ほぼ日手帳の下欄の「日々の言葉」の文章から、言葉を三つ拾い出してお題として、およそ百文字で三題話小説を書いていくブログです。
2024年7月10日の今日の三題子ども・変顔・会話子どもが喋るのが苦手で、うまくコミニュケーションが取れない。で、会話の後に必ず変顔をするルールを設けた。彼は変顔をしたいから、積極的に喋るようになった。学校でも、癖でやってしまう。故に彼女は出来ない。#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年7月9日の今日の三題たまご・気合・もう一回私の超能力のせいで、母はこんなに厳しく当たる。母とオムレツを作っているが、私はたまごを割る時に殼が入ってしまう。「はい、もう一回」「やり直し。気合が足りない」8秒だけ時間を戻せる能力なんて、いらない。#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年7月8日の今日の三題それぞれの・キョトン・企画書初めて任されたプロジェクト。会議室で、私は意気揚々と企画書を読み上げた。斬新すぎる為か、殆どの社員はキョトンとしている。私から目を逸らして、それぞれの手元を見る者も。「君の課の会議、隣の部屋だよ」え。#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年7月7日の今日の三題1パーセント・好かれて・どこかに物心ついてから命がけで生きてきた。ずっと嫌われ者だった。好かれていた記憶は無い。でも、どこかに俺を待つ何かが有るかも。そんな1パーセントの希望も打ち砕く、俺を待っていたもの。「ホイホイにGかかったね」#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年7月6日の今日の三題天国・お菓子・絵本お嬢さまは「お菓子と絵本があれば、天国なの」等と天使の笑みを見せる少女だが。寮の食堂で上級生とケーキの取り合い。授業では教科書に妖精や兎の絵を落書き。奥様は毎月学園に呼び出された。天使と悪魔は紙一重。#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年7月5日の今日の三題会社・エアコン・お名前会社のエアコンが壊れた。オンにすると冷気でなく霊が室内に入り込む。墓地の管理事務所になど就職しなきゃよかった。時代がかった霊に同僚が「あれ?見た覚えが。お名前は?」と聞くと「お岩よ」と。有名人キター!#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年7月4日の今日の三題首・演奏力・悲しみおもしろ楽器は次々と登場し、つい手を出してしまう。首に装着し、ヘドバンすると、その早さや強さで音色が変わる楽器。熟練しても演奏力がわかりづらいのと、悲しみが表現しにくいのが難点。バラードには向かない。#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年7月3日の今日の三題新幹線・無粋・仕事出張らしきサラリーマンが、新幹線のホームで別れを惜しむ恋人達を割って乗り込んだ。無粋な奴だ。キューピッドである僕の仕事は、そんな奴に恋の矢を撃ち込むこと。ちなみに政府に雇われている。少子化対策だって。#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年7月2日の今日の三題マスク時代・自由・知らない人宝石やスパンコールで飾ったマスク。パーティーには素性を隠した貴族や富豪が集い、自由に恋愛をした。友人と気づいても、知らない人として接する。やがて革命が起きて、マスク時代は終わった。何も無かったように。#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年7月1日の今日の三題集中・テキスト・もう嫌だもうすぐ期末テストだから、夜中まで必死に勉強していたら、集中しすぎて、頭の中で反復したテキストが、目の前に浮き上がっていた。年号や偉人の名前より「もう嫌だ」という言葉がダントツで多い。もう、休もうか。#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年6月30日の今日の三題アドリブ・物語・アクシデント人生は物語だと言う。脚本の無いアドリブの芝居だとも。アクシデントだらけのステージだとも。十か月じっくり検証しても、私には「人生」がわからなくて、怖い。「陣痛促進剤使います」だからまだ出たくないってば。#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年6月29日の今日の三題フィギュア・シンプル・イメージこれがゾンビの等身大フィギュアか。資料とはだいぶイメージが違うな。もっとシンプルだと思っていたよ。顔の崩れ方、派手でいいね。皮膚のどろっとした感じも。え?納品商品のコンテナに1体本物が紛れ込んだって?#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年6月28日の今日の三題戦って・5年生・複雑地球中の民の中から選ばれたという彼は、どう見ても子供だ。「何歳?」「5年生です」私も自分の星の命運を背負う代表者だが、気持ちは複雑だ。この子と戦って倒し、地球を侵略してよいのか。彼を選ぶとは。やるな。#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年6月27日の今日の三題瞬間・周囲・厚みサンドイッチの周囲からは、マスタードが滴り落ちていた。しかし見たことのないデカさだ。パンの厚みは、ベッドマットほど。挟んだハムは五百枚。でも、手に取ったと思った瞬間に、口に放り込んでたよ、ガリバーは。#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年6月26日の今日の三題歌・量・でたらめ誰もいない(と思っていた)高原で、大音量で歌を歌った。でたらめな歌詞と、滅茶苦茶な旋律。変なダンスもしながら。就活のストレスが溜まっていたからね。新人研修で、高原に居たと言われ歌詞まで覚えられていた。#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年6月25日の今日の三題ボーナス・お笑いライブ・還元老人に席を譲ったり、落とし物を届けたり。善行が千ポイント貯まってます。救急車を呼んであげたのはボーナスポイントでした。ポイント還元でお笑いライブを見られます。黄泉の川を渡る舟を待つ間、退屈しませんよ。#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年6月24日の今日の三題おもしろい・逸脱・メイン生放送の歌番組。司会者は、進行を無視しておもしろい方へ逸脱する傾向がある。今夜のメイン歌手の後ろにそっと立ってみた。司会者が言う。「幽霊のかたも、一緒に踊って」こうして僕はダンサーデビューを果たした。#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年6月23日の今日の三題水風呂・呼吸・足だけ温かそうには見えず、まずは足だけ入れた。「冷たっ!水風呂じゃないか」サウナでもスパでもない、普通の風呂屋に入店したのだが。番台の男が「エラ呼吸以外の客が来るの、久しぶりで」と言った。普通じゃなかった。#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年6月22日の今日の三題月・ドロドロ・昔から立入禁止の山が登山解禁になり、早速夜間登山をした。今夜は満月で、山頂から見る月が美しい。0時を回ると月がドロドロと溶け出した。昔から、ここでだけ見られる現象だ。山の主が変わり、二百年ぶりに体験できた。#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説
2024年6月21日の今日の三題家庭料理・味つけ・責任僕ら客にも責任がある。素朴な家庭料理の店なのに、味つけに深みがないとか遊びがないとか、フレンチのフルコースが食べたいとか満漢全席をやれとか、言いたい放題。ごめんなさい。逆ギレして包丁を振り回さないで。#ほぼ日手帳日々の言葉 #三題話#百字小説