不倫発覚後、旦那に質問責めの日が何日か続きました。


わたしの気持ちとは裏腹に、どんどん、どんどん


曖昧になり、


「忘れた」という言葉が多くなり、


切れる時間が早くなってきました。



その間、不倫相手「さゆりさん」とのメールも少しずつ


進んでいました。



はじめの頃は、忘れもしない、


「豆腐ハンバーグのつなぎには何をいれればいいんでしょうか?」


なんて、本当に不倫相手の妻への質問か!?


というようなメールがあったりしました。



でも、わたしの、旦那の好きになった人がどんな人か知りたい!


という気持ちも強かったので、


わたしからもたくさん質問しました。



趣味は?


好きなアーティストは?


家族構成は?



ちなみに、さゆりさんの年齢は旦那の1個下でした。


わたしより4個下ということになります。



そして、どの質問をとってみても


引っかかることばかりなんです。



趣味の「物を書く」というところがわたしと同じだったり。


好きなアーティストも同じだったり…


しかも「知ってますよ~奥さんからの携帯の着信、


あの曲ですもんね!」


なんて…どんな気持ちで言ってるんだろう?と…


わたしは「2人が一緒にいた」という事実をつきつけられて


胸が締め付けられる思いで…(でもやめられません)



あと、極めつけが家族構成でした。


わたしと同じく、お母さんは離婚していて、弟がいるというのです。


しかも離婚の原因が父親の不倫だったので、


それが許せないとまで言っていて、



すごーくびっくりしました。



それって、あなたが言えるセリフじゃないでしょう?って…



今後のことを考えてそんなことは言えなかった


ずるいわたしもいたのですが。



そんなメールを続けていたある日、


ついにわたしは実行に移しました。



さゆりさんへのメールで。



「わたしは今回のこと、全てを知りたいの。


 知らないとすっきりしないから。


 余計に忘れることが出来ないから。


 旦那に聞いても、正直に答えてくれないので


 よかったらさゆりさんに教えてもらいたいんだけど。


 お願いします!」






「奥さんがそれで納得出来るなら、協力します。


 わたしで分かることならなんでも答えます」



「ありがとう!たくさん聞きたいことがあるから


 よろしくね!」




…まだまだ、さゆりさんとのメールは続いて行きます…


旦那の知らないところで…


不倫発覚の翌日、


それは、わたしの誕生日でした。



それはそれは、もちろん暗く、とても楽しめる状況なんかでは


ない、誕生日でした。



でもまだ発覚したばかりだったからか、


なぜかまだ旦那に従順なわたしがいて、


この日、旦那が仕事から帰ると、以前から約束していた


お寿司を旦那と子供と食べに行きました。


(といっても回転寿司ですけど…)



お店に入ると見たことないおばさんに旦那が気まずそうに


挨拶していました。


そのとき「誰?」と聞くと



「会社関係の人」



と答えていた旦那。



実は旦那の不倫相手「さゆりさん」と一緒のコンビニで働く


パートのおばさんだったようです。



ばかな旦那は自分の実家のコンビニだということにもかかわらず、


周りに分かる付き合い方をしていたようなので


当然このおばさんも知っていたようで


じろじろとわたしたちのことを見ていました…



何も楽しくもない旦那との食事を終え、帰宅すると


やっぱりすることといえば…



旦那への質問攻め。



「2人でどこに行ってたの?」


「あのときのあれも、やっぱり言い訳だったの?」



…半年の間に蓄積された小さなたくさんの疑問、


怪しい…と感じていたことを全て聞かないと気がすまない!


