愛車のミライースの調子はいかがですか?「最近加速が鈍い」「燃費が悪くなった」「アイドリングが不安定」といった症状を感じているなら、スパークプラグの汚れが原因かもしれません。今回は、自分でできるスパークプラグ清掃の詳細な手順をご紹介します。適切な工具と正しい手順さえ守れば、初心者の方でも安全に作業でき、エンジンの元気を取り戻すことができます。
なぜスパークプラグ清掃が重要なのか
スパークプラグは、エンジン内で燃料と空気の混合気に火花を飛ばして着火させる、まさにエンジンの心臓部です。長期間の使用により、カーボンやオイル成分などの汚れが電極周辺に付着すると、以下のような問題が発生します。
燃焼効率の低下により燃費が悪化し、本来のエンジンパワーが発揮できなくなります。また、不完全燃焼によってアイドリングが不安定になり、排ガスの品質も悪化します。定期的な清掃により、これらの問題を未然に防ぎ、快適で経済的なカーライフを維持することができます。
必要な工具と材料の準備
作業を始める前に、以下の工具と材料を準備しましょう。適切な工具を使用することで、作業効率と安全性が大幅に向上します。
必須工具:
- 16mmスパークプラグソケット(マグネット式またはゴムブッシュ付きを推奨)
- 長めのエクステンションバー(150mm以上)
- 3/8インチラチェットハンドル
- トルクレンチ(10-25N·m対応、強く推奨)
清掃用品:
- パーツクリーナーまたはエンジンコンディショナー(泡タイプが効果的)
- 真鍮ブラシ(電極を傷つけにくい)
- 清潔なウエスまたは綿棒
- エアブロー用具(コンプレッサーまたはダストブロワー)
安全用品:
- 作業用手袋
- 保護メガネ
- 絶縁グリス(任意、コイルブーツの固着防止用)
詳細な作業手順
ステップ1:事前準備と安全確認
作業開始前に、エンジンが完全に冷えていることを必ず確認してください。熱いエンジンでの作業は火傷の危険があります。安全のため、バッテリーのマイナス端子を外すことを推奨します。また、プラグ周辺の砂埃をエアブローで軽く除去し、異物がシリンダー内に落下するのを防ぎます。
ステップ2:イグニッションコイルの取り外し
ミライースの3気筒エンジンでは、各気筒にイグニッションコイルが個別に取り付けられています。まず、イグニッションコイルに接続されているコネクターのロック部分を押しながら慎重に引き抜きます。次に、コイル固定ボルトを緩めて取り外し、コイル本体をまっすぐ上に引き抜きます。
この際、どのコイルがどの気筒のものかを記録しておくか、作業順序を決めて一つずつ進めることで、混乱を避けることができます。コイルブーツにオイルが付着している場合は、プラグホールシール(タペットカバー内のパッキン)の劣化が疑われるため、後日点検を検討してください。
ステップ3:スパークプラグの取り外し
イグニッションコイルを外すと、プラグホールの奥にスパークプラグが見えます。まず、プラグホール内の砂埃をエアブローで完全に除去します。これは、異物がシリンダー内に落下してエンジンを損傷させることを防ぐ重要な工程です。
スパークプラグソケットとエクステンションバーを組み合わせ、プラグに垂直に差し込みます。最初の緩めは手動で行い、固着している場合は少し締める方向に回してから緩めるとスムーズに外れます。完全に緩んだら、ソケットごとプラグを慎重に引き抜きます。

ステップ4:スパークプラグの状態診断
取り外したスパークプラグの状態を詳しく観察することで、エンジンの健康状態を把握できます。正常な状態では、電極周辺が薄いキツネ色(薄茶色)を呈し、電極の角がまだしっかりと立っています。
黒くすすけている場合は、短距離走行が多い、燃料混合比が濃い、または点火系の不調が考えられます。逆に真っ白に焼けている場合は、燃料混合比が薄い、または二次エア吸入の可能性があります。ねじ部分がオイルで濡れている場合は、プラグホールシールの劣化が進んでいる兆候です。

ステップ5:専門的な清掃作業
清掃作業では、まず泡タイプのエンジンコンディショナーやパーツクリーナーを電極周辺に吹き付け、1-2分間放置して汚れを浮き上がらせます。その後、真鍮ブラシや綿棒を使用して、カーボン堆積物を優しく除去します。中心電極は特に繊細なため、過度な力を加えないよう注意が必要です。
ねじ部分の汚れも丁寧に清掃し、清潔なウエスでしっかりと拭き取ります。電極のギャップは目視で確認し、イリジウムプラグの場合は基本的に調整不要ですが、大きく狂っている場合は交換を検討してください。

ステップ6:正確な取り付け作業
清掃完了後の取り付け作業は、エンジン損傷を防ぐ最も重要な工程です。スパークプラグは必ず手で回しながらねじ込みを開始し、軽くスルスルと入らない場合は無理をせずやり直してください。これにより、ねじ山のかじり(クロススレッド)を防ぐことができます。
座面が当たったら、トルクレンチを使用してメーカー指定トルクで締め付けます。ミライースの場合、一般的にM12系プラグで10-15N·m、M14系プラグで18-25N·mが目安ですが、具体的な数値は取扱説明書で確認してください。過度な締め付けはプラグやエンジンヘッドの損傷原因となるため、必ずトルク管理を行ってください。
ステップ7:システム復旧と動作確認
イグニッションコイルを元の位置に戻し、固定ボルトでしっかりと固定します。コネクターは奥まで確実に差し込み、ロック機構が正常に作動していることを確認します。バッテリー端子を接続し直し、エンジンを始動して動作確認を行います。
アイドリングの安定性、加速応答性、異音の有無などを確認し、エンジンチェックランプが点灯していないことも併せて確認してください。
清掃効果と期待できる改善
適切なスパークプラグ清掃により、以下のような改善効果が期待できます。アイドリングがより安定し、微細な振動が減少します。加速時のレスポンスが向上し、エンジンが力強く回るようになります。燃焼効率の改善により、燃費の向上も期待できます。
メンテナンス頻度と交換時期の目安
イリジウムや白金プラグの場合、清掃を行いながら約10万km または数年での交換が目安となります。ノーマルニッケルプラグの場合は、2-3万kmでの交換が推奨されます。清掃後も失火や加速不良が改善されない場合は、新品への交換を検討してください。
よくある失敗と回避方法
最も重要な注意点は、締め付けトルクの管理です。インパクトドライバーでの締め付けは、ねじ山破損の原因となるため避けてください。また、プラグホール内の砂埃除去を怠ると、シリンダー内に異物が落下する危険があります。古いプラグの座面ワッシャーの再利用も、密着不良の原因となるため避けるべきです。
まとめ
スパークプラグ清掃は、適切な工具と正しい手順を守れば、初心者でも安全に実施できる有効なメンテナンス作業です。定期的な清掃により、エンジン性能の維持と燃費改善が期待できます。ただし、エンジン周りの作業では常に安全を最優先とし、少しでも不安がある場合は専門の整備工場に相談することをお勧めします。愛車のミライースを長く良好な状態で維持するため、このような基本的なメンテナンスを継続していきましょう。




