ネット詐欺には、フィッシングや架空請求、ニセ通販、ニセ警告などがありますが、これらはあらかじめ知識を持ってさえいれば被害に遇わずにすみます。

しかし、自分は絶対に騙されないと思っている人も、ついつい引っかかってしまいがちなのが、加害者がSNSやマッチングアプリなどを使ってコミュニケーションをとってくる手口の詐欺やインチキ商法です。これには出会い系詐欺やロマンス詐欺、副業詐欺、利殖詐欺などがあります。

そのなかで、私が2000万円以上もの大金を巻き上げられてしまったのは利殖系。FX(外国為替証拠金取引)を騙った勧誘でした。

はじまりは、昨年の9月ごろのこと。十数年来の知人が作っていた『暖かい家の交流』というLINEグループのメンバーのひとりから、このグループに招待されたことが騙されるきっかけでした。

グループ名からして宗教くさいうえに、「T師匠」と「Y先生」と呼ばれるカリスマ的なふたりのメンバーが風水に精通しているらしく、慈悲の精神や人間愛について説くなどしていました。そのため私は、てっきりスピリチュアル系の集まりだと思って、当初はたまに閲覧する程度でグループとは距離を置いていたのです。

ところが、しばらくすると『暖かい家の交流』の空気が次第に変わっていきました。メンバーの中の数名が、株式投資で損失を出したという書き込みをはじめたかと思うと、たちまちそれまでの精神世界はどこへやら。『暖かい家の交流』のグループ内での発言は、「富を得ることで生活をよくしよう」というような現実的なものに染まっていったのです。

その波に乗って、グループ内でイニシアティブをとっていた「T師匠」と「Y先生」の両名が「10月にはFXの投資チャンスが来る。株の損失をFXで取り戻そう!」などと、声を大にしてみんなを煽りはじめました。

そして、そこに登場したのが、外国籍のFX業者『FUNRATS WEALTH LTD』のファンドマネージャーを名乗る「K」という人物。

「K」は、「T師匠」と「Y先生」の煽りでその気になったグループのメンバーに、FX取引のための口座の開設や資金の入金などのサポートをはじめたのです。