“さだ”と呼ばれた友人のこと | ファンキー・中村の“おっかねえかも知んない”話

“さだ”と呼ばれた友人のこと

「なぁがむら!電話さ出るのおっせぇ!」


「ウラサイねお前は朝から。なんか用?」


「おう!でげぇ鮟鱇さおぐるがら、皆でやってけれ!」


「鮟鱇かぁ!そりゃ嬉し過ぎ」


「んだべ!?友人さそまづにすんでねぇど!ガハハハハ!」


「ちゃんとさばいて…」


「マルのままさ発泡にぶっ込んだがら、子供らに見せでやれ」


「いやいや、うちには吊るすナニも無いからある程度は…」


「じゃ~な~」


こいつとは昔、お互い気を失う程の殴りあいをした経緯がある。


結婚してからは、超が付く程の子煩悩オヤジとなり、2年前には念願のマイホームも建てた。


昨年親父が癌で亡くなり、数か月後にはそれを追うかの様に母親が他界。


「目の上のタンコブが、二つともねぐなっだ」


と泣き笑いしていた。


酒を飲むと、若い頃に喰らった“淋病”の話を自慢気に繰り出すもんだから、


周囲の女には人気なかった。




2011年3月11日


東北関東大震災により発生した津波により 死亡





さだ


迷わずいけよ






合掌