それはある日突然はじまりました。
 
 
 
そのころの母は帰りが深夜になる日があるため、わたしの部屋で寝ていました。
その夜もいつもと同じ深夜に帰宅した母は、わたしの横で床につきました。
 
その後すぐに階下にひとり寝ていた父が階段を上がってくる足音がしました。
わたしの部屋のドアを開けたかと思うと、いままで聞いたこともないような大声で何かをまくしたててます。
 
普段の父からは全く想像もつかない父の姿がありました。
 
教職員という職業柄しつけやマナーなどに関しては厳しい父でしたが、何もない普段は勉強を教えてくれたり買い物へ連れていってくれたりと面倒見がよく優しい父なのに・・・
 
とてもショックで、何がおきているのかわかりませんでした。
そしてひとしきり言うと、今度は母に手を上げだしたのです。
 
その頃はまだDVという言葉もなく、家庭内暴力という言葉をチラホラ聞くようになった頃でした。
 
そんなころだったので、家庭内に暴力があることが信じられませんでした。
 
怖くて怖くてただ頭から布団をかっぶて息を殺しているしかできませんでした・・・
 
その日から母の帰りが深夜になる日は、父が母に手を上げる日々が続きました。
 
 
母とわたしたち兄弟が家を出る日まで・・・・・