あたしは小さい頃から父親の酒癖の悪さを見てきた。
それと同時に母親の苦労する姿も。
それを見て、あたしは今でも眉間に皺をよせて目をギュッて閉じて、聞かなかったふりをする。
そして強く思う。
「あたしは絶対に将来こんな家庭つくらない」
子どもができたらもしかしたら自然と母親として、人として強くなるのかもしれない。
だから母もあたしが思っている以上に苦労とは受け止めてないかもしれない。
でも子どもは………
寂しくて、恐くて、
なんで自分はここの子どもに生まれたんだろうって思ってしまうこともあるくらい。
あたしはますます自分は、と思った。
幸せな家庭に対して夢を描いた。
でも家庭不安を切り出す父親も、あたしは医者としては尊敬してた。
子どもに対する笑顔
自信過剰な発言に負けない的確な治療判断
かっこいいな、少し誇らしげに感じたりした。
なんで、あんなかっこいい所もあるのに…
お酒だけやめれば、最高の人なのに…
でも、あたしも子どもだったから分からないこともあったんだって思った。
寧ろ、昨日彼と話して凄い実感した。
仕事をする人は、多大な責任を持って働いてる。
大人としてそれは義務。
家庭を持っているならその責任はもう片腕に二倍。
父親の場合、患者さんの命を背負ってる。
死が隣り合わせにいる患者さんは街医者な分いないけど、どこかで逃避したいほどの重圧はいつもすぐ後ろにあるんだろうなって。
その重圧をなくすためにお酒に走ってる、ストレスをぶつけてる。
それは弱さでもあるけど
自分と戦ってるのかもね。
仕事人間なんだね。
だけど……
そういう人はとにかく家庭をもつべきじゃない。
せめて奥さんだけにしなきゃ。
子どもは何の選択権もなく親のもとに生まれてくるんだから。
子どもを悲しませたらいけない。
彼は、確かに父親と同じ仕事人間になると思った。
でも父親より趣味もあるし、自分のことも分かってるから、器用にこなせるんじゃないかって思った。
でも
「俺、めっちゃお酒に走ってそー」
………。
やめて。
やめてよ。
冗談じゃない。
一番父親と違う所を持ってる人を好きにならなきゃって思ってるとこを
重ねないで。
あたしはあなたとの将来にすごく夢を見てたのに。
この前の言葉とは裏腹に天国と地獄って、こーゆうことですか。
あなたはあたしに愛される喜びを、必要とされる嬉しさを教えてもらったから。
自分に前より自信がもてたから。
ずっとあなたを支えたい
小さい頃から悲しさを知ってるあなたを守りたい、癒やしになりたい。
抱えてるものを受け止めたい。
そう思ってたのに。
あなたは自分を曲げない。
あたしは似ていると思うし、そこも全て受け止めたい。
でも体のことは…受けとめる受けとめないの問題じゃない。
自分の体だもん。
気をつけるのは…最後に決めるのは自分。
彼自身だもん。
あたしは自分の体を大切にしない人と一緒にいることは出来ない。
言わせてもらえばそれも責任感ない人だよ。
そこだけ開き直ったように言われても…
ますます溝ができるだけ。
でも前に彼が言った言葉があるから…
幸せになれない可能性があるときじゃなくて、幸せになれなかったときに別れればいい
今
一緒にいるか、いないかの答えは
出しちゃいけないのかな。