という心境でした。



これを延々繰り返し、繰り返し…



わたしは興奮していて眠くない。


旦那は普通に眠くなる…


で、眠ってしまう…



そしてわたしはキレる…



しかも当たり前だけど、その答え方も曖昧ではっきりしないもの


ばかりで、わたしの


「半年間の隠された秘密を全てを知りたい!」という


欲求は全く満たされませんでした。



しかも、どんどん


「忘れた」という言葉が増えていくばかりだし…



そこでついに決行しました。


「さゆりさん」への接触。



正直、直接会いに行って、話をしたい!という気持ちが一番


強かったのです。



でもそれはいつでも出来ること…と思い立って、


まずはメールのやりとりをしてみることにしました。



旦那の携帯からチェックしたアドレスへ。


まずはこんな感じでメールしたと思います。




”こんにちは。お元気ですか?


 その後どうしていますか?


 何となく気になって、メールしてみました”




返事はすぐに来ました。




”元気です。


 相変わらず○○(コンビニ)でバイトしています。


 わたしも気になっていたのでメールもらえて嬉しいです!”




やっぱりまだバイトしてるんだ…


あの子だけが何も被害がないまま…




”もしよかったら、これからもメールしない?”




”はい。嬉しいです!


 いろいろ相談に乗ってもらったりしてもいいですか?


 よろしくお願いします!”





正直、ちょっとびっくりしました。


自分から誘っておいてなんですが、


「相談に…」って…



まあ、こんな感じで、さゆりさんとのメールが始まりました。


もちろん、旦那には一切内緒で。



ここからまたいろいろな事件が発生していくことになりましたが…





旦那の不倫相手との電話が終わり、


次に私が始めたこと…



それは、旦那への矢継ぎ早の質問でした。



「どこで会ってたの?」


「いつも何をしてたの?」


「どっちから誘ったの?」


「友達はこのことを知ってるの?」


「どこが好きだったの?」


「どうして、どうして…」



初めのうちは旦那も、自分が悪いことをしただからという


態度ではぐらかしながらも丁寧に答えてくれていました。



いつも車でいろんなところを走っていたということ。


いつもその日になって電話で今日会えるかという確認をしていたこと。


誘うのは自分からのときもあれば相手からのときもあったということ。


一番の遊び友達には一度会わせたことがあるということ。

(これはかなりのショックでした!)



でもいつもいろんなところを走ってたって、そんな訳ない!


ここは田舎だからきっとわたしの知らない田んぼ道とか


林の裏とか、目立たないところに車を停めて…



そう考えると、聞かずにはいられなくて問い詰めて…



それの繰り返しで、ついに旦那が切れました…



「もういいでしょ。明日早いから寝かせて!」



「嘘でしょ!本気で言ってるの?こんなひどいことして!


 わたしの気持ちが分からないの?


 こんな気持ちで寝られるわけないじゃん!


 もっと聞きたいことたくさんあるんだからまだ寝ないでよ!」



「明日仕事なんだから、寝なかったら大変だよ…おやすみ」




そして、本当にベッドに入っていびきをたてながら


眠ってしまったのです。



信じられない!



よく、傷つけてしまった方も辛いとかっていいますけど


それはキレイゴトだとこのとき実感しました。



それともうちの旦那がおかしいだけかな?



