的に増えています。
・配当利回り:5.17%(予想)
コメント:年間40円配当予想に対し株価773円で利回り5%超。国内サービス業の中でも高配当水準で、「インカム狙い銘柄」としての存在感はかなり強いです。
・配当性向:524%(実績)
コメント:2025年9月期は純利益72百万円に対し配当総額がそれを大きく上回るため、配当性向は500%超と“見た目は異常値”。一時的な利益の落ち込みが要因で、平常時の配当余力を見る際は、来期以降の利益回復前提で見る必要があります。
・配当政策:年2回40円を基本線に据えた株主還元重視
コメント:会社は「株主還元を経営の最重要施策の一つ」とし、財務状況・成長投資とのバランスを見ながら安定配当を継続する方針。中間・期末の年2回配当を基本とし、直近数年は増配実績もあります。
・株主還元政策:配当中心(自社株買いは限定的)
コメント:総還元額は増えているものの、実態は配当が中心。自社株買いで株数を減らして1株価値を高める、というよりは、現状は「高配当で報いる」スタイルです。
・株主優待:なし
コメント:複数サイトでも「株主優待なし」と明記。完全に配当一本勝負の株主還元設計です。
・信用動向:信用倍率172.9倍(買い長)
コメント:信用買残17万株に対し売残1千株と買い残が厚い状態。短期的には需給が重くなりやすく、調整局面では投げ売りも出やすい構造です。
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理論株価
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理論株価Web(理論株価Web)によると、6189の理論株価は次のように示されています。
・資産価値:527円
・理論株価:1,199円
・上限株価:1,870円
現在株価773円は理論株価1,199円を大きく下回る水準で、「標準収益ながら割安株」のカテゴリに分類されています。一方でサイト上では「バリュートラップ注意報」にも言及されており、「割安だからすぐ上がる」と単純には考えない方が安全です。
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業績 & 成長性(過去5期・通期) ────────────────────
売上高 235 → 244 → 251 → 264 → 270(億円)
営業利益 5.8 → 7.1 → 3.4 → 7.9 → 8.6(億円)
純利益 4.8 → -3.1 → -0.6 → 2.6 → 0.7(億円)
・売上は右肩上がりで、10年以上にわたり拡大傾向が続いています。
・ただし利益は波打っており、2022・2023年は赤字、2025年も最終利益は0.7億円と低水準。営業利益は過去最高圏ながら、経常・純利益は伸び悩んでいます。
・2026年9月期は売上330億円(前期比22%増)、営業利益12億円(同39.9%増)の会社予想で、大幅な増収増益を計画。ここをきちんと達成できるかが今後の株価ドライバーになりそうです。
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🌟 ポジティブ要因 ────────────────────
・保育・学童は共働き世帯の増加や「こどもまんなか社会」政策に支えられる需要分野で、景気後退局面でも利用が大きく減りにくいディフェンシブな事業。こども家庭庁や各種子育て支援策の拡充は、長期的な追い風になり得ます。
・売上は安定成長が続いており、足元では営業利益も過去最高水準まで回復。2026年9月期の会社計画どおりに利益が積み上がれば、ROE・営業利益率の改善が期待できます。
・株価指標面ではPER11倍台・PBR0.95倍と、テーマ性のわりにバリュエーションは抑えめ。理論株価Webのモデルでも理論株価1,199円>現株価773円とされており、中長期で業績が着実に伸びるなら「割安成長候補」としての妙味があります。
・配当利回り5%超の高配当は、インカム投資家にとって大きな魅力。直近数年は増配基調で、長期保有のモチベーションになりやすい点もプラス要素です。
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⚠️ リスク要因 ────────────────────
・ビジネスモデルは公的価格に依存しており、保育単価や人件費補助など制度変更の影響を大きく受けます。政府方針次第では収益性が大きく変動し得る点は、典型的なレギュレーション・リスクです。
・ROE0.91%という数字が象徴するように、現時点では「高配当だけれど資本効率が低い会社」という評価も免れません。将来の成長投資に必要な内部留保と、高水準配当の両立がどこまで可能かは慎重に見極める必要があります。
・直近決算ではフリーキャッシュフローがマイナスに転じており、投資負担が重くなった局面での高配当維持はキャッシュ面の余裕を削りかねません。構造的なCF悪化なのか、一時的な投資負担なのかを継続的にチェックしたいところです。
・信用倍率172.9倍の買い長は、短期的な下落局面での売り圧力につながる可能性があります。ファンダメンタルズに自信があっても、「決算前後のボラティリティ」はそれなりに覚悟しておきたい銘柄です。
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今後の注目ポイント ────────────────────
・まずは2026年9月期の会社計画(売上330億円、営業利益12億円)がどこまで実現できるかが最大のチェックポイントです。ここをクリアできれば、ROEも一桁後半〜10%近辺まで改善するシナリオが見えてきます。
・政府の「こども未来戦略」「こどもまんなか実行計画」など、子育て支援関連政策の具体化と、それが保育単価・人件費補助・ICT化補助などにどのように反映されるかも業績に直結します。政策ニュースと同社のIRコメントをセットで追いたいところです。
・フリーキャッシュフローのマイナス転換が一時的な投資によるものなのか、構造的なコスト増や稼働率の問題なのかを、今後数期のCF推移で確認したいです。とりわけ、設備投資とM&Aのリターンが営業利益・EPSの伸びとして見えてくるかどうかが勝負どころ。
・株価面では、PBR1倍超えに向けた資本効率の改善(ROEの底上げ)と、配当継続・増配余地の説明力が問われます。「高配当+成長+規制ビジネス」をどうバランスさせるか、経営陣の資本政策の質にも注目したい銘柄です。
【執筆日:2026年02月04日】
指標・株価データは2026年2月4日時点の公開情報に基づいています。
この記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。