こっちは興奮がおさまらなくて、眠るなんてことできるはずも


ありません。



あのときはやっぱり彼女と一緒だったのかとか、


あの言い訳はやっぱり言い訳に過ぎなかったのかとか…



明らかにそうなんですけど。


全て今回の不倫に通じることなんですけど、


確認せずにはいられない。



確認して、ひとつでも違うと言って欲しかったのでしょうか。


信じたかったのでしょうか。



全てが嘘ではなかったと…。



この日から、眠れない日々が続きました。

不倫相手、さゆりさんとの対面、


義父と義母への不倫報告を終えたわたし達は、


自宅へと戻りました。



不倫メールいっぱいの旦那の携帯は実家で


預かっておくという形になってしまい…



わたしの手元に置いて、全部じっくりと見たかった


というのがこのときの正直な感想でした。




あまりにも突然にいろんなことが起きたときというのは


本当に実感がわかないものですよね。



わたしもこのときはまだ、淡々としていました。




わたしの淡々とした態度に、旦那もすっかり


安心した様子でした。



そしてわたしがまずしたこと。


それは、本当にこれで相手とは切れるのかと


聞くことでした。




すると旦那は



「俺のカードで○○(レンタルビデオ屋)で


 借りたCDをあっちで持ってる」



と言い出したのです。




「一緒に行ったの?」




「そう。そのとき、カード忘れたっていうから


 俺ので借りたんだ」



「何のCD?」



「ディズニーのみたいだったけど…」




「ふーん。そういうの、一緒に聴いてたんだ!?」




「別に、俺は聴いてないよ…でも、確か今日くらいが


 返却期限だったと思うんだけど、返してるか…」




「こんなことになったんだから、 返しておいてくれるでしょ」




「そうだとは思うけど…」




「いいよ。じゃあ、わたしが電話して聞いてみるから」




「えっ!あ、いや…そうだね。お願い」




何となく、このままで相手との接触が終わるのを


物足りなく感じていたわたしはこの機会にと、


電話することを選びました。




「もしもし…」




「あ、あの…○○(旦那)の妻ですけど」




「え、はい…あの、今回のことは本当に、すみませんでした」




「うん。えーと、それで今電話したのは、○○(旦那)と


 一緒にいるときに借りたっていうCDのことなんだけど持ってるかな?」




「あ、はい。もう返しました」




「あー、そっかあ…うん、分かった。


 …さっきなんか話足りないような感じがして、


 それもあって電話してみたんだ」




「本当ですか!


 実はあの時わたしも、奥さんと2人だけでもっと話したいと


 思ってたんです」




「本当に!?


 そっかあ…なんか変だけど、そうなんだよね…

 なんか気になっちゃって…


 もしよかったら、今度メールでもしようか?」




「はい!いいんですか?嬉しいです」




「うん、じゃあ…」




こんな感じで、しかも何故か弾んだ声を出すわたしに


ホッとしたような、どんなことになってるんだ?という


困惑したような旦那の様子をよく覚えています。




そしてわたしは、旦那の不倫相手、さゆりさんと


接点が出来たことを心から喜んでいました。



不倫された妻というのは、不倫相手と話をしたい、


相手のことを知りたい!という欲求があるものなんでしょうか?



それはごく一部なんでしょうか?



このことを知っている人は誰もが



「なんでそんなことするの?自分が苦しいだけじゃない」



と言いました。




でも実際不倫された人ばかりに聞いたわけではないので…


こういう気持ちを持つって、やっぱり異常なんでしょうか?



まあ、過ぎたことだし、わたしはこれをやったおかげで


今すっきりしていると思っているのでどっちでもいいのですが。



でも旦那との間に流れる空気が穏やかだったのはここまでです。



これから、嫉妬、憎しみ、疑心…


たくさんの感情が渦巻いてどろどろとした地獄生活が始まります…



「あんたはなんてことやってんの!!!」




これは、今回の不倫が発覚して、


不倫相手の家に行った後、


旦那の実家に報告に行ったときの


義母のセリフです。




正直、ここまで言ってくれるとは思っていませんでした。



「こんなことして、MIUちゃんがどんなに傷つくか、


 心に深く傷が残るか分かってるの!?


 本当に最低なことをしたね!このバカが!」




それからも懇々と語ってくれて…




義父は怒りながらも、しょうがないなーという様子。



同じ男だからということもあるのでしょうが、


どうやら過去に義父にも経験ありだったようで。




義母は今でもそのことをたまに持ち出しては


ちくりちくりと義父をいじめているようでした。




でもそれは何回かの遊びだったようです。



わたしはそれは今回の旦那と相手との


「付き合い」とは明らかに違うと思っています。



付き合いを続けるというのと、何回かの遊びは


相手への気持ちの入れようと、妻への配慮が全然違うように


思えますので…




散々息子を叱った後、次はわたしへの助言が始まりました。



「これは凄く辛いことだったけど、いつまでも


 グチグチ言うのは止めたほうがいいよ。


 やった本人がそのことを思い出して、


 いつまでも忘れられなくなるから。


 わたしみたいにたまにチクリとやるくらいがちょうどいいよ」




今になると義母の言っていたことがよく分かります。


わたしはこの後、これとは全く反対のことをして、苦しむことになるので。



でも実際にこの立場に立ったとき、


冷静に対処することはとても無理でした。






義父と義母、2人に圧倒されて、ほとんど自分の気持ちを言えないまま。



旦那はひたすら反省するそぶりを見せ、



「これからはもっと仕事に打ち込む」



なんて宣言したりしていました。




そんなことで、わたしの気持ちは癒されない。



このことはチャラには出来ない…と思っていましたが。





でもこの場では、こんなもんかと、この件はこのまま終わりになるか


いうような雰囲気のまま…



いえ、今思えばこれで終わりにしようという、


義父と義母の必死の努力だったように思います。




このときはわたしも周りの雰囲気におされて、


そして一気に真実を突きつけられて、まだちゃんと


考える時間を与えられていなかったので、


話足りないと思いながらも、淡々と話も終わり、


自宅に戻ることになりました。



これから、本当の悪夢が始まります。

旦那の不倫した相手とどんな態度で会えばいいんだろう?


気持ちが定まらないまま、相手の家に向かいました。


旦那の運転で。



その途中、なかなか仕事に戻らない旦那を心配して


義父がうちに向かっているのであろう、車とすれ違いました。



旦那は今の事態をどう説明すればいいか分からないらしく


携帯への着信には無視していました。




そして進む道は、わたしには見慣れない道。


でも近づくにつれ、それは旦那の実家の近くだということが


分かりました。



そして到着。




ここなの!



こんな近く!?




相手の職場同様、旦那の実家からすぐ近く。



古い公団のはずれで車を停めました。




慣れた様子で階段を上っていく旦那。




そして、1つのドアの前で止まりました。




「どうする?」




「どうするって…呼んでよ」






部屋の前にはなぜか


「チャイムが壊れているけど近所迷惑になるので


ドアを強く叩かないでください」


と書かれた張り紙が。




なんだか会う前から相手の情報が入ってきて、


すごく嫌な感じがしました。




「なにこれ?」




「知らない」




…知らないわけないじゃん。




「どうする?」




「呼んでよ」




「いないかもしれないよ」




「いいから」





どんどんどん。












「はーい」






来たっ!





細く開けられるドア。




寝ていたらしく、スウェット姿の女。




…が、わたしと息子の姿を見た途端、



すぐにドアを閉めました。



一瞬過ぎて、どんな人だったか分からないくらいすぐに。





「何?何?どうして」





「ちょっと開けて」




「無理。帰って…どうして先に電話してくれないの?」




なんだそのセリフはー!


どうして電話して知らせなきゃいけないの?




旦那はホッとしたように


「どうする?」


と聞いてきます。




「直接会って話するまで帰らないよ」




「…わかった」



旦那もやっと、もうダメだと諦めたようです。





「さゆりー!さゆりー!」




バカみたいに何度も何度も、


妻の前で不倫相手の名前を呼び始めました。




はあー、呼び方くらいなんとか出来ないのか、


こういうときくらい…




「無理です。帰ってください」





ドア越しにとにかく開けようとしない、不倫相手がいる。


弱々しい声を出している、不倫相手がいる。




なんとなく、予想と違っていたな、と感じていました。




不倫相手とは強気なもの…と思い込んでいたので。






それから20分くらい経って…




「ちょっと待っててください」




意を決したらしい彼女はドアの前を離れた様子。



着替えをしに行ったのでしょう。



化粧もかな?





それから5分くらい経って。



「ギーッ」




ドアが開いた!





「すみませんでした」




わたしと目が合うなり、謝る女性。




この人が。



いや、このこが!?





かわいくないじゃん!


スタイルも全然よくない!


髪の毛もキレイじゃない!


肌もキレイじゃない!



…センスもよくない!





なんとも言えないこの感情。



まずは妻という立場のわたしは、旦那の不倫相手を


見た目の情報で判断するということをしました。





よく世間で相手がキレイだったら、納得できる。


ということを聞きますが、わたしもこのとき同じ感情を


抱きました。




…あまりキレイじゃないということは、他に魅力があるってことだよね。



中身?



性格がいいのかな?



エッチがいいのかな?





とっても嫌な感情です。



相手のことを知りたくてたまらないこの感情。




後にこの感情が突っ走って、とんでもない状況に


陥ってしまうとは…





謝られたわたしは、正直、こんな場にも慣れていないし、


悪人にもなりきれない。



素直に謝る相手に罵倒することも出来ない。



「良い妻」を演じるしかなくなってしまいました…




旦那がこうなったいきさつと、もう会わないってことに


なってるんだよね?…と同意を求めるように


相手に話をしています。




「どういうつもりだったの?」





「…すみません」





「結婚する気だったの?」




「いいえ」





「わたしはもういらないから、あなたにあげます。


 そのかわり、絶対結婚して」





「いえ!そんなこと、止めてください!


 もう会いませんから!」





とにかく低姿勢に、付き合いを、この場を終わらせようとする彼女。





旦那はこの中に入り込めずにおろおろしているだけ。




こんなやり取りの繰り返しで、わたしも怒るに怒れず、


「いい人」になりきってしまいました。




旦那も


「もう会わないから」


と宣言して。





「ごめんね」



と何度も何度も謝っていました。



「さゆり」さんに。





なんでそんなに謝るんだよ!


謝る相手が違うだろ!!




…と思わずにはいられないくらいに何度も。






最後にわたしが言ったセリフ。



今でもどうしてあんなことを言ってしまったのか…


どうしてあんなにおちゃらけてしまったのか…



自分を低く見せてしまったんじゃないか…


相手になめられてしまったんじゃないか…



悩んでしまうけれど、言ってしまいました。




抱いている息子を相手に掲げて見せて、



「どっちに似てるかな~?」


…と。




笑顔で。





2人の強い絆の子供を見せつけたかったんでしょうか。




わたしの自尊心がそうさせたんでしょうか。



咄嗟の行動だったので、自分でもよくわかりません。




ただ、自分の言葉が今でも虚しく思い返されます。






「それじゃあ…もう、こんな相手と付き合わないほうがいいよ!」



「はい。本当にすみませんでした」





…旦那の出る幕なしで、和やかに終わってしまった不倫相手との対面。




良い人だった。


こんな出会い方をしなければ友達になりたいと思うかもしれない。


古い家だった。



ディズニーキャラクターのお菓子のおまけがあった。


あれは旦那が前に買っていたことがあったよな…



キティちゃんのサンダルがあった…


やっぱり趣味が悪い。





かわいくはなかった。


不幸顔だった。


酒井若菜に似てた。



よりによって、昔から嫌いな顔…



もっと嫌いになりそう…




たくさんの感想が渦巻く中で、


階段を下り、彼女の部屋を後にしました。



名残惜しさを感じながら。




旦那は和やかな会話にほっとしてさっきより


落ち着いた表情に戻っています。



これからが大変なんだということはかけらも


分かっていない様子で。



「これから、どうする?」




鳴り続ける義父からの携帯、そしてこのことを誰かに話したい


という思い。




「実家行こう」




次の舞台は旦那の実家に決まりました。



わたしが携帯を見てしまったとは知らずに


うちのチャイムを鳴らし続ける旦那。



わたしは携帯を見たことを告げようか迷いながら、


玄関へ向かいました。




「携帯忘れちゃったよ。取ってきてくれる?」





「…………………」





何も気づいていない、わたしが何も知らないと信じている、


いつもの旦那。


わたしを騙し続けている、いつもの旦那。




ダメだ!


黙ってることなんてできない!






「早く持って来てよ!」









「…………………」






わたしの態度で何か気づいたらしく、


段々弱々しさが言葉に出てきました。



「どうしたの?なんかあったの?…………」







「あれ、誰?」







「はっ!?」








「S○○(コンビニ)の、サユリとかいう人知ってる?」









「………………」




旦那、顔面蒼白。








「携帯見たんだよ!」







「なんで…………!」







「何で見たのなんて、言えないよね?


 見ちゃだめなんて、言えないよね?」











「ごめんなさいっ!!!」







土下座を始める旦那。


わざとらしい~としか思えませんでした。






「なんなの?どこの誰なの?いつからなの?


 ちゃんと説明してよ!」




旦那をうちにあがらせ、話を聞くことにしました。




でももちろん、わたしが促さないと何も話しません。




「どこの人?」





「S○○でバイトしてる…」





「どこに住んでんの?」





「○○団地」




「はーっ!?あんな近くの人?」



それまたコンビニと一緒で、実家(職場)のすぐ近くの団地でした。





「いつから?」












「はじめて会ったのはあそこ(コンビニ)近くの現場(仕事)


 やってたときで、よく通ってたら、あっちから話しかけられた。


 あそこは雑誌が他に比べて多いからよく行ってたんだけど


 携帯の雑誌読んでたら、”何使ってるんですか?


 機種変するんですか?わたしは○○だけど、いいですよ~”


 とかって。それから少しずつ話するようになった」





「それでなんでこういうことになったの?」





「仕事終わって、あそこに寄った日があって、


 その日雨だったんだけど、帰ろうとして車乗ろうとしたら


 その人と、一緒にバイトしてる友達が来て、


 ”傘持ってないからよかったらうちまで送ってくれませんか?”


 って来たから送って行った」





「結婚してるって知らなかったの?」





「車にMIUの写真置いてあるから、それ見せたよ。


 奥さんキレイだねって言ってた」





「そんなこと言われても嬉しくない!

 

 それで送ってどうしたの?」






「それだけ…友達先に降ろして、その人おろして…


 そのとき、携帯教えたかもしれない」




「なんで?そんなの必要ないじゃん!」




「でも本当にそれだけで、変なことしようって気はなかった」




「でもこうなったでしょ!」





「…それから、たまにメールするようになって…」




旦那の話はこうでした。



それから、本当にたまにちょっとしたことをメールするくらいだったのが


ある日、お店のお客さんでストーカーがいて


仕事が終わった後、店の外で待ってて恐いから来て欲しいと


言われたということ。


そういえば、夕方携帯に電話があって、友達からの誘いだって


出て行ったことがあるのを思い出しました。


こうやって、あのときのあれが!と思い出すのは


とても悔しいけれど、今後この行動ばかりを求めてしまうのは


何故なんでしょう…?



そのとき迎えにいって、家に送るまで話をしたら


車のこととか、歌とか、好きなことが一緒で気が合って、


今度遊びに行こうということになった。



でも本当にただ友達として遊ぶつもりだったということ。



それからも相手の女にお兄さんがいて、お金を貸しているのを


返してもらいに付き合って欲しいと言われて一緒に行ったということ。



今一緒に住んでいるのはお母さんと弟。


家計が苦しくて、その女が一生懸命頑張ってコンビニで働いて、


店長によくしてもらっていて、普通にコンビニで働くより良いお金を


もらっているらしいこと。



プレゼントを持ってきたりと、ストーカーがたくさんいること。



結構冷静に話をしていました。


でもその中でわたしがショックだったのは、


やっぱり、出産前から…もう半年も続いているということです。



しかも!



産まれてすぐに旦那が産院の外に出て、いろんな人に


出産報告していたときに、偶然その女が車でその前を通って、


「今産まれたよ」


という会話をしたというのです。




どういう神経してるんだか?




それと、お母さんと弟という、わたしと同じ環境だったこと。


自分と似たところがある人…というのはこのとき許せなかった。



そして、ストーカーがいっぱいって…


ストーカーがつく人って、ようはいろんな人に良い顔してるってことですよね。



どんな女なのか、早く見てみたいという気持ちが沸きあがりました。


複雑ですけど…




出産前はそういう関係ではなかったけど、


わたしが里帰りしている間にそういう関係になった…



というのが旦那の言い分でした。




ここまで聞いて、とりあえず今やることは…




「で、どうするつもり?」




「別れる。ちょうどもう会わないでおこうっていう話だったんだ。


 あっちから奥さんに悪いからもう会わない方が良いって


 昨日言われたから」




前の日、旦那は遅くまで帰ってきませんでした。


そんな話してたんだ。


でも奥さんに悪いっていうなら初めから誘うな!


そして、相手をかばうような旦那の態度にも…



「でも今日会いに行くつもりだったんじゃないの?」




「それはまだ決めてなかったけど…」




本当にバカ正直な男です。




「でももう会わないから」




「じゃあ、今から行こうよ」




「急には…いないかもしれないし。電話させてよ」




「ダメに決まってるじゃん!


 それで逃げられたら困るから。行こう!」




「分かった…」





こうして、相手の女に会いに行くことになりました。



旦那と関係のあった女に。




相手の家に向かう車の中で、自分はどういう態度に出ればいいのか?



世間でよく言われる、物分りのいい奥さんを演じれば


勝ちなのか?



そういうことを頭の中でぐるぐるぐるぐる考えていました。


それは皮肉にも、わたしの誕生日の前日のことでした。


ある晴れた春の日。



旦那が仕事に行って1時間も経っていなかったでしょうか。


息子はまだ寝ていました。


わたしは洗濯物をたたんでいると…



旦那の携帯電話がそこに…!



珍しく忘れて行ったようでした。



見たい。


見たい!


見たい!!




…これが、悪夢の始まりでした。



怪しい行動は多かったけれど、まさか実際に不倫しているなんて


相手がいるなんて想像もできません。



ただ、何かが隠されているような気がする。



それを知ることができるのは、唯一、この携帯だけ…



もうこのときのドキドキと言ったら、なんて表現していいか

分かりません。


今、このことを書いているだけで、あのドキドキが蘇ってきています。




携帯を手に、さっそく調べ始めました。


まずは着信、発信。


これには特におかしなところは見当たりません。



次にメール。


グループ登録ごとに受信メールが分かれていて、


ここにもわたしや友達といった、普通のメールばかり…



と思いきや…



グループ登録に何も文字が入っていない、


空欄登録発見!




中身を見ると…







見てしまった、



見つけてしまった、、、、、






女からのメール。





「8時に終わるからお店に来て」


「○○ちゃん(猫らしい)、あれからずっとみつからなくて、あの後

 ○○(弟らしい)が見つけてくれたよ。ありがとう!」


「○○(弟)が最近、気づいてるみたい。

 うちの近くにいつも止まってる車誰の?って聞いてきたの」


「店長も気づいてるみたい。

 やめとけよーって、注意された」





「わたしも愛してるよ!」

















……………………………………………








心臓が壊れるかと思いました。






どうしよう、どうしよう、どうしよう。






頭の中がぐるぐるぐるぐる。






まだまだ受信メールは続きます。



そこから推測すると、相手は夜の仕事?


家は近いような…



とにかく、頭の中に一気に情報が流れ込んできて、


脳の機能が追いつかないけれど、


なぜだかこの内容を忘れないように、インプットしておこう!


ぎっしり詰め込んでおこうという思いで、必死に読んでいました。



機種変更してから、受信メールは消していないようで


たくさんのわたしの知らないこの女からのメールで埋め尽くされていました。



送信メールは全て削除されていたので、旦那の相手への


メールは一切見ることが出来なかったのですが…


そしてよく読んでいくと…



旦那の実家(兼職場)のすぐ、本当に目と鼻の先にある


コンビニで働いているようだということを発見!




今から行くしかない!



とにかく行こう!!




それには自分とこどもの出かける準備をして…



その前にと、最近の状況をよく話している、旦那のこともよく知っている


ハナちゃんに電話しました。




「ホントに浮気してたよ~」



めちゃくちゃに泣きながら…



実家の近くのコンビニでバイトしているらしいこと、


今から行こうと思っていることを告げていると…



「ピンポン、ピンポン」




旦那が!!!





旦那が携帯を取りに戻ってきたのです。




どうしよう。



知らないフリした方がいいのかな?



ここで言っちゃった方がいいのかな?





考えがまとまらないまま、ハナちゃんとの電話を切り、


玄関に向かいました。


ホワイトデー当日。



そんなたいしたものは期待できないだろうけれど


それでも何かしらのものはもらえるハズと期待していました。



夕方帰ってくると…


手になにも持っていない!



まさかー。



そしてまさかのセリフ。



「今日は○○とマージャンの約束してるから、


ゴハン食べたら行ってくるね」



おいおいおいー!



仕方なく、自分から聞いてみました。



「ごめん!分かると思うけど金ないからさ」



それでお終いです。



バカみたいですねー。



結婚ってなんなんでしょう。



このころ、こっちに来て出来た数少ない友達のひとり、


ハナちゃんに、よく旦那の愚痴をこぼしていました。



というより、旦那の愚痴ばかり。



「浮気でもしてくれれば、思い切って離婚できるのに!」



毎回のように言っていた言葉。



どうしてその通りになったのに今こうしているのか…?



結婚って、本当になんなんでしょう?



次回から不倫発覚後のことを綴っていこうと思いますが、


この頃は精神的に本当に病んでいて、


まいっていて、



ぽろっと泣き言を言ったら、地元の友達がすぐに


駆けつけてくれました。



何度か来てくれて、


最後に来たときは今の旦那さんと一緒で、



気難しく、嫌がる態度を隠そうとしない旦那に


「こんな状態で良いわけがない!


MIUが元気に笑って暮らせないなんて、良い家族にはなれない!


MIUはわたしの大切な人なんだから、幸せにしてください!」




というようなことを力説してくれました。



本当に嬉しかった。


ありがたかった…。



そういう優しさに本当にうえていました。



…それは今も変わらないかもしれませんが。




この頃、旦那は仕事で使う資格を取るために


仕事の後、週に2回、学校に通っていました。



この日も学校のため、夕飯を食べて早々、出かけて行きました。




深夜12時を過ぎても帰らないので電話をすると、


初めは出ないで、少し経ってから旦那からかかってきました。


(いつものパターンです。彼女の隣ですぐには出られないのでしょうね)




「○○(学校が一緒の友達)と一緒に漫画喫茶に来てるから遅くなる」



そういうところに友達と行くのは珍しいけれど


友達と仲良くするのはいいことだと嬉しく思い(あまり友達付き合いをしないので)



わたしは寝ることにしました。




ところが…



朝になっても帰っていない!




電話をすると



また折り返し電話があり、



「寝過ごした!○○(友達)は先に帰ったんだけど…

起こしてくれてありがとう!」




と。




それから少しして帰ってきましたが


こう書き出すと、本当におかしな行動ばかりだったな…


と思います。



不倫中って気持ちの規制がきかなくて


おかしなことをしているって気が付かなくなってしまうものなんでしょうね…